今のNY市場のように、押されたところに押し目買いが入り、安値をドンドンと切り上げている相場では、表題のような乖離現象が出現することはあまりありませんが、今の日本市場のように、上げたり下げたりしながら微妙に下落している相場では、いわゆるOSC値のコンバージェンスと、指数値との相関性に着目したトレーディングも一定の有効性を持っていることが、以前から確認されておりました。
そこで、今回この乖離現象を捉え、翌日以降のトレーディングの傾向により、買いに入るタイミングを見定める関数式を一応完成しました。
例題を6861キーエンスで解説します。
1.過去25日間のOSC値の最低値を求めます。
キーエンスの場合、5月10日~6月7日では、5月29日の43.6%が最低値です。
2.1の43.6%を記録した日の指数値を求めます。46550ポイントです。
3.以降、43.6%のOSCより高く、46550ポイントより低い値を達成した日に着目します。キーエンスの場合、翌日の5月30日がその日でした。追加条件としては、その日の売られすぎサインも点灯していること。
4.5月30日の終値をマークします。69900円でした。
5.翌日の5月31日以降の4本足データを見ます。この見方はいくつかのパターンに分かれますが、買いのケースを2つご紹介します。
=ケース1(最強ケース)
1.69900円を全く下回らないケース
2. かつ、当日OSC>前日OSCであること
この場合は、当然ながら前日に点灯していた売られすぎサインも消灯しています。
このパターンは4月19日に記録しております。この日の終値は62600円。4月12日のOSC30.1%のボトム値に対して、この日は45.9%まで上げる一方、41990という指数値を40790まで下げておりました。かつ、売られすぎサインも4月9日以来の点灯。
翌日4月22日は大幅高から始まり、安値も前日終値より230円高。63000円あたりでのOSCの前日比プラスを確認しての買い。終値63720円。
この後は、45.7%という起点となったOSCが上回る限りホールド。5月7日に69.5%まで上昇し71290円まで上昇。起点となった4月22日のOSCを下回ったのが5月29日の43.6%でした。
この場合が最強パターンです。本来はこれ一本で行くべきですが、チャンスがその分少なくなるので、下記のようなケースも想定して関数式を組んでおります。
5月31日のキーエンスの場合は、最強パターンではなく、前日終値比-530円まで追い込まれておりました。
ここで買いに入るための条件は、下記の3つ。
=ケース2(前日安値割れ回避、前日終値奪還ケース)
1.前日安値<=当日安値
2.現在値>前日終値
3.当日OSC>前日OSC
この日のキーエンスは、上記のルールに従った場合、約70000円での買いエントリーとなります。終値は70690円。
文章だけでは、ちょっと分かりづらいかと思いますが、OSCと指数値の乖離を数値化して、翌日の値動きのパターンに合わせて、買いに入るか見送るかの判断をし、更に乖離幅が拡大してからの「転換ポイント」を数値的にも見極めるという、いささか手の込んだやり方になります。
このやり方の関数式も仕込んだので、来週以降に有効性を確認しながら必要なチューニングを加える予定。
そのキーエンス、昨日はこの条件を達成。終値=69640円です。チャートを見ると、大引けに大きな買い玉が入ったようです。来週の値動きに注目。どういった条件下で買いができるか、それとも更に見送りとなるのか。
以上。