イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

タラノメ採り

2022年03月18日 | Weblog
今年もタラノメ採りの基準日がやってきた。
この前の調査のときの様子だとまだ早いかもしれないが今日は1日雨模様なので釣りに行けず、雨が降る前に様子見がてらに出かけてみた。しかし、常に監視をしておかないと、タラノメというのはすぐに大きくなってしまうので油断はできないのだ。

午前7時には雨が降ってくるという予報なので午前6時5分の日の出時間と雲量を考え、タラノメを認識できる明るさはやはり日の出時刻あたりからだろうと考え家を出る。帰宅するまで1時間、その間だけ雨が降らなければそれでいい。

今日は第2ポイントを見に行く。思ったよりも明るくなっていないが藪の中に突入。入り口にある芽はやはり小さい。去年からはコンペティターが現れたようなので放っておくと先に盗られてしまうかもしれないがもったいないので残しておいて先に進む。
メインの場所はやはりまだほぼすべての芽は小さすぎる。なんとか口にできそうな芽だけをふたつ採って終了。



しかし、ふたつだけだとまったくおかずにもならない。西の方の雲の様子をにらみながら紀ノ川筋のポイントを目指す決断をする。ここはポイント名に番号を付けていないのだが、ここ数年で意外とたくさんのポイントを見つけたのでここが何番目に見つけたポイントだったかということがわからなくなってしまっているからなのだ。
途中、港に寄り、前回の休みに取り替えたスタンチューブの水漏れがないかをチェック。水漏れはないが、また嫌なことを見つけてしまった。右舷の燃料タンクのゲージがおかしい。透明なパイプの中の油面が見えないのだ。ゲージよりも油面が高くなるほどの給油をしてはいないはずで、そうなってくると、燃料漏れで空になっているか、前々回に給油したまま、パイプ詰が詰まってでエンジンまで燃料が行っていないのかもしれない。大量に燃料が漏れているのなら臭いがひどくなるのでそれはないと思うが、もともと、どうもタンクから燃料が滲みだしている気配があるので、早晩大規模な修理が必要なのかもしれない。



なんとも厄介だ。次回の釣行で具合を確かめてみよう。

そして、紀ノ川筋のポイントでまったく採れなかった時のことを考慮して、「わかやま〇しぇ」へ。この時点でまだ午前7時になっていないのでお店は開いている。



社長が「今日も釣りか?」と聞くので、「今日はタラノメです。」と小さいのを見せる。「まだまだ小さくておかずにならないのでコロッケ買いにきました。」と説明。
僕も、こういうこともあろうかとクーラーボックスを持参してきているというのはなかなか用意周到だ。

お店を出る頃はまだ雨は降っていなかったが、ポイントに到着した頃にはいよいよポツポツし始めた。これは急がねばと藪に入っていくと、こっちもちいさい。ひとつだけよさそうなのを高枝切り鋏で切り取ろうとすると、あれまあ、壊れている・・。鋏を開閉するグリップがシャフトから外れてしまっているのだ。第2ポイントにいた時には何も異常がなかったのでここに来るまでにネジが取れてしまったようだ。まったく役に立たなくなったので無理やり藪の中に突入して折り採る。

去年新たに見つけた木の方に行くと、こっちはひとつだけかなり大きくなっていた。なんだかこの木だけ異常に成長が早いようだ。



この頃になると雨は本降りになってきた。その他の木をざっと見まわしてぎりぎり食べられそうなものをいくつかとって今日は終了。



帰り道、高枝切り鋏の修理をするためにコ〇ーナンプロへ。ネジの直径がわからないので本体ごと店内に持ち込んだのだが、早朝からこんな長物をもって店内をウロウロする初老の男、それも雨で半分濡れているというのはどう見てもテロリストにしか見えない。
結局、ここはネジではなく、リベットのようなもので止められていたらしく、自分でネジ山を切るしかなさそうだ。少し太い目のネジを買って帰る。
こんな早朝にこんな長物を持って7円の買い物しかしない初老の男はやっぱり死にぞこないのテロリストにしか見えないのである・・。


第2ポイントについてであるが、ここ数年で藪が刈り取られ、周りがどんどん明るくなってきている。タラノメというのは相当か弱い植物らしく、あまり露出してしまうと枯れてしまうようなのだ。かといってまったく日が当たらないとそもそも生えてくることはないのだから気難しい。すっかりはげ山状態になっている藪の端のほうの木はすでに枯れてしまっていた。去年は間違いなくこの木は生きていたはずだ。
僕が持っているポイントでは最大級の大きさを誇った場所ではあるが、おそらく数年で消えてしまう運命なのかもしれない。



「年年歳歳花相似たり」とはいうものの、人間が手を下すことで異常なスピードで環境を変えていってしまう現代では、この偈も意味を持たなくなってしまっているようだ。
「タラの芽一つ摘み取るは、坊主千人の首を斬るに等しい罪悪」という言葉があるというのは以前に紹介したけれども、自然破壊はやはり罪深い。まあ、放っておいてもタラノメの木というのはどんどん大きくなっていく森に呑み込まれ消えていく運命にあるのであるが・・。そのニッチで生きているのがタラノメなのだ。
あと、10年耐えてくれれば僕も体力の限界を迎えるのだから、それまでなんとか、1食分だけでも芽を残しておいてくれと願うばかりだ。
コメント
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