石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

五大国際石油企業2017年4-6月期決算速報(7完)

2017-08-24 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0420OilMajor2017-2ndQtr.pdf

 

2017.8.24

前田 高行

 

2.2016年第2四半期以降の四半期別業績の推移(続き)

(6)原油・天然ガス生産量の推移

(6-1)原油生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-68.pdf 参照)

 過去1年間の四半期ごとの原油生産量の推移を見るとExxonMobilが他社を引き離してトップを維持しており、ShellとChevronが2番手グループ、BPとTotalがほぼ同じ生産量で3番手グループである。首位のExxonMobilの生産量は5社の中でただ1社200万B/D台の生産量であるが2016年第4四半期以降はわずかながら低落傾向にある。これはShellも同様であり、同社の場合過去1年間の四半期ごとの原油生産量の推移は175万B/D→187万B/D→195万B/D→187万B/D→181万B/DでありExxonMobilのほぼ8割の生産量である。5社の中で生産量が少ないのはBPとTotalであり、両社は共にExxonMobilの7割前後の水準である。

 

(6-2)天然ガス生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-69.pdf 参照)

 天然ガスの生産量はExxonMobilとShellの上位グループとBP、Total、Chevronの下位グループの2極に分かれており、上位2社がコンスタントに日量100億立方フィート前後を生産し続けているのに対してTotal、BP及びChevronは50~60億立方フィート台の生産量にとどまっている。

 

 年間の推移を見ると今年第1四半期までは全社が微増傾向であったが、今期(第2四半期)はExxonMobil、Shell及びTotalの3社は前期比で生産量が減衰しており、ExxonMobilとShellの生産量は100億立方フィートを切っている。天然ガスは世界各国の既生産鉱区のM&Aが活発であり、また米国のシェールガス生産は原油価格の変動に敏感に反応する傾向がある。したがって今後5社の生産水準がどのように推移するかは予断を許さない。

 

(6-3)原油・天然ガス合計生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-65.pdf 参照)

 天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量の推移を見るとExxonMobilは昨年第2四半期の生産量は396万B/Dであった。同社の生産量は昨年第4四半期に400万B/Dを突破、前期(2017年第1四半期)は415万B/Dを記録したが、今期は392万B/Dにとどまっている。 ShellはExxonMobilを50万B/D前後下回る生産水準であり、今期は昨年第2四半期と同じ350万B/Dである。

 

 ExxonMobil、Shellに次ぐ第3位の生産量を誇るのはChevronであり、同社の2016年第2四半期生産量は253万B/Dであったが、今期の生産量は1割増の278万B/Dである。TotalはChevronに次ぐ250万B/D前後の生産を続けており、BPは5社のなかで生産量が最も少なく今年に入ってからは240万B/D前後である。

 

以上

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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