だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

タジオ~!

2011-08-20 13:52:29 | 映画
巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督。1906年11月2日、イタリア・ミラノの貴族(伯爵)の家庭に生まれます。1976年3月17日ローマで死去するまで、映画監督、舞台演出家、脚本家として活躍しました。

代表作にはデビュー作の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(42)「夏の嵐」(54)「白夜」(57)「若者のすべて」(60)「山猫」(63)「地獄に堕ちた勇者ども」(69)「ルードウィヒ/神々の黄昏」(72)

「家族の肖像」(74)「イノセント」(75)などがあります。ご覧になりました?もし未見なら、ぜひ。ヴィスコンティ映画に出演する男優の美しさ!例えば、ファーリー・グレンジャー、アラン・ドロン

ヘルムート・バーガー、ジャンカルロ・ジャンニーニ…他にもダーク・ボガードやバート・ランカスターのようなベテランも。自身の家柄や教養などから、作風には芸術性の高さを感じさせるものが多くあります。

またバイセクシャルを公表していて、ドロンやバーガーとの関係は有名。ヴィスコンティ映画は、一度ハマるとその華麗なる世界にどっぷり。そんな文芸的な1本が、「ベニスに死す」(71)です。

今年製作40周年を記念して、ニュープリント版で劇場公開されます。トーマス・マンの原作をヴィスコンティが脚本、製作、監督。音楽は、グスタフ・マーラー“交響曲第5番、第4楽章アダージェット”。

1911年のヴェニス(ヴェネチア)。ドイツの老作曲家・指揮者のグスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、休暇で1人ここへやって来ました。避暑地リドにたどり着くとホテルに部屋を取ります。

サロンで見かけたポーランド人家族。母親(シルヴァーナ・マンガーノ)と3人の娘と家庭教師。そして目を奪われた1人の少年。金髪で青い目の美少年タジオ(ビョルン・アンデルセン)でした。

完全に虜になってしまうアシェンバッハ。しかしその頃、ベニスには疫病が蔓延し始め、町中に消毒液の匂いが立ちこめていました。それがコレラと知ってもベニスを去らず、ただただ少年の後を追い求める老紳士。

異様なほどのその姿は圧倒的。ラストシーンの凄まじさを思い出します。ビョルンは、ヴィスコンティ自らヨーロッパ中を旅して見つけたという、スウェーデン人。当時15歳。映画はこれ1本。アシェンバッハのみならず、今何処?
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