【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

瑠璃の囁き

2015-08-04 17:58:08 | 香る庭の花綴り
















 ぶうと云って汽船が止まると、
はしけが岸を離れて、ぎ寄せて来た。
船頭は真っ裸に赤ふんどしを締めてゐる。
野矕やばんな所だ。
尤も此熱さでは着物は着られまい。
日が強いので水がやに光る。
                  【夏目漱石 「坊っちゃん」】








   日本の気象図は、どこを見ても真っ赤っ赤。
  今日も厳しい暑さとなりました。

   8月が、よもやこんな暑さになろうとは・・・。
  それでも、冷夏よりはましかも知れませんね。

   そう言えば、湿度のあるこんな暑さを
  「油照り」 と言うそうな。

   尤も、漱石からの引用ですが、
  まさに日本の夏そのものの描写ですね。

   ところで漱石の文学には気象描写が良く出て来ます。
  一説にはロンドン留学から(あまりにも厳しい気候)
  自然を見る目が変わったとか。

   自然を日本的自我を語る心象風景として
  捉えるようになったと言います。

   青年時代から正岡子規らと句作に励んだ、
  漱石ですから、それはある意味、当然かも知れませんね。




















   暑さは人を怠惰にさせますが、
  こんな時、せめて色から “涼” を。
  何と言っても、青・・瑠璃色でしょう。

   幸い今、朝顔とセージが盛りです。
  ペチュニアも咲いていますが、ちょっと異質な気がして。

   花は西洋朝顔? 
  と言っていいほど似ていますけれど。
  それより何より。

   こんなに暑いのに、せっせと蕾を付けている
  薔薇にも魅かれます。いいえ、気もそぞろ。

   白薔薇は、もうすっかりお馴染み。
  そして久し振りの真紅の薔薇です。