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ベルギー編3 美食の国

2018-10-20 16:03:28 | Weblog

写真はボザールブラスリーの特別メニューの前菜の一つ。見た目の美しさは芸術的。味も、まったく脂っこさがなく、さっぱりしていてむしろ日本料理的な味わい。生魚の酢漬けや、緑色の泡立てたものはピスタチオのこともあれば、抹茶のことも。話には聞いていたが、ヨーロッパの最先端は和食にあるようだ。最後のお茶も日本的な急須から、セルフでしゃれた陶器の湯飲みに注いで飲むほうじ茶や緑茶だった。お茶受けは上品な味わいのクッキーだった。

【忙しい日本人、時間をもてあます】
ブリュッセルのミシュラン1つ星を獲得したフランス料理店にも行きました。

ボザール・ブラスリーBozar Brasserieという、おいしいものを気軽に、がモットーの若いお店です。

ネットでは、今、本当においしいレストランに行きたければ、フランスではなく、ベルギーのフランス料理屋に行け、と書かれていたので、その言葉に乗ったのです。値段もそのほうが割安とか。

東京もミシュランの星の数が世界一と言われるだけあって、山手線内を歩けば、ミシュランのシールが貼られた(ビブグルマン《従来のミシュラン基準より値段は安いが良質で美味しいお店のランク》を含めた)お店に行き当たりますが、ベルギーも負けていません。人口比で世界一の星の数を誇るのがベルギーなのです。

9月1日。ブリュッセルの名店や老舗など地元になじみの深い店はたいてい、バカンスで夏じまいをしています。そのため、9月初旬はそれらの店の夏休み明けの日のです。この店もご多分に漏れず、2ヶ月の休暇のあとの初日でした。

ホテルを通じて予約をすると、今日のみ特別メニューでお客側からは注文できない。そしてそれぞれの料理にあわせてワインなどの飲み物も完全にセレクトされているとのこと。100%、店まかせ。

普通、極上のワインなら一本買い、メニューごとにワインを変えたら莫大なお金がかかりますが、それらをセット料金で飲めるというのです。しかも格安で。
 ただ、残念ながら今回はお酒を飲まない人が半分いたので、すべてをセットに含めることができず、メインメニューにつく飲み物だけをセレクトしていただくことになりました。

それでもあとで領収書をみると、全部のワイン代より、飲まなかった人が頼んだ水代のほうが高くなっていた、という珍現象が生じるほどのお得な日でした。

さて、見目形、ばかりか所作まで美しい店員の方々が、息をそろえてテーブルにつく一人一人の前に皿を置くほどの細やかな演出。
 料理もワインも創意工夫に富み、すばらしく、しかも、信じられないほどの格安のお値段だったのですが、フロア中の人々皆、同じタイミングで料理を出す、という特別な日であったこともあり、ただ一つ問題がありました。

 な、なんと夕飯を食べるという一事において、5時間半も費やしたのでした。

 恐るべき事に私など、すばらしい食事だというのに、途中で寝落ちしてしまいました。自分でも驚きました。お会計を済ますと深夜12時を過ぎたのでした。
  
 旅行ガイドブックを見ると「ベルギーでは、予約をしてメニューをあらかじめ注文しておくと、わりとすぐに食べられます」と小さく書かれていました。帰ってから気づきました。ただ、この日のミシュランレストランには当てはまりませんね。

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