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スペインとポルトガル104 トレドの博物館① 西ゴート博物館・上 

2023-06-04 17:27:45 | Weblog
西ゴート博物館にあった展示物の一つ。龍の首が長くて胴体があり、首の先にはあわれ、人が飲み込まれようとしている。

【博物館めぐり】
トレドについた翌日は日曜日。日曜は驚くべきことに博物館、美術館の多くが無料開放になっていました(場所によっては午後だけといった時間指定あり。)いずれも無料だというのにまったく混んでいませんでした。
トレドは星の数ほど博物館、美術館があるので、あまりサイトで紹介されていなかったり、見るコツが必要だったりしたところから紹介します。)

西ゴート博物館の入口。

【西ゴート博物館】
まず西ゴート博物館。「西ゴート」という単語は私の人生で記憶にあるのは高校時代の世界史の教科書のなかの数行のみ。たしか

アジアからフン族が移動したことによって、ゲルマン民族の大移動がおこり、「西ゴート」が5世紀初頭、ローマ帝国の首都ローマに迫り、ローマ人を震撼させた

みたいなことが書かれていたなあ、ぐらいしか記憶がありません。ある意味、興味津々。

改めてスペイン史をみると西ゴート王国はイスラムに攻略されるまでトレドを首都として200年弱(560年代~711年)栄えていたそうです。日本の歴史で考えると奈良時代に入る前に滅亡し、その地に他の文化が栄えたわけですから、美品はほとんどないのですが、19世紀にトレド郊外の農地で、石柱のかけらや「最後に貴族らが逃げる時に埋めたのでは」といわれる宝飾品が発現しました。それらを中心に本物やレプリカが展示されています。

博物館は13世紀に建てられたムデハル様式のサンロマン教会にあり、西ゴートの建物ではありませんが、建物自体にも歴史があり見ごたえ十分。木組みがすばらしく、荘厳です。

さて西ゴートの品々を一言でいうと、素朴。かといって振り切った独自性があるわけでもない。精巧なギリシャ彫刻の対極にあるような石の彫刻物が並んでいました。この感じは、中国の歴史展で殷の時代の精巧な青銅器を見た後に、漢の時代の昔のものをまねて量産化していってだんだん、形がゆるくなっていった墓に納められた品々を見ているよう。

そんな中で一番印象的だったのが、人がドラゴンに食われている石像でした。ヘタウマ系のためぱっとみ、よくわからなくて、かわいげすら感じるのですが、よく見るとモチーフが狂暴で、戦闘的。ただわかろうとして逆に見入ってしまい、後々まで記憶に残りました。

解説がスペイン語でほとんどわからなかったのですが、ローマ式の石柱の一部や鋳造された十字の花弁のようなものやコイン、鍵、などの小品からローマ文化の影響が感じられました。
日本では西ゴートを主題にした展覧会や、研究書は多くないので、行く価値はあります。
https://www.arukikata.co.jp/web/directory/item/102274/


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