石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計2017年版解説シリーズ:天然ガス篇 (8)

2017-08-08 | BP統計

 

2017.8.8

前田 高行

 

3.世界の天然ガスの消費量

(アジア・大洋州以外は地産地消型!)

(1)地域別消費量

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-3-G01.pdf 参照)

 2016年の世界の天然ガス消費量は3兆5,429億立方メートル(以下㎥)であった。これは日産3,418億立法フィート、石油換算では年産32億400万トンである。

 

 地域別では欧州・ユーラシアが1兆300億㎥と最も多く全体の29%を占めている。これに次ぐのが北米(9,680億㎥、27%)、アジア・大洋州(7,225億㎥、20%)であり、これら3地域で世界のほぼ4分の3を占めている。その他の地域は中東5,123億㎥、中南米1,719億㎥、アフリカ1,382億㎥であった。アフリカの天然ガス消費量は世界全体の4%で、欧州・ユーラシアあるいは北米の7分の1にとどまっている。

 

 各地域の消費量と生産量(前章参照)を比較すると、欧州・ユーラシアは生産量の世界に占めるシェアは28%に対し消費量のシェアは29%であり、北米の生産量シェアと消費量シェアは同じ27%である。その他の地域は中東(生産量シェア18%、消費量シェア15%)、アジア・大洋州(同16%、20%)、中南米(同5%、5%)、アフリカ(同6%、4%)である。

 

 北米及び中南米は生産と消費の比率が等しく地域内で需給がほぼバランスしていることがわかる(域内消費型、地産地消型)。これに対して中東及びアフリカは生産が消費を上回っており、一方アジア・大洋州は消費が生産を上回っている。このことから天然ガスは中東/アフリカ地域からアジア・太平洋地域へと地域を超えた貿易が行われている様子がうかがえる(域外貿易型、なおガス貿易については次章で詳述)。

 

(続く)

 

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