尖閣問題での、中国艦船よりの射撃管制用レーダー照射事件で、安倍首相と小野寺防衛相が、腕をまくっている。証拠があるのなら射撃管制用レーダーの証拠をすべて出したらよい。まるで子供である。
中国は、報道官と外務省が対応しているのに対して、日本は総理と防衛大臣が先頭に立って、しかも中国批判をストレートにメディアの前で繰り返している。これでは外交交渉など出来る筈がない。日本の対応は未熟で愚かである。日本の政府当局は子供だ、と世界中からバカにされているのだ。
安倍晋三には中国に対する個人的嫌悪感があるように思われる。こういう個人的な感情は、国のトップに立ったら禁じなければならない。抑制的でなければならない。しかし安倍晋三は子供のように反中、嫌中をむき出しにしている。ここでは米国の後押しと、自公で3分の2をとったという、まことに過剰な自信が歯止めを奪っている。
衆議院選挙の結果、日本はきわめて不幸な状況になった。しかし、そのことを指摘し、政府の熱気を冷ますべきメディアが、逆に煽っている。現在、わが国のマスメディアは中国の大気汚染の報道で大騒ぎだ。この半分でも国内の放射能汚染を報道してくれたら、一挙に日本はまともな国になるのだと思われる。
実はPM2.5は何年も前から日本に飛来してきていた。わが国ではマスメディアがメディアスクラムを組んで一斉に動き出したときは、政治的モチーフがあるのである。メディアは「西日本が危ない」と喧伝している。
1 東日本だけが放射能汚染で酷い目に遭っているのではなくて、西日本だって大変な目に遭っている。(逃げたってムダだよとね 首都圏の不動産売り抜けるまではね/luca)
2 反中意識の植え付け(空気も食べ物も尖閣もわるいのはみーんな中国 戦争してやっつけようとね /luca)
この2点のための情報操作と洗脳をやっているのである。
現在、東京は普段の100倍の放射能に汚染され続けている。そのなかで中国の大気汚染を叩き、中国人の健康に言及するなど、気は確かかといわねばならない。ネットではネトウヨを中心に反中の罵詈雑言が飛び交っている。しかし、わが国は米国の西海岸、アラスカ、カナダと放射能で汚染している加害者だ。
中国に賠償させろと息巻いても、もし中国が海産物汚染で日本に賠償を要求したら、その額は何十年、何百年にわたって天文学的な数字になるであろう。
いずれにしても先の衆議院選挙前に放射能汚染を報道してくれていたら、「自・公・民・みんな・維新」による、消費税増税、原発推進、TPP参加はなかったであろう。それだけ「記者クラブ」メディアはまだ強大な国民洗脳力と誘導力をもっている。しかし同時にわが国「記者クラブ」メディアの罪深さをも証明している。
かれらは、先の衆議院選挙で、景気と雇用問題が重要課題であるとして、消費税増税、原発、TPPの本質を隠蔽した。その結果は危険きわまりない軍国主義政府の誕生である。現在、尖閣で、偶発的な衝突が引き金になって、いつ戦争が始まってもおかしくない状況だ。09年の政権交代時には想像もつかなかった事態だ。
以上