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行動ファイナンス理論では

2005-06-18 23:53:01 | 行動ファイナンス理論など
次の2つのケースで、あなたはどちらを選びますか?

(1)90%の確率で5万円を損する。
   10%の確率で損はゼロ。
(2)10%の確率で45万円を損する。
   90%の確率で損はゼロ。

との問いに対して、(2)を選ぶ人が多いことが実験的に確かめられているそうである。確率的には(1)も(2)も下記の計算式から等価である。

(1)の期待値=90%× 5万円=4.5万円の損
(2)の期待値=10%×45万円=4.5万円の損

これは、人は損失が出ている時はリスク愛好家になること、つまりハイリスク・ハイリターンを選ぶ傾向を持つことを示しており、これがなかなか損切りできない行動心理学的な背景となっている。

いつか株価が上がるというかなり強い思いこみに自分が左右されていることを自覚した上で、それを克服するためにはどうしたらよいかを自分なりに確立しないと、またぞろ損切りできずに抱える不良株が増えてしまい、こつこつと貯めた利益もいつの間にか吹っ飛んでいるということになりかねない。

私の最近の失敗も、この思いこみへのリスクを軽んじたことにあった。フェイスしかり、スパークスしかり。良い会社だからいずれ戻すという、過去のこれらの株のポジションへの「幻想」が未だにあるのである。しかし事実としては、特にスパークスは長期下降トレンドになっていることは疑いようもない。

というわけで、これらの轍を二度と踏まないようにするために、あえて、売却後に上昇したとしても、自分なりのルール(私の場合は、指数判断+乖離条件+終値が前日安値を更新できなかったこと、の3つ)で、その日に手仕舞いするかどうか決めている。これを実行するようになってからは、損切りする時の損失額が大幅に減った。他にも沢山の行動ファイナンス理論が役立ちそうであるが、最も重視する理論について、再度その罠にはまらないよう自戒をこめて綴った次第。
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