アイスランドで火山が噴火し、その火山灰の影響で欧州の多くの国々が上空を飛行禁止にしている。このニュースを聞いてすぐに思い浮かんだのが、インドネシアの火山の噴火で飛行中の旅客機のエンジンが停止したという事件だ。ネットで検索してみると、1982年6月24日にジャワ島上空で浮遊する火山灰のなかに入り込んでしまった英国航空のジャンボ機が全エンジン停止状態に陥ってしまったという事件のことだった。
かなり最近のことだと思っていたが、30年近くも前のことであることに、改めて自分の年齢を実感してしまう。ついでに検索してみるとこの年は興味深いことが多い。尤も、他の年も調べてみれば、同じくらいたくさんの興味深い出来事があるのだろう。
この年の航空機事故では2月9日に発生した日本航空350便墜落事故がある。所謂「逆噴射事件」だ。機長の異常操縦により羽田空港着陸直前の日航機が海に墜落、24名の死者と149名の負傷者を出した。事故原因である機長が統合失調症であったことから不起訴処分となった。事故の報道のなかでボイスレコーダーも公開され、機長の異常操縦を止めようとした副操縦士の「キャプテン、やめてください」という叫び声や、機長の異常操縦のひとつである「逆噴射」などが当時の流行語にもなった。現在であれば事故原因者であっても心神喪失者であれば実名は伏せられるが、当時は機長も、事故後に機長が入院した病院も実名で報道された。このため、子供たちの間などでは「片桐」という苗字の人に「機長」というあだ名が付けられるというケースもあったようだ。また、フジテレビの女性アナウンサーが慈恵医大病院から出てきた機長に突撃取材を敢行し、これが原因でフジは警視庁記者クラブへの出入りを5日間禁止されたという。
この事故の前日にはホテルニュージャパンで火災が発生し33名が死亡した。連日の大事件で世の中はかなり騒然としていたような記憶がある。
4月にはイギリスとアルゼンチンとの間でフォークランド諸島の領有権を巡って武力衝突が発生している。紛争は6月に終結し、イギリスの領有権が確認された。この紛争の資料がロンドンのImperial War Museumに展示されている。この博物館の展示内容の大きな部分を占めているのは第二次世界大戦に関するものであり、フォークランド紛争に関しては注意しないと見過ごしてしまう程度のものである。
10月にソニーから世界最初のCDプレーヤーとCDソフトが同時に発売されている。それまでのレコードに比べると扱いが画期的に簡単になった。レコードのときは盤面にキズが付かないように細心の注意を払い、盤面の埃の除去にやはり注意を払い、という具合になかなかデリケートなものだったのだが、CDはそうした必要がない。これは素晴らしいと思い、自分が持っていたレコードを少しずつではあるが、CDに置き換えていったものである。レコードのほうは当時、ソニービルの地下にあったハンターという中古レコード店に売りに行ったものだ。ただ、音楽マニアというような域に達している人に言わせるとCDよりもレコードのほうが音が良かったという意見が多いように思う。
政治では第一次中曽根内閣が成立、西ドイツではヘルムート・コールが首相に就任し、ソ連ではブレジネフ書記長が死亡。冷戦終結やドイツ再統一といった現在の体制の基礎を築いた立役者たちが表舞台に揃った。また、ローマ教皇がイギリスを訪問し、450年ぶりに英国国教会とカトリック教会が和解している。
経済ではトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併しトヨタ自動車となったのもこの年である。三越の岡田社長が取締役会で社長を解任され、その後、特別背任で逮捕された。取締役会で解任決議が可決されたときに岡田氏が発したとされる「なぜだ」という言葉もこの年の流行語のひとつになった。また、東北新幹線と上越新幹線が大宮始発で暫定開業している。
グレース・ケリーとイングリット・バーグマンが亡くなったのもこの年だ。だからどう、ということはないのだが、同じ年にこのふたりが亡くなっているのを初めて知って、少し「ほう」と思った次第である。
かなり最近のことだと思っていたが、30年近くも前のことであることに、改めて自分の年齢を実感してしまう。ついでに検索してみるとこの年は興味深いことが多い。尤も、他の年も調べてみれば、同じくらいたくさんの興味深い出来事があるのだろう。
この年の航空機事故では2月9日に発生した日本航空350便墜落事故がある。所謂「逆噴射事件」だ。機長の異常操縦により羽田空港着陸直前の日航機が海に墜落、24名の死者と149名の負傷者を出した。事故原因である機長が統合失調症であったことから不起訴処分となった。事故の報道のなかでボイスレコーダーも公開され、機長の異常操縦を止めようとした副操縦士の「キャプテン、やめてください」という叫び声や、機長の異常操縦のひとつである「逆噴射」などが当時の流行語にもなった。現在であれば事故原因者であっても心神喪失者であれば実名は伏せられるが、当時は機長も、事故後に機長が入院した病院も実名で報道された。このため、子供たちの間などでは「片桐」という苗字の人に「機長」というあだ名が付けられるというケースもあったようだ。また、フジテレビの女性アナウンサーが慈恵医大病院から出てきた機長に突撃取材を敢行し、これが原因でフジは警視庁記者クラブへの出入りを5日間禁止されたという。
この事故の前日にはホテルニュージャパンで火災が発生し33名が死亡した。連日の大事件で世の中はかなり騒然としていたような記憶がある。
4月にはイギリスとアルゼンチンとの間でフォークランド諸島の領有権を巡って武力衝突が発生している。紛争は6月に終結し、イギリスの領有権が確認された。この紛争の資料がロンドンのImperial War Museumに展示されている。この博物館の展示内容の大きな部分を占めているのは第二次世界大戦に関するものであり、フォークランド紛争に関しては注意しないと見過ごしてしまう程度のものである。
10月にソニーから世界最初のCDプレーヤーとCDソフトが同時に発売されている。それまでのレコードに比べると扱いが画期的に簡単になった。レコードのときは盤面にキズが付かないように細心の注意を払い、盤面の埃の除去にやはり注意を払い、という具合になかなかデリケートなものだったのだが、CDはそうした必要がない。これは素晴らしいと思い、自分が持っていたレコードを少しずつではあるが、CDに置き換えていったものである。レコードのほうは当時、ソニービルの地下にあったハンターという中古レコード店に売りに行ったものだ。ただ、音楽マニアというような域に達している人に言わせるとCDよりもレコードのほうが音が良かったという意見が多いように思う。
政治では第一次中曽根内閣が成立、西ドイツではヘルムート・コールが首相に就任し、ソ連ではブレジネフ書記長が死亡。冷戦終結やドイツ再統一といった現在の体制の基礎を築いた立役者たちが表舞台に揃った。また、ローマ教皇がイギリスを訪問し、450年ぶりに英国国教会とカトリック教会が和解している。
経済ではトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併しトヨタ自動車となったのもこの年である。三越の岡田社長が取締役会で社長を解任され、その後、特別背任で逮捕された。取締役会で解任決議が可決されたときに岡田氏が発したとされる「なぜだ」という言葉もこの年の流行語のひとつになった。また、東北新幹線と上越新幹線が大宮始発で暫定開業している。
グレース・ケリーとイングリット・バーグマンが亡くなったのもこの年だ。だからどう、ということはないのだが、同じ年にこのふたりが亡くなっているのを初めて知って、少し「ほう」と思った次第である。