朝、目覚めると、
ジイジの二階の部屋に
元気よくやってくるリク坊。
お気に入りのチェンバロに座って、
ひととおり即興演奏を
聴かせてくれる(笑)。
チャンス・ミュージックや
シェーンベルクの12音技法のように
不思議な不協和音が響いたり、
時に、バッハのような和音になったり
無心に音と戯れる三歳児の魂が
音に変換され、ひとつの音楽が
立ち上がる。
ジイジが低音部で弾くと、
高音部で応答してくれるので、
即興のデュオもできて楽しい。
それに二人の
デタラメ鼻歌を交えると
四声部の「宇宙音楽」になる(笑)。
既成の楽譜を
譜面通りに弾くというのと違った
インプロヴィゼーション(即興)は、
音のクラスターが現れては
消えてゆく、まさに、
【一期一会】の音楽である。
それは、小さな孫の命と
65歳のジイジの命の
「共鳴」でもあり、
「魂の歌」でもある。
ママがチェルニーやハノンの
正式ピアノ教育を受けていて、
パパもかなり弾けるので、
買ってもらったオモチャピアノで
ちゃんとやってくれれば、
そうとうの弾き手になるのだが・・・。
ジイジの家には、
幼児用の1/16、1/8の
ヴァイオリンもあり、
1/1は4台もあり、
ヴィオラもチェロも
コンバスもあるので、
弦楽器をやってくれてもいい。
パパとナッちゃん叔父ちゃんが、
オケでつかっていた
バック製(ドイツ)の
高級トランペットもある。
ピアノも二台あるし、
ギター、リュートは
20本近くあるので、
どの楽器も選り取り見取りである。
*
リク坊もミカママも
「流しソーメン」未体験だというので、
郊外の山間にある『吾妻庵』まで、
開店時の10時を狙って
出かけてきた。
そしたら、お盆中とあって、
すでに長蛇の列ができており、
30分ほど並んで、ようやく着座できた。
山の沢から水を引き、
山葵も生えているその清流で
キンキンに冷えたソーメンが
流されてくる。
沢の流れからは
自然のミストが発生し、
天然のクーラー状態で、
真夏なのに涼しすぎるほどだった。
しかも、足元は
ワサビ田のように水が流れていて、
まるで、京都の奥座敷・貴船で
川床料理を味わったときを
彷彿させられた。
ちょうどソーメンの
流出口あたりの席だったので、
飛び出た瞬間を捉まえるのに
「モグラ叩き」のような
反射神経が要った(笑)。
それよりも、下流の席では、
白いソーメンが流れてくるのが
事前に視認できるから、
待ってればいいのだが、
流出口の前は、そうはいかない(笑)。
パッと視界に白いクラスターを
視認した瞬間にサッと箸で
すくいにいくか、
前もって「ヤナ方式」で
沈めておくよりない。
すくい用の箸は
食する割り箸とは別物なので、
口に入れた箸ではないので、
「通せんぼ」しておけるのである。
リク坊も目をキラキラさせて
ママちゃんと一緒に
すくいとってはご満悦だった。
*
清流から摘みたての
クレソンの天婦羅は
鮮烈な味で、
目の前の釣り堀で上げたばかりの
イワナの塩焼きも新鮮そのものだった。
リク坊は
“トウモコロシ”大好き少年なので、
真夏の甘味のある炭火焼きを
「おいしいねぇ・・・」
と、嬉しそうに食べていた。
*
市内の校外から
土湯峠を超えて、
猪苗代湖畔の表磐梯にある
『野口 英世』記念館に赴いた。
中学教員のバアバは
生徒の校外学習で
何度も来ているが、
ジイジは小学校の遠足以来である(笑)。
まさか、子どもの頃に、
将来、老爺になって、
愛孫の手を引いてきようとは
想像だにしてなかった(笑)。
現1000円札の肖像にもなっている
野口の「ヒデ坊」とリク坊の
可愛らしいツーショットには、
パパ・ママ・ジジ・ババとも
それぞれに
スマホカメラを向けていた。
ステンドグラスとの
ツーショットも
過去の天才少年と
未来の天才少年の
そろい踏みだなぁ・・・と、
爺馬鹿はひとり
ほくそ笑んでいた。
ママが英語の「お歌」を
しょっちゅう聞かせているので、
英単語のヒアリング能力が高く、
ジイジが教えた英語を
すぐに反復して
翌日まで記憶保持して
再生していたのには驚かされた。
レトリックも
直喩・隠喩ができるので、
年少クラスの集団では
かなりの社会性を
発揮していそうである。
*
『世界のガラス館』では、
色とりどりのガラス製品を
ひととおり愛でてきた。
*
それから、
ニジマスのつかみ取り体験をやり、
リク坊は怖がって触れなかったが、
ババ・ママ・ジイジで4匹を捕まえて
その場で唐揚げにして頂いた。
*
磐梯山の雄大な頂きには
雲がかかっており、
東側には“尾頭付き”の虹が
かかっていた。
それを見たリク坊が、
「レインボーッ!!」
って言ったから、
また驚いた(笑)。
なんだか、将来は、
東京弁・大阪弁との
トリリンガルにでも
なりそうである(笑)。
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