ひろしま / Hiroshima (1953) [カラー化 映画 フル / Colorized, Full Movie]
この映画は、広島に原子爆弾が投下されてからわずか9年後の、1953年10月に公開されました。(私事ではありますが、わたしはそれから3年半後の1957年4月に生まれました)。
監督は関川秀雄さんです。
当然、それよりも前に撮影は始まっていたのですから、この映画の中には生々しく激しい感情が映し込まれています。
9万人近くもの市民がエキストラとして撮影に参加したのですが、その中には実際に被ばくした人たちもいて、原爆投下直後の混乱を如実に再現しました。
撮影中、「あの日」のことがよみがえってきて、体調を崩したり、泣き叫んだ人もいたそうです。
この映画は、大手の映画会社の協力は得られませんでした。
『原爆』を落とされた広島の地獄をとことん描いた作品の、一部の場面の削除をめぐり、大手配給会社と製作者との意向が折り合わなかったからだと言われています。
映像があまりに悲惨で、反米的な先導を招くような誤解を受けると、松竹や新東宝などの大手配給会社が尻込みをしたそうです。
「アメリカが真珠湾を忘れないと同時に、日本もヒロシマを忘れない」
「原爆犠牲者の頭蓋骨を外人に売りつけようとする」シーンの2箇所のカットを条件に上映を申し入れたのは松竹で、製作者側がこれを拒否した、と報道されています。
ですから国内では大々的な上映はできずじまいで、徐々に忘れ去られ、「幻の映画」と呼ばれていました。
国外では、1955年のベルリン国際映画祭において、長編映画賞を受賞しています。
2010年台から、自主上映会の活動が始まりましたが、フィルムの劣化が激しいことから、デジタル化をする必要が出てきました。
けれどもそれにかかる費用が莫大なため、なかなか進まなかったのですが、アメリカの映画会社から協力のオファーがかかり、北米で配信が始まりました。
今では日本でも、AmazonプライムやYouTubeで観られるようになっています。
今、このようなきな臭い情勢の中、これは世界中の人々に観てもらうべき映画だと心から思います。
核兵器の恐ろしさ、惨たらしさ、悍ましさを、目で見、耳で聞き、心に深く刻み込んでほしいと思います。
もう一つ、これはアメリカの実写が中心のドキュメンタリーです。
男性ナレーターが句読点無しで話すのがちょっと聞きにくいですが、ぜひご覧ください。
男性ナレーターが句読点無しで話すのがちょっと聞きにくいですが、ぜひご覧ください。
広島の知られざる映像|完全日本語ドキュメンタリー。