朝 ハナは松の木の下生えの草の上に大儀そうに身を投げ出していた。おなかがピンク色に腫れ上がっていた。お乳が張って痛いのだろう。わたしを見ると小さくないた。
わたしはハナに語りかけた。最初声に出して.....それから心で......
ハナ つらいね くるしいね いたいね かわいそうなハナ......
入っておいで ..... いっしょにいよう
事務所に入って ほんの5分もたたないうち 気がつくと ハナはおずおず 入ってきたのだった。驚いた。うれしかった。そして このとき わたしは 確信したのだった。
きのう ハナは ほんとうに わたしに助けを求めにきたのだと。心で通じ合えるのだと。闇の左手のゲンリー.アイとエストラーベンのように。
これから なにが 起こるのだろう ハナともっと 近づけるだろうか....
死者の声を聴くことができるだろうか 草木のこころも。
満月は近い。
今日は 生きている 身近なひとたちのこころに近づくための試みをした。
それは いっしょに食事をし いっしょに夜 働くこと。
今 現場 に いる。