イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

タラノメ採り2回目と加太沖釣行

2022年03月24日 | 2022釣り
場所:加太沖
条件:小潮 9:24満潮 16:35干潮
潮流:9:07転流 11:31 上り0.6ノット最強
釣果:マアジ11匹 サバ1匹

タラノメ採りは基準日からすでに1週間が過ぎている。昨日、一昨日は少し寒かったけれども、前回からは中3日開いているので十分採り頃だろうと第2ポイントに向かった。
しかし、今日も食べることができる芽が出ているのはわずかであった。その他の芽は殻を固く閉じている。今年は芽吹く芽と開いていない芽の差が大きいように思う。この冬、かなり寒かったことが影響しているのか、それとも周りの藪がどんどん刈り取られ、この場所の生態系に異常をきたしているのか・・。
これだけではたらふく食べられないというほどしか手にすることができなかった。



一度家に帰り、高枝切り鋏を釣竿に乗せ換え港へ。しかし、その前にタラノメも足らないのでこちらもまだ早いのだろうと思いながら紀ノ川筋のポイント向かう。
こちらも予想した通り、3個しか食べ頃の芽を採ることできずに出港する。



タラノメが採れなくても、来年のために幹に絡みついた蔓を切り取り手入れだけはしておく。



今日の釣行は気が重い。というのも、友人であり、かつ隣の船のオーナーであるNさんの手術日なのである。
彼は、過去に脳の中の血管の異常が見つかり、最近になって開発されたという治療を2年ほど前に受け、手の痺れが完治せず療養生活に入っていた。(釣りには行っていたが決して僕のように仮病を使っていたわけではない・・。)再度手術を受けたが今度はそれが原因かどうか、てんかんの症状が出てきたというのを年が変わる頃に聞いていた。おかげで船に乗ることはおろか、車の運転さえ禁止されてしまうということになってしまっていた。
しかし、彼はたくましく、車に乗れないのなら三輪車だと僕とちからさんが載っているジャイロキャノピーを購入し機動力を得た。おかげでジャイロ三兄弟が出現したのである。



その症状を改善するためか、もともと予定されていたのか、今度はガンマナイフという装置で血管の異常個所を焼き切るという治療をすることになったらしい。それが今日なのである。これは放射線治療の一種らしく、それほど大きな出力ではない放射線ビームを一度に複数撃ち、それらを収束させることで患部だけを焼くというものだそうだ。放射線が体内を通過するけれども、ひとつのビームが通過した部分の細胞はほとんど死ぬことはなく、収束した部分だけにエネルギーが集中するため、体内の奥深いところでもピンポイントで射貫くことができるものだそうだ。連邦軍がソーラレイシステムでソロモンを攻撃したのと同じやり方のようだ。ウチの奥さんが脳腫瘍の手術をした頃にはすでにあった技術で、たまたま行った病院でこの装置の宣伝が書かれていたのを見たので僕もそんなものがあることは知っていた。当時の主治医に、頭を開くくらいなら、こんな装置を使って腫瘍を焼き切ってもらえないだろうかと聞いたことを思い出した。その時の主治医の答えはつれなく、「できるもんならやってますよ・・。」であった・・。

そんな日に、治療の成功を願いながらも殺生をしに行ってしまうという、自分の業の深さにうんざりしてしまうのである・・。だから少しばかり気が重いのだ。

野山をウロウロしていたので出港は午前7時半になってしまっていた。



田倉崎を通過するのは8時半ごろになるので、転流時刻までは大和堆ポイントでアジサバ、うまく獲物が確保できればメバルを試してみて、その後は例の秘伝の仕掛けを試してみようと考えている。メバルと秘伝の仕掛けについてはまったく自信がないのでなんとか前半でアジサバを確保したいところだ。

大和堆ポイントには3艘ほどの船が来ていたのでまんざらでもないのだろう。



早速仕掛けを下すが、前回の釣行同様、潮の小さい日なので流れはなく、アタリもない。アジサバは最初にアタリがなければ相当心細い。できるだけ障害物のある所をと思い、山のてっぺん付近を流してみるがダメだ。
遠く、コイヅキ方面を見やると向こうの方が船団は大きい。しかし、あれは全部帝国軍なのだと思うと行く気にはならない。しかし、まったくアタリがないというのではそうもいかなく、ロックオンされたら潔くメバルに転進でもするかと仕掛けを引き上げた。
行ってみると同盟軍の船もチラホラ見える。どこもダメなのでみんなここに集結しているという感じだ。潮の小さい日でもここは流れている。しかし、相変わらず複雑な流れだ。



海面を見ていても湧き上がってくる潮と潜り込んでいく潮が複雑に絡み合っているのがわかる。試しに、水深70メートルほどの所から仕掛けを下してみる。やはり、水深ごとに複雑に流れが絡まっているようで道糸はどんどん出てゆく。少しテンションをかけながら落としてゆくと、錘が着底した瞬間にアタリがあった。
とりあえずアジを1匹。しかし、こんな流れの場所でしかも水深は70メートル以上でないとアタって来ない。これは釣りにくい。もうすこし楽に底の取れる場所へと思い移動するとまったくアタリがないのだ。仕方がないのでまた流れが渦を巻いているところに行くとやっぱりアタリがある。そんな場所を行ったり来たりしているとほぼ入れ食い状態だ。
それなりに数を稼いで転流時刻を過ぎてきた。さすがにアタリは遠のき、叔父さんの家に持っていく分も確保できたことだし、ここからは実験的な釣りに切り替える。
まずは銅板ポイント付近の浅場でメバル狙い。



ここはポイントらしく、数隻の船が集まってきている。新たに作り直した仕掛けを下すがすぐに根掛かり・・。今日はふたつ持ってきているので新たな仕掛けをセットしたけれども、どんくさいことに、チチワにスナップを通す前に指から仕掛けが落ちてしまった。糸が細いのと、短い仕掛けなのでモトスの部分も高仕掛けよりも短く作っていたことが災いしてしまった。何もなすすべがなく2個の錘を失ってしまった。
ここではやることがなくなってしまったので秘伝の仕掛けを試すべくテッパンポイントへ。
ここでは魚探の反応はあるものの、まったくアタリはない。このまま秘伝の仕掛けを使い続けるか、やはりオーソドックスな高仕掛けに切り替えるか迷うところだが、潮流が最強を迎えるまでは我慢することにした。
ここも潮の流れはなく、ついでに帝国軍もいないので思い切って北上することにした。その理由にはもう一つあって、先週の「鉄腕ダッシュ」のロケ地を見てみるということだ。
何気なくテレビを見ていたら、突然、友ヶ島というテロップが出てきた。友ヶ島って和歌山以外にもあるんだなとみていると、その島の形はどう見ても友ヶ島だ。そしてやっぱりあの友ヶ島であった。



今まで全然知らなかったけれども、友ヶ島には修験道の道場があるらしく、ジャニーズのアイドルがそこに挑戦するというものであった。
葛城山系には、「葛城二十八宿」という、役小角が法華経八巻二十八品を埋納したとされる経塚があり、友ヶ島はその一番目になっているそうだ。
砲台の跡があったり、魚の付き場になっていたり、おまけに修験道とも関係していたりと、友ヶ島というところは謎に包まれている・・。
そして、アイドルたちは今回、虎島の岸壁を登っていた。テレビを見ていると、その岩壁になにやら文字が刻まれており、いったい何が書いてあるのかそれを確かめてみようと思うのである。10数年ここを見ているが、この壁に文字が彫られているというのはまったく知らなかった。
今日はおあつらえ向きに帝国軍がいないのでこの岸壁に最接近できるというわけだ。



般若心経か何かが彫られているのかと思ったら、友ヶ島にある5ヶ所の修行場所の名前であった。



その5ヶ所とは、序品窟、観念窟、深蛇池、閼伽井跡、神島剣池という名前だ。ちなみに、この岩壁が修行の場所ではなく、この途中に観念窟という洞窟があり、そこで経を唱えるというのが修行になるらしい。
調べてみると、この文字は、紀州藩初代徳川頼宣の命で掘られたらしく、そうなると、300年くらい前に彫られた文字を今、見ていることになる。Nさんの手術が成功することをとりあえずここから祈っておこう。少しはご利益があるかもしれない。

秘伝の仕掛けをあきらめ、タイラバ、高仕掛けといろいろやってみたけれどもまったく何の反応もなく午後1時に終了とした。

僕の修行にも終わりがないのである。

コメント
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