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牛乳は日本人に不足しがちなカルシウムを多く含むという理由で、もてはやされています。でも、牛乳ほど消化の悪い食物はないのです。牛乳に含まれるタンパクの約8割を占める「カゼイン」は、胃に入るとすぐに固まってしまい、消化が悪いのです。さらに市販の牛乳はその成分がホモゲナイズ(均質化)されています。つまり、搾乳した牛乳の脂肪分を均質化させるために撹拌され、そのときに空気が混じり、乳脂肪分が過酸化脂質になってしまっています。
過酸化脂質とは「酸化がとても進んだ脂」で、「錆びた脂」です。これは体に非常に悪い影響を及ぼします。その錆びた脂を含んだ牛乳を、更に100度以上の高温で殺菌します。エンザイムは熱に弱いため死滅します。つまり、市販の牛乳は、大切なエンザイムを含まず、脂肪分は酸化し、タンパク質も変質している、最悪の食物なのです。 その証拠に、市販の牛乳を母乳の代わりに子牛に飲ませると、その子牛は4、5日で死んでしまうそうです。エンザイムのない食物では命を養うことはできないということでしょう。
牛乳を飲み過ぎるとアトピーになる
市販の牛乳が悪いということを、35年前に私に最初に教えてくれたのは、私の親戚の子供たちでした。その子供たちは、生後6、7カ月でアトピー性皮膚炎を患いました。いくら治療を受けてもアトピーは改善されず、3~4歳ころから、ひどい下痢を起こすようになりました。そしてついに血便まで出るようになり、びっくりした母親が私を頼ってきたので、すぐに内視鏡でて中を見ると、その子供は潰瘍性大腸炎の初期でした。私は子供たちがよく食べている食物を調べ、彼らがアトピーを発症した時期が、授乳を打ち切り、牛乳を与えるようになった時期であったことを確認しました。。
私は牛乳と乳製品をすべてカットするよう指示しました。すると、血便も下痢も、アトピーすらもピッタリ治まったのです。 のちに私の患者さんたちに食歴のアンケートをとるとき、牛乳・乳製品をどれぐらいとっているかという項目を設けたのも、この経験があったからでした。臨床データによれば、牛乳や乳製品の摂取はアレルギー体質をつくる可能性が高いことが明らかになっています。
妊娠中に母親が牛乳を飲むと、子供にアトピーが出やすくなるという最近のアレルギー研究の結果とも一致しています。日本ではここ30年ぐらいの間に、アトピーや花粉症の患者が驚くべきスピードで増えました。その数はいまや5人に1人といわれるほどです。なぜこれほどアレルギーを起こす人が急増したのか、さまざまな説がいわれていますが、私はその第一の原因は、1960年代初めに始められた学校給食の牛乳にあると考えています。
過酸化脂質を多く含む牛乳は、腸内環境を悪化させ悪玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを崩します。その結果、腸内には活性酸素、硫化酸素、アンモニアなどの毒素が発生します。こうした毒素がどのようなプロセスを経て、どのような病気を招くかはまだ研究段階ですが、牛乳はアレルギーだけではなく、子供が白血病や糖尿病などシリアスな病気を発症する原因となっているという研究論文がいくつも出ています。こうした論文はインターネットなどで見ることができます。
牛乳を飲み過ぎると骨粗相症になる
いろいろな健康被害をもたらす可能性のある牛乳ですが、最大の誤解は、牛乳が骨粗鬆症の予防に役立つといわれていることです。これは大きな間違いです。牛乳の飲み過ぎこそ骨粗鬆症を招くのです。 牛乳のカルシウムは、小魚などの食物に含まれるものより吸収がよいと言われますが、それは少し違います。人間の血中カルシウム濃度は一定しています。ところが牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度は急激に上昇します。そのため、体は血中のカルシウム濃度をなんとか通常の状態に戻そうというコントロールが働き、血中の余剰カルシウムを腎臓から尿に排泄してしまうのです。
つまり、カルシウムをとるために飲んだ牛乳は、かえって体内のカルシウム量を減らしてしまうという皮肉な結果を招くのです。牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界四大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折と骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう。
これに対し、日本人が昔からカルシウム源としてきた小魚や海藻類に含まれるカルシウムは、血中カルシウム濃度を高めるほど急激に吸収されることはありません。牛乳を飲む習慣のなかった時代の日本に、骨粗鬆症はなかったのです。
「ヨーグルト神話」には疑問を感じます ヨーグルトを常食していると、腸相は悪くなっていきます。これは30万例の臨床結果から自信をもっていえます。もしあなたがヨーグルトを常食しているなら、便やガスのにおいが強くなっているはずです。これは腸内環境が悪くなってきている証拠だと思ってください。くさいのは、毒素が腸内で発生しているからです。