鈴虫のいのちの声と
わが今日のいのちの耳の
朝の出会ひなり
朝、目覚めると
庭の虫の声が耳に入った。
あぁ、いよいよ、
今日は摘出手術だなぁ・・・と、
刻々と迫るその時を
重く感じた。
【案ずるより産むがやすし】
とは言うものの、
事の前には小心者にとっては
「予期不安」が伴うものである(笑)。
そんなに、
達観してないもんねぇ・・・(笑)。
なので、今朝は
目覚めるや否や
碧水先生の歌集に目をやった。
***
健康のためになすべき辛抱なり
苦しくはあれ
堪へねばならぬ
賜びしいのちが
すべてお世話になりゐつつ
今日は手術をうくる得しめ給ふ
適切なる手当
正しき養生と相まちて
しだいによみがえる健康
体いとひ養生するも
みつとめの大切な奉仕と
またしても思ふ
賜びしいのち
賜びしからだの世話になり
賜びしつとめに仕へさえ給ふ
***
だよねぇ・・・。
仕事を続けるには、
カラダのメンテは
避けて通れないものだ・・・。
*
カミさんが
ゆんべ日光旅行から帰ってきて、
お菓子の土産を買って来てくれた。
ゆんべから絶食してるので
今日の術後の
口慰みにしようと
リュックにひとつ詰めた。
*
毎年、「敬老の日」には
リク坊の子ども園から
お葉書が届く。
この絵も
リク坊がハンコ絵で
描いたのだろうが・・・
柿か蜜柑かは定かではない。
でも、ヘタの具合が
なかなかに佳い。
退院したら、
絵だけ切り抜いて
落款や関防印を押して
色紙表具にして
玄関室礼に飾ろうかとも思う。
晩には、
仕事帰りにカミさんが
病室に顔見に来る・・・
とも言っていた。
なんだかんだ言っても、
家族との繋がりが
「こころの支え」に
なってくれている事を
今更のように思わされた。
四歳のわが孫が
ジイジと言ひくれしこゑ
床に入りて思ふ
名をよべば口あけて笑む我が孫
小さき手のばし
わが手をつかむ
*
昨晩は、
就寝前の下剤を服用し、
いよいよ治療開始だな・・・
という気分が高まった。
「今、ここ」の経験を
味わい尽くして
生きている事を
実感しようと思う。
*
出先で、万一の発作や
体調不良に見舞われた場合の
様々な頓服薬が
財布の中に入っている。
先日も、郡山で
コンサート会場に赴くのに
風邪の病み上がり体調で
2㎞ほど歩いて汗ばんだものだから、
動悸が高まり
首を回すとシャンシャンという
症状がでたので、
アルプラゾラムを服用した。
これは
俗称「シャンビリ」という
セロトニン代謝不全で起こる症状で、
ひどくなるとパニック発作や
VVR(血管迷走神経反射)が
誘発される。
*
きのうのお昼には
光っちゃん叔母ちゃんからもらった
笹蒲鉾をいくつか頂いた。
それと、
ちっちゃなパイ生地のパンを
1ケのみ食した。
それで、食事は
今日の晩までない。
*
きのうは見逃した
ソーちゃんの
NHK杯の棋譜動画を見つけて
見入っていた。
西山女流三冠との
注目された一戦だったが、
先手角換わりという
ソーちゃんの優位な対局だったので、
終盤からは超速の決め手が出て、
「17手詰め」に追い込んで
早々と投了させた。
さすがに、
「名人・竜王」七冠の
指しまわしは
見事であった。
*
先日、
三ツ星懐石店で、
カウンター席の目の前で
親方が見事な本鮪の塊を
柵取りする処を
見せてくだすった。
皮や血合いを
惜しげもなく手屑として
捨てるのを見て、
「勿体ないですねぇ・・・。
居酒屋だったら、
いろいろと使えるのに・・・」
と言うと、
「もう、いつもの事ですから・・・」
と、その部位を賄いでも
使わなくなったという。
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