レシピは寒鰆の昆布締めとさくらえびご飯です。鰆の昆布締めの参考本は紹介文に書き
ましたように「みおつくし料理帖」ですが、さくらえびご飯は私の思いつきです。そう申しまし
ても、料理はに無限の分野があるので、自分の創作と思っても、すでに他人様が作ったと
いうことが多々あります。
今月(’13年12月)4日、いつもの魚屋さんに行くと1m程の見事な鰆が「山口産=5000円」
の札がついて、これを半分ゲットします。隣の平台に活けのさくらえびが3pack並んでいて
1パック550円・・これを1パック・・ご飯にするつもりで買いました。
さわらは昆布締めと塩焼きにしようと考え、あとは白ねぎと一緒に鍋にするつもりでしたが、
一緒に行った知人に「半分欲しい・・」と求められ、残ったのは1/4身・・それで、昆布締め
と塩焼きなどをつくりました。
同時に求めた「活けのさくらえび」は珍しい・・そう思って、これを前記ご飯に炊きこみます。
ふるさと山口の雑魚えびはかき揚げ天ぷらにしますが、炊き込みご飯にすると抜群におい
しい・・それをヒントにしました。
さくらえびは、魚体が4センチ前後の小さなエビ。これを産するのは日本では静岡県・駿河
湾だけである・・と言います。さくらえび漁の歴史は浅く、1894年に由比の漁師がアジの網
引き漁をしていた時、網が深く潜ってしまいました。その時偶然大量のさくらえびが獲れた
ことが始まりと言います。
さくらえびは、駿河湾近接の東京湾や相模灘にも分布するそうですが、漁獲対象になって
いるのは駿河湾だけであると言います。主な漁期は4月から6月までと、10月から12月まで
のようで、6月から9月までは繁殖期で禁漁になります(以上Wikipedia「サクラエビ」より)。
活けのさくらえびは珍しいですが、干しエビなら年中手に入る・・これをご飯に炊きこんでも
おいしい・・そのときは、生姜一かけを刻み込むとよりおいしいご飯が炊けます。
このレシピは、高田郁著「みおつくし料理長帖・・今朝の春」からの頂きものです。ふつう、昆布締め
は黒い昆布で作りますが、酢で湿らせておぼろに削り、白板昆布にして締めるのは、私には新しい
発見でした。締めた魚の色が黒ずむこともなく味も上品になる・・既製の白板昆布でもOKのようです。
材 料 刺身用の鰆 1パック 150g
板昆布 1枚 20g ・・10×20cm大
酢 大さじ 2
作り方 柵どりした刺身用の鰆全体に、薄く味塩を振り、
ペーパーにくるんで冷蔵庫に入れる。
・・鰆は、トレーのスノコにおいてもよい・・
塩する時間は2~3時間ほど・・あじ塩にする
のは薄く万遍なく振れるから・・加えて味つけ
の意味があります。
・・本当は、伯方の塩など粗塩が良いでしょうが
薄く振る・・というのが難しいので味塩にします・・
板昆布に酢を絡め、ラップで包み1時間置いて、
包丁で黒い表の皮を削る・・おぼろ昆布をつくる
要領と言いますが、素人には骨が折れました。
写真1が何とか2のような白板昆布になりました。
白板昆布に鰆をくるんで、12時間ほど置く。
食べるときは厚い目に切り、煮切り酒と醤油を
合せた加減醤油か、柚子果汁など柑橘果汁と
と濃口醤油を合わせた、割り醤油で食べる。
白板昆布の濃厚な旨味が鰆に移っていて、
つけ醤油がなくても、そのままでおいしい。
白板昆布は、1回使っただけでは勿体ない・・
鯛や平目、キスなどの白身魚の昆布締めに
使った後、鯖や鰯などの青魚の昆布締めにも
利用できます。