株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

トレーディングで成功する41の原則から(1)

2005-07-10 14:26:57 | 行動ファイナンス理論など
今日は、休日なので、筆者がたまたま2年ほど前に知った、行動ファイナンス理論の実践的応用についての41の原則に沿って、自分の投資スタイルを反省してみたいと思います。今日は、動機を振り返る三原則。

1.取引を始める前に、何が得られれば成功か、枠を決めておいて守ること。

 これは、最近では日計り取引であっても、テクニカル分析から、終値が前日安値を抜けなかった日の、その安値(A)を+の時の売却の一応のメドにしております。その前の壁として、前日高値や前日安値があったりします。株価が拮抗しているところは大体において、そうした節目の値段であることが多いもの。行動ファイナンス理論で紹介したように、勝っている時は早く利確したくなり、負けている時はリスク選好(ずるずると放置する)になるという傾向を排除するためには、いわゆる利確ライン、損切りラインをきちんと決めておくこと。損切りラインは、基本は前日安値よりアンダーで終わった場合ですが、これはその他の指標(乖離幅、指数)も参考にして決めております。 乖離幅=A-当日高値、指数は真の高値、安値をベースに累計した値。

2.常に取引の動機と目的を振り返ること。自分は成功談しか話さない傾向があることを知っておくこと。

 儲かるからといって、調子に乗って投資額を増やさないこと。いわゆる市場を自分がコントロール(支配)しているような幻想をもつことを戒めている原則のようですが、最近は、あまり分散してわずかづつ投資しても大きな利益は得られないので、注目銘柄から、その日の動きがよく合致している銘柄を絞って、1の原則を守って、集中投資をしようかと思っております。今後ともこのブログでは失敗談を公開するだけでなく、なぜ失敗だったか、についても以後の役に立つ「原因」をできるだけ考えてみたいと思います。

3.時間に惑わされないこと。利益の増加がわずかずつであっても、損失が近づいていることではない。損失がわずかずつであっても、利益が近づいていることではない。
 
基本的に1-3日程度の投資期間なのですが、その1日の動きだけをとっても、いろいろな騙しが値動きに現れます。そのパターンもいろいろとあるようです。この原則の教訓としては、①1時間以内の超短期勝負か ②その日の引けまでの短期勝負か ③指標が悪くなるまでの数日勝負か ④大底からの反転を狙った勝負なのか(数日以上)この4つの期間のどれを目指しての売買かを決めた上で投資したいと思います。

今のように天井でのもみ合い局面では、基本的には①か②の戦法しかとれないと見ております。銘柄によっては③もありますが、場全体の動きにやはり引っ張られてしまうので、持ち越しても翌日までとしないとタイミングを逸してしまうリスクあり。

この項、週末に続く。
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株の短期売買の理由

2005-07-09 09:36:13 | 行動ファイナンス理論など
ここのところ、相場の動きよりちょっと速い売買をしてしまい、利益を取り逃がしている。我慢して持ち続けていた3350ダイキサウンドがその典型。何と4日に薄利で売ってしまった。売った直後(ほんの1分くらい)からその日の高値の315Kにかけて動き出したので、後1分が明暗を分けたのである。315Kまで動意付けば、いくらなんでもその日に売ることはしなかっただろう、といいたいところだが引けで売ってしまったかも知れない。この日出来高は前日の91から217に大幅に増えている。10枚程度の買いもあった。これは何かの前兆と見て、もう1日持ちこしが定石というもの。

また、昨日の4815JDCのように、後場に283Kで買い284Kで売るという、難しいトレードをしてしまうこともある。この銘柄、7月6日は278Kまでじりじりと押されてから後場に反騰した。そのイメージが残っているため、朝方280Kを付けただけでは買いに入ることが出来なかったのである。その後は280Kに厚い買い板があるものの、それが崩されることなく、同じような期待を持つ誰かが、じれたように282Kあたりからの買いに入って上昇したが、287K止まりだった。そこからの急降下過程で、なんとか+1Kで切り抜けたのであるが、よくよく反省してみると、6日と同じパターンが続く訳ないのである。もし続くなら、誰でも株に勝つのは簡単になる。必ずといって良いほど、相場は意図してか、意図せざるか別にしても、違ったパターンをとる。それは、人間がその日の出来事により気分が違ってくるのと同じことである。市場参加者のポジションも当然日々異なってくる。JDCは6日に大量に買い上がった方々が思ったように利益が出ないので、何とか少しでも戻したところで手じまいをしようと待ちかまえていた筈である。筆者もそのことに咄嗟に気づいて、今日はやばいと思って下りたのだが、こうした行動が過去はとれなかった。結果、ずるずると落ちて、切るに切れないという悪循環での塩漬けだった。それを阻止できるようになったということは、一種の成果?だが、負けないトレードをいくらやっても意味がなく、とにかく勝てなくては仕方がない。

ところで、本題の短期売買の理由であるが、①以上のように短期戦で勝つのは結構難しいが方法はあるだろうこと。②短期だからこそ相場の変化に対して敏感な動きができること。③その結果、相場が下落している時でも勝てるだろう。 この3点である。筆者は、日本の今後を楽観していない。経済力はあるかも知れないが、国家の債務が大きすぎて、いずれ破綻に至らないまでもパイパーインフレで債務調整を行わざるを得ないだろう。すると昨今の原油上昇での株価下落どころではなくなる。株価も乱高下する筈である。このときは、年金暮らしの、リタイヤー後の団塊の世代以上のお年寄りが最も被害を受けることは明らかである。何しろ国家は年金減資も枯渇しかかると、大幅な切り下げを行わざるを得ないし、物価は高騰するし収入はないということで、あちこちから老人の悲鳴が聞こえてくるのが目に見える。この時に至ってまで、郵貯に金を貯め込んでいるご老人は悲惨である。なけなしの食い扶持は、国債価格の暴落とインフレで瞬く間に半分以下になるだろう。また、今はまだ安穏としている公務員(国、地方合わせて400万人-40兆円の支出)も楽観できない。何しろ国に金がなくなるのであるから、給料の真の原資(国債はとめどなく発行される)がなくなるということである。つまり、手っ取り早くいうと、給料が遅配となるか、出なくなるということである。代わりにみるみる下落する国債が支給されるかも知れない。にもかかわらず、将来なりたい職業の最上位に未だに公務員がきていることに、この国の将来が暗いことが暗示されている。しかし、まだ時間がある。今が最後のチャンスだが、これまでの既得権益すべてを断ち切らなければならない。そのためには政治権力の入替も当然にまっさきにやらねば、その権益構造が大きく変わることはないことは既に証明されている。もっとも、国民が好んでそうした政府をこれまで選んできたのだから、何が起きても自業自得と言わざるを得ない。しかし、そこまで認識している国民ばかりだろうか?まじめに働くことで将来報われると素朴に思っているごくまっとうな生活者が多数ではないだろうか。スーパーに行ってみると、お年寄りの買い物は実につましい。賞味期限が切れかかっている食品ばかり半額で買っているのは、お年寄りである。こうした人々を、戦中戦後の混乱期以上に、再度犠牲にしてはいけないと思う。
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なぜ株に勝てないか-人間の持つ癖

2005-06-25 13:10:35 | 行動ファイナンス理論など
6月18日の行動ファイナンス理論ではとの記事では、リスク選好という傾向が損切りを遅らせ、せっかくの儲けもフイにしてしまう、といったことを書いた。今日は、同じく行動ファイナンス理論が明らかにした、人間の持つ「癖」について自らのこれまでの失敗の原因と重ね合わせて見たい。

筆者がまだまだ株で利益をコンスタントに上げられない原因は、行動ファイナンス理論の中からは次のことがよくあてはまるようだ。

1.ヒューリスティックな考えにとらわれてしまう。
2.購入価格にこだわってしまう。
3.コントロール能力を失うことを恐れる。

ヒューリスティックは、ちょっと理解が困難なハーバード・サイモンが唱えた概念。簡単にいえば、ある種の知識の束があれば、物事を解決できる(株でいうといつも勝てる)とする、物事を単純化して考える傾向のこと。筆者が現在依拠しているテクニカル分析の方法は、便宜的に考えだしているものであり、それ自身が強烈な解決手段になるものではない。一つの目安として使うことが前提とされている。ところが、これに過度にこだわると、実際の相場の複雑な動きに対して強引にあてはめてみることになり、その結果失敗することがある。3のコントロール能力と関係があるが、いわゆるコントロール幻想に陥ってしまうのである。

このヒューリスティックな概念には根本的な欠陥があることが後に明らかにされている。それは、ある種の知識の束、といったものが、別の事象には必ずしもきちんと適用できないこと、つまり移転(Transfer)できないことである。そして、人は環境を通じて学習するものという、株に勝つための遺伝子はあるのかで書いたように、遺伝子を巡る不思議な柔軟性を見落としている点である。そのことはある程度は分かっているため、失敗の原因から自らのテクニカル手法については、少しずつ改良してきているつもりではあるが、まだまだ学習が足りないようである。昨日のトレードでいうと、まだ動かなかったダイキサウンドやさかりを過ぎていた関門海のケースが該当する。

もう一つ、ヒューリスティックと裏腹ではあるが、3番目のコントロール能力の喪失を恐れる傾向が、最も悪さをしているようだ。つまり、自分で納得できる情報やデータを得られなければ、いつまでも判断できないということ。23日木曜日のJDCのケースがそうだった。前日、乖離条件が悪くさらに下げると見ていた。市場はそうではなく、ここまで下がったから今日こそ上がると見て、寄りで特買いから入っていた。この現象に対しては、自分の中でサポートする理屈がすぐには見つからなかったので、急いで買いに入ることができなかった。もっとよくないことは、寄りで急伸するとそこで買いに入るための、自分を納得させる理屈が見いだせないため、少し押したとしてもそこで決断できないことである。ところが場の方は強気、強気でどんどんと多少の上下は繰り返しながらも上昇していってしまう。ますます買えなくなるのである。

こうした「癖」がせっかくの買いチャンスをこれまで何度も逸していることを肝に銘じて、もう少し学習しながらトレードを行いたいものだが、その意味では、その銘柄のポジションを日々判断するのではなく、もう少し数日間の長いスパンで判断することで、自らの決断のなさを少しでも軽減したいものと思っている次第。
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なぜテクニカル分析が万能ではないかについて

2005-06-21 11:44:40 | 行動ファイナンス理論など
後場までの合間に、テクニカル分析の隘路とも言うべき理論的バックグランドの一つについて考えてみたい。

テクニカル分析はいうまでもなく過去のトレンドをデジタル分析したものである。この分析は様々なテクニカル分析手法(MACD、RSI、DMI等々)に基づくが、これは相場を区切るデジタルの数式のうちで生き残ったものである。その限界は、

1.市場参加者全員がベストと思うテクニカル分析手法を使えば、ゼロサムゲームの株式取引では敗者がいなくなり、理屈の上では勝者もいなくなること。

2.もうひとつ大事なことは、デジタル分析のもつ理論的限界である。複雑な市場の動きをあるデジタルな側面から切り取るということは、市場の状況をある種の角度から分類(Classification)することである。この分類行為は、株に限らず世の中でよく行われている。よくある世論調査での5段階評価が稚拙な分類行為の最たるものである。あれは、分類から落ちる意見が見事に捨象されているばかりか、質問項目の設定方法によって、回答を誘導することすら可能な危険な方法である。そうした調査は別として、この分類ということの重要な側面は、分類と分類の狭間にある重大な事実がこうして捨象されてしまうということにある。株は、前に述べたように世の中の成り立ちと同様に全くの複雑系である。そこに分類という発想でテクニカルに切り取っても当たったり外れたりすることは当たり前である。

この分類行為のリスクについては、最新のスーザン・スターの論文で良く解説されているところである。スターは、人と人がうまくコミュニケーションがとれないことを克服するために、人と人をつなぐ媒介項としてのBoundary Objectという概念を提唱したことで有名であるが、その概念は「分類」ということに着目することから出てきている。

こうした限界点をわきまえて、出来る限り市場の複雑性に追随できる理論を考え出したいところだが、世の中の複雑性を、より複雑な数式を編み出したとしても近づけるものではないことは、アインシュタインのE=mc2 のような美しい数式を見れば明らかである。ここに機関投資家にも勝てる余地がある。LTCMが破綻したのも、ノーベル賞受賞者が金融テクノロジーにおぼれてしまった結果である。ロシアのディフォルトというのは、過去のデータには入っていなかったのである。ここにテクノロジーに頼ることの本来的なリスクがある。
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行動ファイナンス理論では

2005-06-18 23:53:01 | 行動ファイナンス理論など
次の2つのケースで、あなたはどちらを選びますか?

(1)90%の確率で5万円を損する。
   10%の確率で損はゼロ。
(2)10%の確率で45万円を損する。
   90%の確率で損はゼロ。

との問いに対して、(2)を選ぶ人が多いことが実験的に確かめられているそうである。確率的には(1)も(2)も下記の計算式から等価である。

(1)の期待値=90%× 5万円=4.5万円の損
(2)の期待値=10%×45万円=4.5万円の損

これは、人は損失が出ている時はリスク愛好家になること、つまりハイリスク・ハイリターンを選ぶ傾向を持つことを示しており、これがなかなか損切りできない行動心理学的な背景となっている。

いつか株価が上がるというかなり強い思いこみに自分が左右されていることを自覚した上で、それを克服するためにはどうしたらよいかを自分なりに確立しないと、またぞろ損切りできずに抱える不良株が増えてしまい、こつこつと貯めた利益もいつの間にか吹っ飛んでいるということになりかねない。

私の最近の失敗も、この思いこみへのリスクを軽んじたことにあった。フェイスしかり、スパークスしかり。良い会社だからいずれ戻すという、過去のこれらの株のポジションへの「幻想」が未だにあるのである。しかし事実としては、特にスパークスは長期下降トレンドになっていることは疑いようもない。

というわけで、これらの轍を二度と踏まないようにするために、あえて、売却後に上昇したとしても、自分なりのルール(私の場合は、指数判断+乖離条件+終値が前日安値を更新できなかったこと、の3つ)で、その日に手仕舞いするかどうか決めている。これを実行するようになってからは、損切りする時の損失額が大幅に減った。他にも沢山の行動ファイナンス理論が役立ちそうであるが、最も重視する理論について、再度その罠にはまらないよう自戒をこめて綴った次第。
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