熊本熊的日常

日常生活についての雑記

乾いた雑巾を絞る

2008年10月20日 | Weblog
カレーを作る時にスーパーでムール貝とか小エビの詰め合わせを買って使うという話を以前に書いた(10月14日「クーポン万歳」)。その詰め合わせは、もとは冷凍だったのだろうが、少なくとも店頭に並んでいる時点では凍ってはいない。それが1パック125グラムで2.99ポンドだが2つ買うと5ポンドになるので2パック買って使っていた。

そのスーパーのすぐ近くにある中国食材店で、似たような詰め合わせの冷凍品が1キロ3.98ポンドで売られているのを発見してしまった。さっそく1つ買って帰り、シーフードカレーを作った。カレールーはスーパーの1瓶440グラム入9ペンスのものを使う。野菜類はいつもと同じものを使ったが、なんとなく軽い感じがした。なぜだろう?

ところで、今、インターネット接続を2つの会社と契約している。BTのADSLとVodafoneのMobile Internetである。回線がいつでも問題なく接続できるのなら、どちらか片方だけで用が足りる。用が足りないから2回線を確保しておかなければならないのである。最近はBTの調子が良く、Vodafoneは調子が悪い日が多い。たまたま最近の状況がそうなのであって、いつ逆になるかわからない。無駄なようなのだが、仕方がないのである。地下鉄だけでなく、この国のインフラは先進国とは思えないお粗末なものだ。

もともとミニマリズムを指向しているので、それほど生活に無駄があるとも思えないのだが、こうしてみるとまだまだいくらでも節約の余地はありそうだ。以前、仕事でいろいろなメーカーの経営を調べていて、どの会社も異口同音に毎年のように「コスト削減」を唱えているのを不思議に思っていた。なぜ一気に削減せずに小出しにするのだろうと。ひとりで生活をするようになって、じわりじわりと生活の工夫を重ねる感覚がなんとなく皮膚感覚として理解できるようになった。誰が見ても明らかな無駄もあれば、合理性のある費用もある。ちょっとした気付きで変わることもあれば、試行錯誤のなかで工夫を重ねることもある。できることは毎日同じではない。環境が変われば利用可能な材料というものも自ずと変わる。そうしたなかで、乾いた雑巾を絞るような根気強さで、日々の生活を見直す姿勢というものがないと生活は漫然と流れてしまうのである。

娘へのメール 先週のまとめ

2008年10月20日 | Weblog

元気ですか。

こちらは、朝、吐く息が白くなる程度に気温が下がってきました。それでもまだ日中は15度くらいまで気温が上がります。夏場に比べると一日のうちでの寒暖の差が大きくなったようです。

先週、ついに勤務先が国有化されてしまいました。国有化発表の翌日、大規模な人員削減が実施されました。一年のうちに2回もリストラを食らうというのは、私の社会人生活始まって以来のことです。世の中がかつて無いほどの、おそらく1929年以来の大恐慌に陥っているので、仕方が無いといえば仕方がないのですが。いよいよ真剣に自分の手で生活の糧を得る方法を考え出さないと行けない状況になってしまったようです。

とりあえず、日本へのフライトと引越と帰国当座の仮住まいは予約を済ませました。フライトに関しては料金の支払も済ませてあるので、ここを脱出することはほぼ可能な状態になっています。頭が痛いのは、ポンドのレートです。すっかり対円でポンド安になってしまい困ったものです。ドルやユーロに比べてもポンドの下落は大きいのですが、ここは終わった国ですからそれも仕方の無いことです。前に書いたかもしれませんが、来年1月10日にロンドンを発ち、翌11日に東京に着きます。12日が祝日なので、東京の職場には13日から出社します。

本は読了したものがありませんでした。今、スーザン・ソンタグの評論集を読んでいます。

君が生まれた1995年はバブル崩壊後の不況の真只中で、2001年に小泉内閣が成立し、その経済政策の効果もあって、2002年から戦後最長の景気拡大局面を迎えました。まだ正式に決まったわけではありませんが、おそらく2007年末か2008年前半に、その景気も後退局面に転じているような気がします。(いつが景気の山あるいは谷なのかということは内閣府の景気動向指数研究会という会議で事後的に決められます)米国のプライムローン破綻に端を発する世界的な金融不安のなかで、これまで日本の金融機関は欧米ほどに危機的な状況ではないとされてきました。確かに、日本にはプライムローンのような商品はありませんでしたから、それが行き詰まることもないわけです。しかし、9月以降の上場企業の倒産の数には正直なところ驚いています。9月だけで7件、10月も既に5件です。2008年はこれまでの合計で23件となっており、史上最高水準で推移しています。2007年は6件、2006年が2件で、過去最も上場企業の倒産が多かった2002年は29件でした。2002年は金融機関の不良債権処理が本格化した年で、いわば特殊な年でしたから、今年がいかに異常な状況になっているかということが端的に数字にあらわれています。といっても、個人で何ができるのかよくわかりませんね。確かなのは、今が歴史に残る世界規模の経済危機の年であるということです。

なにはともあれ、健康に気をつけください。