ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

もうワクチンでなんとかなると言うのは昔話になってしまったのに、パラリンピックだのワクチン促進アプリだのWeb広告だのに8億円?もういい加減にしてください!

2021年08月17日 | 日本とわたし
小野昌弘医師(イギリス在住の免疫学者)が書いてくださったワクチンとデルタ株に関する記事です。
わたしが抜粋引用した部分だけではなく、ぜひ全文を読んでください!
もう他人事ではない事態になってしまいました。
どうかできる限りの予防をしてください!
抜粋引用:
■ワクチンによるコロナの集団免疫という昔話
今年初めまでの英国型変異株(アルファ株)の流行ではワクチンは流行抑制効果があったと考えられる。
ただし、これはすでにコロナの昔話となっている。ワクチン接種による流行制御の可能性が検討できたのはアルファ株までである。
デルタ株の登場でこの望みは絶たれたといってよい。

■ワクチンだけで集団免疫はできない
デルタ株の問題は、武漢由来の従来株やアルファ株そのほかの変異株に比して、流行を広げる力が格段に高いことにある。
デルタ株は従来株より2倍多くの人に感染させる(つまり一人の感染者が平均して5-6人に感染をうつす)
これゆえに、デルタ株の流行がひろがってしまうと、人から人へ感染をくりかえすうちに、感染者がねずみ算式に積み上がる
これがデルタ株の流行を制御することの難しさである。
さらに、デルタ株は、若干ながら、コロナに対する既存の免疫をすりぬける
残念ながら、ワクチンだけでデルタ株に対する集団免疫を達成して流行を自然収束させられる見込みは、いまのところ、ない。
デルタ株の出現によりワクチン接種によるコロナ流行の自然収束は望めなくなってしまった

■ワクチンは重症化を相当抑制する(しかし完全ではない)
現在のデルタ株大流行中の英国で重症化している患者の内訳は、やはり高齢者に多い。
このことは、ワクチン接種による免疫の効果が高齢者では若干おちてしまうこと、少し早く減弱してしまうこととの関連が考えられている。

■ワクチン接種計画の目的はどこに
ワクチン接種が先行していた英国と異なって、日本はワクチン接種とデルタ株への対応を同時に行わなければならない状況にある点は要注意である。
それゆえにデルタ株の特性をふまえて、ワクチン接種の目的を明確にし直す必要があろう。

日本のワクチン接種に関する目的の欠落とはきちがえとは?
デルタ株による重症化の危険が明瞭になっている40ー50代の接種を遅らせ、重症率の低い10ー20代の若者を優先した。
日本の「職域接種」では、大企業(おそらく多くの人は自宅勤務ができる人たち)などの安定した立場にある人たちかが優先された。
健康な大学生が優先された。

諸外国の「職業別接種」とは、社会のインフラ維持のためロックダウン下でも労働する必要があり、感染の危険にさらされている人たち(公共交通機関の従業員など)に対して検討・実施されてきた。
日本では医療従事者の優先接種が行われた一方で、介護従事者の接種はいまなお遅れている
さらに、国から自治体へのワクチン配布が自治体間で不平等であった。

ワクチン接種計画の目的が何であるかが日本社会で理解を共有されないまま、泥縄式に進めてしまったのが現時点までの日本のワクチン接種であったといえよう。
総じて言えば、日本のワクチン配布は、社会における犠牲者の最小化を目指すところからは程遠くなっている。

今後デルタ株の流行が拡大するにつれて、ワクチンさえしていればおそらく助かったであろう人たちの悲劇が増えていく。
日本のワクチン接種が、高齢者、糖尿病や高血圧など、コロナに対して弱い基礎疾患をもつ人たちなど、医学的弱者から順番になされたならば、それで、健康な人たちは年代順になされていたならば、救えたはずの命があり、後遺症を持たずに済んだ人たちがいたはずである。

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