風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「東山動物園の仲間たち=『可愛い!』の声が飛ぶオオアリクイ」

2016-07-04 06:38:35 | アート・文化




「可愛い!」
動物園の観客、とりわけ若い女性たちが発する一番多い言葉でしょう。
でも、コアラや子象のサクラちゃん、シャバーニの家族らに対してならまだしも、オオアリクイ舎で耳にした時は、少し驚きました。
比較的広い園庭を、鼻を地面にくっつけるようにして歩き回っているだけなのに、どこが可愛いの?と。


オオアリクイなどアリクイの仲間は、名前の通りアリやシロアリを主食にして、中南米の草原や熱帯林に生息しています。
アリ塚や倒木などのアリの巣を探して歩き回り、前足の鋭い爪で破壊。長い鼻を突っ込んで60㎝ほどもある舌を差し込み、アリを粘々した唾液で絡めて食べます。
歯はないそうです。

舌は1分間に150回も出し入れされ、1日に食べるアリは3万匹にもなるとか。
しかし、巣の中のアリを食べ尽くすことはないそうです。数分で巣を離れ、別の巣を探して再び歩き回ります。視覚は弱いものの、優れた嗅覚と聴覚でアリの巣を見つけるのです。

オオアリクイは体長1mから2m。ほぼ全身が長くて太めの毛で覆われ、尻尾の長さは65㎝以上、1㍍に達するのもいるそうです。

小型の種類のアリクイはペットとしても飼われており、ネットでは愛犬のように衣服を着せたりして可愛がる様子が紹介されていました。
それに、ドタ~と寝そべっている動物が少なくない中で、鼻を地面にくっつけるようにしてひたすら歩き回る姿を見ていると、女性たちの「ワ~、可愛い」が理解できたような気がしました。