かつて 季節の変わり目には邪気がはいりやすいという考えがありました。中国では、3月最初の巳の日、穢れを祓うために水辺で遊び、人形を川に流す風習があったのです。この風習が日本に伝わり 自分のけがれを「ひとがた(草やわら、紙などで作った簡単な人形)」に移して、川に流したりするようになりました。女の子の「ひいな遊び(雛遊び)」と結びついたり 平安時代には宮中の行事として「曲水の宴」が開かれたりしました。
「桃の節句」というのは ちょうど花時でもあり 日本では桃が、邪気を祓う神聖な果物とされているからです。古事記でイザナギノミコトが怒ったイザナミノミコトから逃れるため ヨモツヒラサカで桃を投げて助かった話がありますね。
以上は通説ですが 桃の節句について もうすこし 推し量ってみましょう。水 川 といえば瀬織津姫 が思い浮かびます。瀬織津姫は(※祝詞では)祓い戸四神のおひとりでもありました。もろもろの禍事・罪・穢れを川から海へ流す神です。
水 おみな おんな といいます。日神(火神 霊神) 燃え盛る男神に配しての 水の神 女神 はとてもうつくしく感じます。水はすべてのいのちのみなもとでもあります。日(火)と水がくみあわさって生命が生まれ 世界は流動し 弥栄となるのです。
邪を祓い 世を清め いのちのみなもと 「水」 すべての女(おみな)たちよ いまこそ あなたたちの力が必要です。自分のめぐりを清めましょう。
......川は黄泉の国へもつながっています。3月3日 春の花を送ってまいりました。亡きひとに捧げるのは 実は自分のためなんですね。とてもおだやかな清明な気持ちになりました。
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