雨傘とドヌーヴ

「Ｒｉｃｋｙ リッキー」（０９）を紹介したばかりですが、フランソワ・オゾン監督の次なる作品が公開。「しあわせの雨傘」（１０）がそれ。バラのイラストに囲まれた、カトリーヌ・ドヌーヴ。髪にはカーラーを巻き、ナイロン・スカーフを被っています。

真っ赤なアジダスのトレーニングウェアを着て、ド～ンと大地に足を付けたその姿は、りっぱ！貫録ですね～。１９４３年１０月２２日パリ生まれのドヌーヴの両親も俳優。姉も女優のフランソワーズ・ドルレアック。

ジャック・ドゥミ監督作「ロシュフォールの恋人たち」（６６）で共演。しかし姉は２５歳の時、１９６７年自動車事故により死去。ドヌーヴの映画デビューは「パリジェンヌ」（６１）。２作目が「悪徳の栄え」（６２）。

マルキ・ド・サドの原作をロジェ・ヴァディムが監督、残念ながら未見。今だったら見てるでしょうね～。当時は無理。そして３作目がジャック・ドゥミ監督の「シェルブールの雨傘」（６３）でした。この頃のドヌーヴは、細く美しい…。

その後も美しいドヌーヴですが、今年６７歳。貫録です。そして本作も“雨傘”がキーワード。スザンヌ・プジョー（ドヌーヴ）は、毎朝のジョギングを日課としている、ブルジョワ階級の主婦。美しく着飾って、優雅に暮らしています。

夫のロベール（ファブリス・ルキーニ）は、雨傘工場を経営。徹底した亭主関白のロベールでしたが、ある日、心臓発作で倒れてしまいます。やむなく、工場を運営することになるスザンヌ。働いたことなんてないのに…。

持ち前の優雅さと“自分も他人も心地良く”をモットーに、傾きかけた工場を立て直します。スザンヌは新しい自分と新しい生活をＧＥＴ．そこへ退院したロべールが帰って来ます。果たして、この物語の結末は？

娘のジョエルに「スパニッシュ・アパートメント」（０２）のジュディット・ゴドレーシュ、息子のレニエに「約束の葡萄畑」（０９）のジェレミー・レニエ、市長のババンにジェラール・ドパルデュー、秘書のナデージュにカリン・ヴィアール。

ドヌーヴとドパルデューは、フランソワ・トリュフォー監督の「終電車」（８０）で共演済み。ドヌーヴ３７歳、ドパルデュー３２歳。２人とも若く、細かった…。楽しみです。