ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国「おうちに続く階段」事情

2021年05月06日 | 米国○○事情
アメリカに移住して丸21年、そしてこの家に住み始めてから早くも丸12年が経とうとしている。
もともとがとても古い家なので、どこもかしこも超アンティーク。
手を入れ直さなければならない所だらけなのだけど、如何せん、家のローンと税金を払うので精一杯。
だからギリギリのギリギリまで待って、もうこりゃだめだとなるまで放置したままで暮らしている。

その中の一つ、玄関に上がる階段が、とうとうもうこりゃだめだという状態になった。
踏板部分の分厚い石板が真ん中辺りで真っ二つに割れ、蹴込部分のレンガとレンガの間に埋め込まれたセメントや石ころが、ボロボロと崩れ出し始めた。
それを無理やり元の位置に押し込んだりしながら誤魔化してきたけど、万が一家族以外の人が上り下りしている時に大きく崩れたりしたらえらい事になる。

だからやきもきしながら業者を探した。
連絡がついた業者がやって来て、階段の様子を見る。
じゃあ後で見積もりを送ります、と言って帰る。
なのにまるっきり音沙汰が無い。
そういうのが何回も続いた。
コロナ禍だからかなあ、あまりに古い階段だからかなあ、作業が面倒な割りに儲けが少ないからかなあ…などと自分たちでうだうだと考えながら、半年以上も待ち続けた。

ようやくやりましょうと言ってくれる業者が見つかって、見積もりも出て、とうとう作業が始まった。
元々の階段は段差が高くて、小さな子どもやお年寄りにはちょっと大変だった。
これからどんどん年老いていく短足のわたしと、レッスンにやってくるちびっ子たちのために、段を一段増やしてもらうことにした。
110年以上も前のレンガで建てられた家で、当時流行っていたのか、どのレンガにも黒い斑点が必ず入っている。
その真正面にある階段はピカピカの新しいレンガ、というのはちょっと違う感じがするので、できたら古いレンガを再利用して欲しいとお願いする。
業者は案の定、嫌そうな顔をした。
でもここは譲れないので仕方がない。

Day 1





どこの家にも必ずこういう階段があるので気にしてなかったんだけど、無くなってみると家が思ってたよりずっと高いところにある事がわかる。
今まで何の気なしに上り下りしていた階段だけど、すごく助けてもらってたんだなあ。

Day 2


夫は毎日、作業が終わるたびに、水平器で偏りがないかどうかを調べ、それを写真に撮っているらしい。
何年か前にいい加減な業者に浴室のリフォームを頼み、本当に大変な思いをしたからで、業者と良い関係を作りたいのはもちろんだけど、作業が完了するまでの間はちゃんとやっているかどうかをチェックして、疑問や不満があったらその都度伝える事が大事だと学んだ。
何やら今朝も責任者を呼んで、いろいろと話をしたみたいだ。

作業は今週中に終わるらしい。
うちに来る生徒たちは皆、裏の勝手口から台所を通り、レッスン室に入っていく。
これもまたちょっとしたハプニングで楽しかったりする。

やっと踏石板に足を乗っけるたびにヒヤヒヤしなくてよくなる。
まあ懐はかなりヒヤヒヤしそうだけど…。


コメント
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