レシピは夏野菜の「なす」二題です。一つは割いたなすを茹でて出汁に浸して冷やし、生姜
や大葉などの薬味を添えて食べる・・もう一つは、刻んだなすを塩もみして水洗いし、刻んだ
大葉とゴマ醤油で和える・・食材も作り方も単純な料理です。
なすの原産地はインド、日本には奈良時代に中国を経由してきた野菜・・古くから好まれて
きました。なすの紫紺色には、ナスニンというポリフェノールを含み、強い抗酸化力があり
活性酸素を抑える・・と言います。また体を冷やす食材でもあります。
手許の五訂増補食品成分表「なすの栄養」を読むと、「水分がほとんどで、ビタミン、無機質
ともに少なく、栄養的価値は低い」・・とあり、栄養的には評価されない野菜です。
俗に「秋茄子は嫁に食わすな」といいますが、①秋茄子がおいしいから嫁には食べさせたく
ない・・と言う説と、②なすはからだを冷やすので、妊娠した嫁のからだを気遣うからと言う
二つの説があります。
うちでは、わたしも家人もなすが大好き・・旬の夏は毎日のように料理法を変えて食べます。
近くの畑で、農家の方が現地販売していて、採りたてのなすを買ってきて直ぐに調理します。
レシピ二つのうち、塩もみしてゴマ和えするのは採りたてのなすに限ります。
色んな料理にして・・夏は特においしい食材ですが、上に述べたように栄養的に特筆するもの
がなく、体を冷やすという・・そのため、調理するには食材の相方を工夫する必要があります。
生姜や紫蘇・ねぎやゴマを使い、なすに不足する栄養成分を補足し、全体のバランスを保つ
・・体力が消耗する夏の食事には、殊の外栄養バランスを考えて作ることが肝要と思います。
鮮度抜群のなすをおいしく食べる料理です。なすの収穫時は非常に微妙・・私がなすを作って
いたころは、今考えると極めてアバウトでした。近くの畑で分けて貰うなすは、作る人によって
一家言あり、夫々味が異なります。レシピに使ったのは過熟と未熟の中間・・ベストのなすです。
材 料
なす 1本 180g ・・縦に八つ割して塩をまぶす
塩 一つまみ 5g
薬味
大根 5cm 40g ・・すりおろす
生姜 1/4かけ 20g ・・同
しそ 10枚 20g ・・細かく刻む
細ネギ 10本 15g ・・小口から薄切り
白ごま 大さじ 2 10g ・・すり鉢で擂り潰す
調味料
そばつゆ
・・ストレートのそばつゆを使う・・
作り方
なすを塩茹でして軽く絞り、そばつゆを振りかけて
冷蔵庫で冷やす。
食べる直前に、そばつゆにひたしたなすを軽く絞って
冷凍庫で冷やした器に盛り付け、あらたにそばつゆを
振りかけて、薬味を添え冷たいうちに食べる。
・・そばつゆが無ければ「創味つゆ」を水で薄めたのや、
好みの麺つゆなどで食べる・・
薬味は、これ以外にも削り鰹や、刻み海苔、しらす干し、
サクラエビなど、色々と楽しめます。
贅沢にするなら、活けの川津エビを茹でたのを添えれば
なすとの相性は抜群でおいしい・・より豪華にしたいなら、
活けの車エビかキスの天ぷらを添えてみたいと思います。