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リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

カナダの領土になりたがっている島

2014年05月27日 | 日々の風の吹くまま
カリブ海の西インド諸島には無数の島があって、そのうちのキューバの東側、バハマ諸島
のすぐ近くにあるのがタークス&カイコス諸島。イギリスの海外領土で、40の島のうち人が
住んでいるのは10にも満たず、人口は3万人をやっと超えたところ。どこまでも青い海と青
い空とさんご礁と輝くビーチの熱帯のパラダイス。そのタークス&カイコスの首相がカナダを
訪問中で、またぞろ「併合」の話が浮上して来た。

「またぞろ」というのは、このタークス&カイコス諸島はもう100年近くもカナダの11番目の
州になりたがっていて、何度もカナダに「併合」をお願いしてはお断りされているところだか
ら。領土の分割や併合は歴史の定番みたいなもんで、たいていは流血の紛争が絡むけど、
向こうから併合を望んでいるのにお断りというのは歴史にもあまりないかもしれないな。ワタ
シがカナダに来てからも、あっちの方から併合案が出されたことがあって、「そんなことをし
たら島民がみんなカナダに移って来てしまう」と騒いでいたけど、熱帯の楽園の人たちが
「Great White North(偉大なる白い北国)」にこぞって引っ越すわきゃないだろうと思ったな。

タークス&カイコス諸島のユーイング首相は「カナダとの経済的、文化的結びつきを深めに
来た」と言うけど、アルバータ州選出の議員が「カナダもハワイが必要だ。アメリカはハワイ
を持っている。我々だって自分たちのハワイが欲しい」と言い出してメディアをにぎわす始末。
オタワからだったら、たしかにエドモントンの選挙区に帰るよりはタークス&カイコスに遊び
に行っちゃった方が距離的に近いだろうな。特に東部のカナダ人は「燦々と輝く熱帯の太陽
の下の青い海とビーチ」を夢見ながら長くて厳しい冬を耐えるそうだし。でも、ベアード外相
が「カナダはカリブ海の島々を併合するつもりなんかないよ」と言ったので、「自前のハワイ」
もまた見果てぬ夢で終わりそう。

それにしても世界のいたるところで年がら年中、あっちの島、こっちの半島、あの山は、この
海は誰のものかともめているというのに、「おたくの領土になりたいです」とお願いされて、そ
れを「けっこうです」と断っちゃうなんて、ちょっともったいない気もしないではないなあ。だっ
て、写真で見る青い空と青い海と白い砂はうっとりするくらいきれい。けんかしなくてもあれ
がカナダのものになるってのに・・・。