もう 遠い昔のような気がするのですが 12日 土曜日 .... 語りの会でした。
おいでいただいたみなさま ありがとうございました。
わずか5日前の案内状に 遠方から駆けつけてくださった方々 心から感謝申し上げます。
客席を確保するのに前日 サビだらけのスツールを磨いたり お酒のケースを集めたり 大わらわでした。
一度の練習と前日のリハ 三日でたちあげたのですが 駄目出し修正にメンバーがその場でこたえて
くれるようになり この一年 学校公演で培ったことはムダではなかったとしみじみ思いました。
と 同時に 2月を機に 基本 教えることから 手をひいた.... ことは間違っていなかったとも感じました。
今回の構成は 文学や昔話の種子は 「事実」 「あったること」であり ものがたりが 思うにまかせぬこと
人生のアクシデントや トラウマを癒し 乗り越えるちからとして ひとびとの背中を押してきた....
ことを 順序だてるプログラムでした。つたわったかどうかはわかりませんが....
最後は お客さま 語り部 スタッフ 全員で やっちゃえば できるんだ の 合唱で
参加のみなさまは こんな語りの会 あるのかなと さぞ驚かれたと思います。
個人的には タム・リンの伝説を語りたかった....のですが 語ったあと なぜ 語りたかったのかわかりました。
王女ロイズは 妖精の女王に捕らわれ 夏至の日 黄泉の魔王の生贄にされることになった
騎士タム・リンを救おうと 森へ向かいます。
妖精の女王は言います 「心底 タム・リンを救いたくば 固く抱いて 決して 離さぬことです。
あれが どのような姿に変わろうとも どのようなことばを吐こうとも...」
ロイズは 灰色の狼 大蛇 焼けた鉄の柱にすがたを変える タム・リンを抱きしめつづけ
ロイズに憎しみのことばを吐くタム・リンに
「あなたを自由にしてあげる 魔王の手から 妖精の女王から そしてあなた自身から」
と 抱きしめつづけ タム・リンを取り戻すのです。
妖精の女王は .... 櫻井先生であり わたしでした。
ロイズもわたしの投影でした。わたしは 妖精の女王になんとかならずにすんだのでした。
タム・リン は メンバーたち でした。わたしは 自分をみつめ不要なものをすてるように
思い込みや憎しみを捨て 自由になるように 本来の自分 語りの器になるように 求めつづけました。
それが わたし自身 できたとも 思えませんが そう求めるしかなく
見つめること 憎しみをすてることをできかねて 去っていった ひとも おります。
そのひとたちへの 愛惜の思いは いまだに 捨てることが できません。
ものがたりと人生は 不思議にというか 当然のように からみあって います。
(二年やすんでいたひとが復帰することになりました)
そして 日曜日 朝 5時 4/7 亡くなったひろこさんの願いをかなえるため 友人5人と 仙台市 築館にむかいました。
築館 にすむ 汚言症のMさんを訪ねる旅でした。
山のなか 車は進み 到着したとき わたしは唖然としました。 その草地は 誘いのメールを読んだとき
浮かんだイメージとまったく同じだったのでした。 正直 気が進まない旅でしたが そのイメージを
見て 参加を決めたのでした。
友人たちは 篠笛を吹き オカリナを演奏した.... わたしは涙が 滂沱と溢れて流れて 止まらなかった。
築館のひとたちは 手作りのご馳走をテーブルに山のようにして 歓待してくださった。
わたしは つつじの娘 と コカのカメ を 語りました。
Mさんも つながってしまうひとです。言葉を吐いてしまうのです。奇態な さけび声を...
.....それは Mさんの本意ではなく Mさんは四六時中 その衝動と戦いつづけています。
その苦しみの一端をわたしは理解することができます。
なぜなら わたしも それとは違うが コントロールできない感覚を持っているからです。
凝縮した時間でした。なにかが生まれるのかもしれないのでした。
失われたことから みずみずしく 周囲を変えうる ちからが 立ち起こるのかもしれないのでした。
ひとりひとりに 色があり 質感があり 響きがあり みんな違うのだけれど つどい ひとつになると
まったくべつのなにかが生まれる.....2日間にわたり 別の場所で 別のひとたちと わたしはひとつになったのです。
家に戻ったとき 日付は替わっていました。
また はじまります 七日間が.... 忙しい週になりそうです。