2月 東京で 「雪部隊」を語ったとき
民俗学の権威である 先生から 言われたことば
「あなたの語りは審神者の語り」
先生の知る限りでは 日本にもうひとり いるそうだ。
審神者かどうか 自分では わからないが
十数年前 ヒロシマを 語ったとき
まだ 未熟だったせいか とても 恐ろしいことがあった。
語っていながら 水底に引きずり込まれそうになる
水面の光 泡がブクブクと 上がってゆく
もがいてもがいて必死で うかびあがろうとする
引き摺り込まれる
ヒロシマで 川に逃げた人々が 大勢 溺死なさったと
知ったのは そのあとのこと……
近江楽堂でマグダラのマリアを 語ったときは 光の細かい細かい
粒子が天上から降ってきた……
後年 瀧原宮に早朝参拝したとき 降り注ぐ 氣 に あのときの
と感じた
3.11のあと 龍神伝説を 語らせていただいたとき
うつほ舟 のときとかも 不思議なことが あった。
そういう語りが 審神者 の 語り なのだろうか
語りの起源は 神への祈り ……
ここ数年 世俗に 塗れてしまったけれど
洗心 潔斎し 五官のすべてを開け放して ふたたび 語りたいと思う。