熊本熊的日常

日常生活についての雑記

北京といえば

2008年08月16日 | Weblog
中学生の頃、海外の短波放送を聴くことに熱中したことがある。当時、そのような趣味が「BCL」と呼ばれて流行っていたのである。お年玉で松下のクーガ2200を買った。本当はソニーのスカイセンサーが欲しかったのだが、予算の関係でそれほど大きくもない価格差を超えることができなかった。電波というのはデリケートなもので、昼間のノイズの多い時間帯よりは夜のほうが受信しやすい。季節の影響や太陽の黒点活動の影響もある。短波放送は遠くまで届くのだが、こうしたノイズの影響がはっきりと出る。そうした数々の障害を乗り越えて聞こえてくるラジオからの声を一生懸命聞き取ったものである。もちろん、日本語しかわからないので、聴くのは海外の日本語放送だ。VOAやBBCは受信できても、ドイチエベレは聴いた記憶がないし、ましてや、「アンデスの声」を聴くことなど絶望的だった。放送を聴くことができたら、所定の様式のレポートを書き、国際返信切手券を添えて放送局へ送るのである。そのレポートの内容で放送の受信が確認されれば、ベリカードというはがき大のカードを送ってもらうことができる。

頂いたものに関して印象深いのが北京放送で、カードだけではなく、カレンダーやポスターなどが送られてきた。そのポスターは、天安門広場で大勢の人々を前に手を振る毛沢東の姿を描いた絵だった。その絵の下に日本語で「文化大革命を最後まで成功させよう」と書いてあったのを覚えている。今となっては遠い昔のことである。

北京といえば、私のなかではいつまでも、この北京放送のポスターなのである。