だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

白バラの真実

2006-01-24 23:05:49 | 映画
昨年は「ヒトラー 最後の12日間」が、公開されました。あまり映画に描かれることのない、ヒトラーの最後の様子を知ることができました。第二次大戦の最終盤、堅固な地下要塞(シェルター)にこもったヒトラー、後に妻となるエヴァ・ブラウン、そして側近たち。何も知らないまま、秘書として雇われた女性の手記をもとに、映画は作られました。

そして今度は、ゾフィー・ショルの物語が映画になりました。タイトルは「白バラの祈り」。ゾフィーは、ミュンヘン大学の25歳の女学生。彼女は仲間を守り、自らの良心を守るために“死”を選んだのでした。

1943年ヒトラー独裁政権も、終わりが近づく時期。レジスタンス活動をするグループが、“白バラ”でした。打倒!ヒトラーを壁に書き、チラシや郵便で自由を訴えていました。2月18日大学構内で、ゾフィーと兄のハンス、仲間のクリストフの3名は、逮捕されます。

通常49日かかる人民裁判は、1日で終了。大逆罪で死刑を言い渡され、即日執行されたのでした。逮捕されてから、わずか5日のことでした。ここまでが、歴史に残された“史実”。

戦後50年以上が過ぎた、90年代。東ドイツで発見された、ゲシュタポの尋問記録によってようやく“真実”が、明るみになりました。逮捕されてからの恐怖の尋問、裁判長の狂気の詰問、判決に至る運命の時。真実が、私たちの前に現れます。

最近のドイツ映画は、自らの負の部分を果敢に描いています。素晴らしいと思います。映画は、第55回ベルリン国際映画祭で最優秀監督賞(マルク・ローテムント)、最優秀女優賞(ユリア・イェンチ)、全キリスト教コンペ部門最優秀賞を受賞。他にもたくさんの賞を取っています。

重い内容ですが、私は必見です。歴史を正しく知るためにも。ゾフィーの物語はハリウッドでも、クリスティナ・リッチ、ティム・ロビンス主演で映画化されるそうです。
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