熊本熊的日常

日常生活についての雑記

2つのメール

2008年10月23日 | Weblog
偶然なのだろうが、2本の相反する内容のメールが届いていた。ひとつは「Hiring Freeze」という題名のものである。このようなご時世でもあり、この一年の間に何度かの人員整理も実施している状況なので、新たに人を雇う余裕が無いのは当然だ。そしてもうひとつのメールが「SAVE THE DATE: Year End Party Wednesday Dec 3」というものだ。これだけ経営環境が厳しいなかでも、忘年会は実施するのである。

社会人になってから4つの景気の谷を潜り抜け、おそらく昨年か今年の前半に5つ目の山を越えた。この山谷は内閣府による公式判断に拠るので、実際の生活感覚とは必ずしも一致しない。いずれにせよ、谷にあるときは、社内の娯楽行事など一切中止になるのが当り前だった。

しかし、今の勤務先にはそういう感覚は無いらしい。今年に入って4割近い人員削減を実施し、それでも足りなくて公的資金の注入を受け、綱渡りのような毎日を送っている。尤も、ひとりひとりの社員にそんな危機感は無いかもしれない。習慣に従って毎日出勤し、習慣に従って日々の仕事をし、それで自分は会社の業績に寄与していると漠然と信じて疑わない。だから、年末は当然の如くに忘年会があるものと思っているのだろうか。

確かに、事業環境が厳しいのは事実だが、だからといって汲々としたところで事態が容易に改善するものでもない。こういうときこそ宴会でも開いて、気分転換を図ったほうが、却って組織の生産性が向上するかもしれないし、新しいアイデアが湧くこともあるかもしれない。

自分ではどうしようもできない大きな波に流されるとき、いったいどのような選択肢があるというのだろう? 誰の人生にも、いつの時代にも、それぞれの困難というものがあるのだろう。そして、人は困難を乗り越えることで生を謳歌するのだろう。それにしても、ここ数年は困難ばかりのような気がするのだが、なにをどうしたらよいものやら。