だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

今日が、初日(279年前)

2006-01-29 23:19:06 | 演劇
今夜は日生劇場で、「ベガーズ・オペラ」を観てきました。素晴らしい作品でした。見終わったばかりなのに、もう、また行きたくなりました。最近の芝居の中でも、一番の見応えでした!

「ベガーズ・オペラ」は、1727年イギリスの劇作家ジョン・ゲイ作。オペラといえば、イタリアオペラが有名ですが、内容は上流階級や神話などの物語が中心。ジョン・ゲイはお定まりのオペラではなく、“庶民のためのオペラ”を目指し、「ベガーズ・オペラ」を書いたそうです。

ですから登場人物は、当時の庶民たち。何人もの女たちに恋をささやく色男、怪しげな商人の夫婦と娘、牢屋の看守とその娘、その他大勢の娼婦や泥棒やコソ泥たち。物語は、キャプテン・マクヒースとポリー・ピーチャム、ルーシー・ロキットの三角関係を軸に、さまざまな人間が入り混じって、繰り広げられる恋物語。

ベガーズとは“乞食”のこと。舞台は、ある劇場主が乞食たちの劇団に、一夜だけの公演を許す所から始まります。客席からのにぎやかな登場。シェークスピアで有名なグローブ座のごとく、客席も舞台も一体のうれしい演出。まさに当時は、こうして観劇したんですね!

狂言回しの一座の脚本家兼演出家の座長によって、開始される舞台は芝居と歌とダンスで、まさに“世界最初のミュージカル”と呼ばれています。すべてのミュージカルの原点なのです。今から279年も前の今日、1月29日がこの「ベガーズ・オペラ」の初演だったそう。そのせいか出演者も、大熱演!

演出は「レ・ミゼラブル」のジョン・ケアード氏。1992年にRSC(ロイヤル・シェークスピア・カンパニー)で改訂上演したのを、東宝が招致し上演が実現しました。感激!キャスティングはオーディションで行われ、内野聖陽さん、高嶋政宏さん、村井国夫さん、橋本さとしさん、島田歌穂さん、笹本玲奈さん、森久美子さんと、豪華~!

ところで、マクヒースと聞いて思い出した方もいるかも知れません。そう、この作品は、ブレヒトの「三文オペラ」のオリジナルなんです!1920年、ドイツのブレヒトは、この作品を改作して「三文オペラ」を書いたのでした。帰り道は“マック・ザ・ナイフ”を口ずさんでいました。(当然、本作には出てきませんが…)

素晴らしく、エネルギュシュな、魅力的な作品です!また、上演されたら絶対、絶対、観に行きます!舞台好きにお勧めです!
コメント (3)
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