巣鴨地蔵通り商店街で暮らしている。天気に恵まれれば平日でもかなりの人出のあるところだが、正直なところ、常連になりたいと思うような店はそれほどない。商店街といっても、毎日の暮らしに根ざした商品を扱っている店よりも観光地の土産物のような印象の店が多い。夕方4時を過ぎると人通りは顕著に少なくなり、5時には半分程度の店はシャッターを下ろしてしまう。巣鴨名物といえば塩大福だが、毎日食べるものではないだろう。例外的に夜遅くまで客足が絶えないのは定食屋の「ときわ食堂」くらいではないだろうか。イタリア料理屋の「イル・ドゥ・ジョーヌ」は個人的に好きな店だが、生憎、自分の生活時間と店の営業時間とがかみ合わず、まだ数えるほどしか訪れていない。地蔵通り商店街から少し外れているが、眞性寺の脇の道を行ったところにある手延べうどんの「たなかや」とか、その先のアジア料理店「くまさん」もおいしい。
私は佃煮というものを買ってまで食べたいとは思わないので、利用した経験が無いのだが高岩寺の向かいにある「佃宝」は「芸術新潮」の4月号に紹介されていた。おいしいのだそうだ。
地蔵通り商店街以外にも巣鴨には商店街がある。商一商店会のほうは自分の行動範囲から外れているのであまり出かける機会が無いのだが、「cha ba na」のランチメニューにあるビルマ素麺が好きだ。メニューのなかでどのような名前がついているのか、俄に思い出せないのだが、自分の頭の中には「ビルマ素麺」という名前が付いて記憶されている。ビルマで食べられているものだそうだ。麺は日本の素麺を流用しているように感じられるのだが、つゆがカレー味のエキゾチックな雰囲気のもので、なんとなくほっとするような味なのである。
そして、ようやく今日、新しいお気に入りの店ができた。「ハニービーンズ」というコーヒー豆の店で、眞性寺脇の「たなかや」の並びに開店した。この店はこれまで店主の自宅で営業していたのだが、店舗を構えて営業するようになったのである。店主の羽入田さんとは昨年4月に「グラウベル」のテイスティング教室で知り合った仲である。「グラウベル」というのは梅が丘でコーヒー豆の焙煎をしている狩野さんが経営している会社(?)だ。
さて、「ハニービーンズ」だが、豆売りが基本だが、飲食スペースも少しだけ設けてある。店内のレイアウトに再考の余地が無いわけではないのだが、全体としては落ち着いた雰囲気で良いと思う。
コーヒー豆を買って自分で挽いて淹れる人口がどれほどあるものなのか見当もつかないが、それほど大きな市場とは思えない。とはいえ、以前にこのブログに書いた記憶があるのだが、武蔵境の「ミネルヴァ」などは「焙煎するそばから売れちゃうの」というくらいに繁盛しているらしいし、職場が入っているビルの地下にある成城石井でもコーヒー豆を買っている人をけっこうよく見かける。限られた経験から言わせてもらえば、コーヒーに凝る人というのは変人が多い。何がどう変っていると明快には説明できないのだが、コーヒー関係のことで出会う人は、自分の世界を持っていて、それが世間の平均と少しばかりずれているという感じなのである。結局、コーヒーを淹れるのは自己表現なのである。そのことに目覚めた人がコーヒーに凝るので、特殊な市場が形成されるのだろう。
なにはともあれ、自分の知り合いが新しいことに挑戦するというのは、我が事のように嬉しくもあり、心配でもある。開店日の今日、出勤途上でこの店に立ち寄ったのだが、素直に「おめでとう」とは言えなかった。経営が上手くいかなかったらどうしよう、そうしたらちっともめでたくなんかないよな、とかいろいろなことが頭をよぎる。店に入ったとき、ちょうど羽入田さんがなれないレジの操作でまごついているところだった。領収書の発行を待っている客があり、やや取り込んでいる雰囲気だったので、余計なことは口にせず、店内や棚に並ぶ豆の入ったガラス製のキャニスターを眺めて、場が落ち着くのを待った。ようやく領収書がレジからにょろにょろと出てきて一件落着したところで、何事も無かったかのようにマンデリンの入ったキャニスターを取り上げて、「これ200ね」といつものように話しかけた。店のことについての会話も当然にあったが、結局「おめでとう」とは言わなかった。それが心残りでもあるので、今日のブログのタイトルは「祝新装開店」とした。もし、コーヒー豆を買って自分で淹れるというなら、是非一度、「ハニービーンズ」の豆を試して頂きたい。
店はJR巣鴨駅から徒歩5分、都営地下鉄巣鴨駅のA3出口からだと徒歩2分。営業時間は平日が7時半から21時まで、土曜は11時から21時まで、日曜祝日は11時から18時までだそうだ。店の詳細はhttp://www.honeybeans-sugamo.com をご参照頂きたい。
私は佃煮というものを買ってまで食べたいとは思わないので、利用した経験が無いのだが高岩寺の向かいにある「佃宝」は「芸術新潮」の4月号に紹介されていた。おいしいのだそうだ。
地蔵通り商店街以外にも巣鴨には商店街がある。商一商店会のほうは自分の行動範囲から外れているのであまり出かける機会が無いのだが、「cha ba na」のランチメニューにあるビルマ素麺が好きだ。メニューのなかでどのような名前がついているのか、俄に思い出せないのだが、自分の頭の中には「ビルマ素麺」という名前が付いて記憶されている。ビルマで食べられているものだそうだ。麺は日本の素麺を流用しているように感じられるのだが、つゆがカレー味のエキゾチックな雰囲気のもので、なんとなくほっとするような味なのである。
そして、ようやく今日、新しいお気に入りの店ができた。「ハニービーンズ」というコーヒー豆の店で、眞性寺脇の「たなかや」の並びに開店した。この店はこれまで店主の自宅で営業していたのだが、店舗を構えて営業するようになったのである。店主の羽入田さんとは昨年4月に「グラウベル」のテイスティング教室で知り合った仲である。「グラウベル」というのは梅が丘でコーヒー豆の焙煎をしている狩野さんが経営している会社(?)だ。
さて、「ハニービーンズ」だが、豆売りが基本だが、飲食スペースも少しだけ設けてある。店内のレイアウトに再考の余地が無いわけではないのだが、全体としては落ち着いた雰囲気で良いと思う。
コーヒー豆を買って自分で挽いて淹れる人口がどれほどあるものなのか見当もつかないが、それほど大きな市場とは思えない。とはいえ、以前にこのブログに書いた記憶があるのだが、武蔵境の「ミネルヴァ」などは「焙煎するそばから売れちゃうの」というくらいに繁盛しているらしいし、職場が入っているビルの地下にある成城石井でもコーヒー豆を買っている人をけっこうよく見かける。限られた経験から言わせてもらえば、コーヒーに凝る人というのは変人が多い。何がどう変っていると明快には説明できないのだが、コーヒー関係のことで出会う人は、自分の世界を持っていて、それが世間の平均と少しばかりずれているという感じなのである。結局、コーヒーを淹れるのは自己表現なのである。そのことに目覚めた人がコーヒーに凝るので、特殊な市場が形成されるのだろう。
なにはともあれ、自分の知り合いが新しいことに挑戦するというのは、我が事のように嬉しくもあり、心配でもある。開店日の今日、出勤途上でこの店に立ち寄ったのだが、素直に「おめでとう」とは言えなかった。経営が上手くいかなかったらどうしよう、そうしたらちっともめでたくなんかないよな、とかいろいろなことが頭をよぎる。店に入ったとき、ちょうど羽入田さんがなれないレジの操作でまごついているところだった。領収書の発行を待っている客があり、やや取り込んでいる雰囲気だったので、余計なことは口にせず、店内や棚に並ぶ豆の入ったガラス製のキャニスターを眺めて、場が落ち着くのを待った。ようやく領収書がレジからにょろにょろと出てきて一件落着したところで、何事も無かったかのようにマンデリンの入ったキャニスターを取り上げて、「これ200ね」といつものように話しかけた。店のことについての会話も当然にあったが、結局「おめでとう」とは言わなかった。それが心残りでもあるので、今日のブログのタイトルは「祝新装開店」とした。もし、コーヒー豆を買って自分で淹れるというなら、是非一度、「ハニービーンズ」の豆を試して頂きたい。
店はJR巣鴨駅から徒歩5分、都営地下鉄巣鴨駅のA3出口からだと徒歩2分。営業時間は平日が7時半から21時まで、土曜は11時から21時まで、日曜祝日は11時から18時までだそうだ。店の詳細はhttp://www.honeybeans-sugamo.com をご参照頂きたい。