安倍さんは、なにかというと、『世界』という言葉をよく使います。
安倍さんの言う『世界』とは、いったいなんのことを意味してるのでしょうか。
『世界で最も厳しい』
『世界で最も優れている』
彼の言う世界がどれほど粗末で嘘っぱちなものか、それがこのビデオにはよく表れています。
毎回、申し訳がないのですが、Daily Motionのビデオを、ここに載せることができません。
いつものように、紫色の大文字をクリックしていただくと、別画面にビデオが出てきます。
ビデオを止めて、数枚写真を撮ってみましたが、どれもピンぼけで見にくいものばかり…申し訳なく思っています。
日本の原発というものが、いかにいい加減で、無責任な考え方の元に成り立ってきたか、
しかも、あの凄惨な事故を経験してもなお、ほとんど改善されることもなく、この先も続けられようとしているか、
そして、スリーマイル島とチェルノブイリの事故後、それらの事故を教訓に、設計段階から考え抜かれた数々の安全対策が、欧米の原子力業界には存在していること、
メルトダウンは起こり得るものだという認識で、それに対する対策はもちろん、
過酷事故が起こり、『メルトダウンに至る事象の始まりから12時間は、格納容器保護のために人的対応に依存してはならない』というように、
事故の対処に当たる人たちの、被ばくの軽減にまで踏み込んだ規定が、原発の設計基準には組み込まれています。
規制当局の容赦ない審査。
極めて高い要求。
それに右往左往する企業に見切りをつけて、離れていく金融機関。
でたらめな使い方で長年良い思いをしてきた国々も、皆が気づき始めたことで、これまでのいい加減なやり方では通用しなくなり、
きちんとしようとすると、とんでもない額の費用がかかるので、原発から撤退し始めているのは当たり前のことです。
けれども、原発が、そんな危険でどうしようもないものだということを、まだ知らない国には、
窮屈で厳しい規制や基準から外れた、以前造っていたような原発を、どんどん売り込んで大もうけする。
もうそれぐらいでしか儲からなくなった以上、ダブルスタンダードと言われようが言われまいが、会社を守るためなら行け行けどんどん!
原発をたくさん抱え込んでしまっている国は、なにも日本だけではありません。
けれども、地震大国が、ここまでの数の原発を、それもご丁寧に、国をグルッと囲むようにして建てているというのは、
やはり誰が考えても、世界一阿呆な現象だと思います。
建ってしまっているものはしようがない。
けれど、稼働はしていない。
二度と、一基たりとも、燃料に熱を入れないこと。
一日でも早く、廃炉作業を開始すること。
廃炉には、90年かかります。
これは、前に、鈴木耕さんが書いたコラムで読んで、覚えた数字です。
廃炉先進国といわれるイギリスの現状を、毎日新聞の記事と照らし合わせながら、紹介してくださっていました。
↓以下、転載はじめ
廃炉作業の費用と期間に隠されている
原発の真っ黒な現実。
廃炉だけに特化した「廃炉庁」を早急に作れ!
毎日新聞(8月19日付)の特集記事が興味深い。
イギリスの原発廃炉作業に関する2面にわたる特集だが、それを日本の場合と比較して調べているところがなかなかいい。
まず、イギリスの例ではこんな具合だ。
「解体先進国」英の原発
稼働26年 廃炉90年
世界で最も廃炉作業が進む原子力発電所の一つ、英ウェールズ地方のトロースフィニッド発電所(出力23.5万キロワット、炭酸ガス冷却炉、2基)の作業現場に入った。
1993年の作業開始から20年。
責任者は、「既に99%の放射性物質を除去した」と説明するが、施設を完全に解体し終えるまでに、なお70年の歳月を要する。(略)
65年に運転を開始し、91年に停止した。
原子炉の使用済み核燃料(燃料棒)は、95年に取り出されたが、圧力容器周辺や中間貯蔵施設内の、低レベル放射性物質の放射線量は、依然高い。
このため、2026年にいったん作業を停止し、放射線量が下がるのを待って、73年に、廃棄物の最終処分など、廃炉作業の最終段階に着手する。(略)
なんとも気が遠くなるような話だ。
これまでに20年間を費やして、廃炉作業を行ってきたが、最終処理まであと70年かかるという。
つまり、合計で、90年の歳月が必要ということになる。
しかも、これは、深刻な事故を起こしたわけでもなく、普通に運転をして、普通に廃炉作業に入った原発で、
なおかつ、23.5万キロワットという、小さな原発である。
それでも、これだけの時間が必要なのだ。
問題はそれだけではない。
大きくのしかかるのが、「廃炉費用」だ。
このトロースフィニッド原発の廃炉にかかる総費用は、約6億ポンド(約900億円)になるという。
だがこれは、現段階での試算。
あと70年間に、それがどうなるかは、実は誰にも分からない。
この費用問題について、同記事は次のように書く。
(略)事故を起こした東京電力福島第一原発1~4号機を除けば、国内の商用原発で廃炉作業が実施されているのは、
日本原子力発電東海原発(出力16.6万キロワット、炭酸ガス冷却炉)と中部電力浜岡原発1号機(54万キロワット、沸騰水型)、同原発2号機(84万キロワット、同)の計3基にとどまる。
日本原電は、東海の廃炉費用を、計850億円と見込み、2020年度までに終了させる予定。
中部電は、浜岡1、2号機の2基で、841億円かかると想定し、36年度までに終える計画だ。(略)
一方、福島1~4号機の廃炉費用は、「青天井」になっている。
東電は、4基の廃炉処理に、これまで9579億円を投じたが、放射性汚染水問題については収束のめどが立たないうえ、
溶けた燃料の回収・保管には、新たな研究開発費用が必要となる。(略)
だいたい、この廃炉費用の、各電力会社の概算が怪しい。
ほんとうに、こんな見積もりで、廃炉は可能なのか?
↑以上転載おわり
原発を稼働させるのはもうやめましょう。
やめさせましょう。
日本が本気にならないと、そのためには、日本に暮らしている人たちが本気にならないと、
この、日本のからだを腐らせてしまう恐ろしいバケモノを、根こそぎ引っこ抜けません。
報道ステーションのビデオの文字起こしをしました。
ビデオは、↓下記の紫色の太文字、または青文字をクリックしてくださると、別画面に出てきます。
報道ステーション
『原発の〝世界最高基準〟驚きの現実…日本は遅れていた!』
http://www.dailymotion.com/video/x225181_原発の-世界最高基準-驚きの現実-日本は遅れていた_news?start=229
古館アナウンサー:
新聞のテレビ欄では何回も、今日はこの特集をお送りします、と告知していたにも関わらず、ずっとなかなかできなくて、今日に至ったんですが、
世界の原発の安全基準について見てみよう、ということで、
この写真は、『十万年後の安全』という映画でも有名になりました、フィンランドのオンカロ、最終処分場の方ですね。
こちらがあまりにも有名というところがありますけれども、同じ所に地続きで、オルルオト原発、こちらもあるんですね。
この原発と日本の原発を、比較してみます。
欧州基準から見ると…、
日本の原発は〝安全〟か?
今月16日
安倍晋三総理大臣
「ま、世界でも、最も厳しい安全規準に則ってですね…」
川内原発が審査に〝合格〟したその日ー
総理は、世界で最も厳しい規制基準だと、胸を張った。
原発の新規制基準⇒〝世界で最も厳しい〟とは本当なのか?
我々は、最新鋭の原発建設が進むフィンランドで、その答を探した。
原発の〝世界最高基準〟
驚きの現実…日本は遅れていた
田実万紗子リポーター:
ヘルシンキから車で3時間あまり走ってきました。
ここから先、さらに進んだ所に、オルキルオト原発があります。
深い森を抜けると、目的地(フィンランド・オルキルオト/5月下旬)に辿り着く。
初夏とは思えないような、冷たい風が吹き付けていた。
ボスニア湾に面した広大な敷地の一角で、オルキルオト3号機の建設が進む。
すでに稼働している1、2号機。
そして、地中深くに核のゴミを埋める、最終処分予定地『オンカロ』も、併せ持っている。
2005年着工の3号機は、世界最大の原発メーカー、フランスのアレバなどが受注した。
EPR(欧州加圧水型炉)と呼ばれる次世代の原子炉だ。
田実万紗子リポーター:
まず驚かされるのが、原子炉格納容器です。
こちら、ご覧ください。
ドームのようになっているのですが、日本の原発にも似ていると思うんですけれども、
実はあのドームの部分ですね、鉄筋コンクリートで2重の構造になっています。
ここには、設計段階から考え抜かれた、数々の安全対策があった。
パシ・トゥオヒマー広報部長・TVO(電力会社):
あそこは、2重のコンクリートが被さった2重構造です。
ですから、何が起きても、突き破られることはありません。
内部で、また外部で、何が起きても、影響を及ぼすことがないように造っています。
建物の2重構造は、テロ対策の一環でもある。
核燃料を燃やす原子炉容器に、それを囲む格納容器。
ここでは、原子炉を守る格納容器が、2重の構造になっているのだ。
9.11の(同時多発)テロの後、欧米で安全規準が強化され、航空機の衝突に耐えられる構造が求められるようになった。
2重の格納容器という発想は、日本の基準には無い。
福島の事故を受け、日本の新基準で義務付けられた、フィルターベント。
事故の際、格納容器が破損しないよう圧力を下げる装置で、放射性物質を取り除くフィルター(排気設備)がついている。
(日本)国内の導入は始まったばかりだが、ヨーロッパではすでに〝標準装備〟だ。
STUK(フィンランド規制当局)・キルシ原子炉規制部門チーフ:
重大事故をコントロールする対策は、スリーマイル島(米国)とチェルノブイリ(旧ソ連)の事故後、1980年代が終る頃に定められました。
稼働中の原発にも、1990年代に、対策を講じています。
さらに驚いたのは、メルトダウンを想定した対策だ。
格納容器の底に、コア・キャッチャー(Core Catcher)という受け皿が用意されている。
コア・キャッチャーは事故の際、原子炉容器の底を突き破って溶け落ちた核燃料を、まず受け止める。
そして、引き延ばすように広げて、高温の燃料を冷やし、格納容器の外に漏れ出すのを防ぐのだ。
広げて冷やすとは、いったいどういうことなのか。
これは、フランスで建設中の、同じ型(EPR)の原発(フラマンビル原発3号機)で撮影された、コア・キャッチャーの映像。
超高温に耐える素材でできていて、広さは170平方メートル。
核燃料を薄く引き延ばし、熱を逃がしやすくする。
特別な化学材料が用いられ、ここで冷却し、封じ込める。
事故が起きるたび、その教訓を活かし、2重構造やコア・キャッチャーなどを取り入れてきたヨーロッパ。
原発の設計基準には、メルトダウンに至る事象の始まりから12時間は、
格納容器保護のために、人的対応に依存してはならないと、規定されている。
電力会社TVO・エサ・マンノラ顧問:
何よりも最優先に考えているのは、安全であることです。
重大事故が起きた場合、例えば、福島のようなケースでは、数時間、人の手を使わなくてもよいようにとは、考えています。
これだけ厳しい基準となれば、当然、金がかかる。
とんでもないことになっていた。
田実リポーター:
原子炉での重大な事故を想定し、あらゆる対策を施した、最新鋭の3号機。
ただ、安全審査が厳しいこともあり、何年も、工事が遅れてしまっています。
規制当局の容赦ない審査によって、オルキルオト原発(3号機)の工事は長期化している。
オルキルオト3号機
2005年着工
2009年稼働の予定は、大幅に遅延
追加措置も指摘され、コストはみるみるうちに膨れ上がった。
その額は、当初の3倍規模、1兆円を超すと言われている。
世界をリードしてきた原発メーカー・アレバだが、ドル箱(高収益)の送電網部門を、丸ごと売却する窮地にまで、追い込まれてしまった。
当局の要求レベルは、それほど高い。
アレバ・アレキシス・マランシック執行役員:
安全性を向上させるのに金をかけるのは、良い悪いの問題ではない。
安全面への投資をやめれば節約にはなるが、建設はおろか、原発は存在できない。
巨大企業をもってしても、厳しい安全要求には従う他ない。
佐藤暁氏・原子力コンサルタント(元GE技術者):
日本の安全規準とか、それからまあ、それを発電所に導入する仕組みがですね、周回遅れ、
追いついたというならばですね、まあ、ヨーロッパの10年前、ぐらいですか。
〝世界で最も厳しい基準〟だと、自画自讃する政府。
しかし、規制委員会の田中委員長は、言葉を濁す。
田中俊一委員長(原子力規制委員会):
その、世界最高水準とか世界最高とかってのは、やや政治的というか言葉の問題なんで、具体的ではないんですよね。
そして、コア・キャッチャーなど、海外の最新技術については、
「既存の施設に追加するのは難しい」「具体的な技術指定はしない」とした。
Q. コア・キャッチャーや2重の格納容器を、今後要求していく考えはないのか。
田中委員長:
2重格納容器とかコア・キャッチャーってのは、設計段階から入ってかないといけないんで、ちょっとそう簡単ではないわね。
だが、諸外国は、現実に起こり得る『危険』に対し、常に高い意識で、何重もの工夫を積み重ねてきた。
佐藤氏:
基準からですね、ほんとは、もう一回作り直さないといけないぐらいだと思うんです。
ですけれども、もうだいぶその(原発の適合審査)先に進んできちゃってるわけですよね。
ここから何をやったらいいのかと、ヨーロッパ、アメリカと比べて明らかに欠けているところ(視点)を、
きちんと洗い出して見ていかないといけないと思います。
古館アナウンサー:
管さんに伺う前に、ひとつ、あのフィンランドのあそこの地層は、18億年前から動いていないと言われる、強烈な岩盤、その前提がちょっと違い過ぎるんですけど、
あとどうでしょう?
姜尚中氏(国際政治学者):
聖学院大学学長。東アジア情勢に詳しい。
近著に『心の力』小説『心』
やっぱりこう、観てて思ったのは、結局◯◯の違いで、人間の命に対する考え方が、根本的に違うんじゃないかなと。
ですから、やっぱり人間の命が、安く見積もられている、としか思えないんですよね。
基本的に、事故は起きるもんだと、人間がやるものは、事故は必ず起きるわけで、
で、起きるという前提でコア・キャッチャーを造ったり、つまり、炉心溶融が起きても、核燃料をしっかりと捕捉して、それを冷やして封じ込めると、
それからまあ、格納容器の2重構造を造ってですね、まず人間がもう十(←まうみ注・十ではなく)数時間、何も加えなくてもいい状態にある。
前あのー、東海村でしたかね、あの原発事故が起きた時には、バケツで汚染水を汲み上げてたわけですよね。
そうするともう、人がそこで、莫大な被ばくを帯びるいるわけですから、
結局、人間の命というものが、やっぱりあまく見られているという感じですね。
で、その根本的な違いはやっぱりあるんじゃないかと。
ですからこれはもう、生命観の問題で、その問題を解決しないと、安倍総理の言ってらっしゃること、
例えば『アンダーコントロール』にせよ、あるいは今回の『世界一厳しい基準』にせよ、やっぱりこれ、言葉のあやで実態をくぐり抜けようとしていて、
本人もそう、なんか信じ込みたいのかどうかは分からないんですけど、まあある種、言霊の世界に自分を追いやっているとしか思えないんですよね。
だから、事態をしっかり見ないといけないし、その上で、やっぱり採算が合うのか合わないのかという問題ではなくて、
原発を進めるということは採算が合わないと。
で、合わなくてもやる、ということであれば、今回のような、フィンランドのようなことになるわけで、
採算もたくさん取りたい、そして進めたい、これは実はもう、水と油で、どちらかを選ばなければいけないわけで、
最終的には、採算が合わないならどうしたらいいか。
やっぱり脱原発を求めるしかないわけですよね。
ですから、資本主義社会においては、採算、つまり経済性というのが一番優先されるわけですから、
自ずからそういうふうになっていくんではないかと。
古館アナウンサー:
さらにもう一つ、ちょっと穿つ過ぎと言われるかもしれませんが、正確に調べ抜いたわけじゃないんですけど、
ヨーロッパもずるいなって思うところがあって、
フランスのアレバでもそうですけれども、あれだけの、何兆円とかかってしまうっていう現実がありながら、
あれはヨーロッパ向け、のような気が一瞬してですね、
新興国に向かっては、もうちょっと割安な原発をどんどん売って、儲けてるんではないですかと。
そこまで原発のことってのは考えないと、さっきの、命に関わってくると思っちゃうんですよね。
姜氏:
だからヨーロッパも、ヨーロッパという枠組みの中での一つの価値観と、しかも西ヨーロッパと東ヨーロッパは違いますけど、
やっぱりそういう西側諸国の高い水準は、ヨーロッパの外側に行くと、いわば、かなり低く見積もられるし、
で、そういうダブルスタンダードですよね、
そういうものを無くしていくならば、自ずから原発は限界がある、そうなるわけですよね。
ですからまあ、ちょっとこう、ある種の偽善的なものも、そこにつきまとってますよね。
安倍さんの言う『世界』とは、いったいなんのことを意味してるのでしょうか。
『世界で最も厳しい』
『世界で最も優れている』
彼の言う世界がどれほど粗末で嘘っぱちなものか、それがこのビデオにはよく表れています。
毎回、申し訳がないのですが、Daily Motionのビデオを、ここに載せることができません。
いつものように、紫色の大文字をクリックしていただくと、別画面にビデオが出てきます。
ビデオを止めて、数枚写真を撮ってみましたが、どれもピンぼけで見にくいものばかり…申し訳なく思っています。
日本の原発というものが、いかにいい加減で、無責任な考え方の元に成り立ってきたか、
しかも、あの凄惨な事故を経験してもなお、ほとんど改善されることもなく、この先も続けられようとしているか、
そして、スリーマイル島とチェルノブイリの事故後、それらの事故を教訓に、設計段階から考え抜かれた数々の安全対策が、欧米の原子力業界には存在していること、
メルトダウンは起こり得るものだという認識で、それに対する対策はもちろん、
過酷事故が起こり、『メルトダウンに至る事象の始まりから12時間は、格納容器保護のために人的対応に依存してはならない』というように、
事故の対処に当たる人たちの、被ばくの軽減にまで踏み込んだ規定が、原発の設計基準には組み込まれています。
規制当局の容赦ない審査。
極めて高い要求。
それに右往左往する企業に見切りをつけて、離れていく金融機関。
でたらめな使い方で長年良い思いをしてきた国々も、皆が気づき始めたことで、これまでのいい加減なやり方では通用しなくなり、
きちんとしようとすると、とんでもない額の費用がかかるので、原発から撤退し始めているのは当たり前のことです。
けれども、原発が、そんな危険でどうしようもないものだということを、まだ知らない国には、
窮屈で厳しい規制や基準から外れた、以前造っていたような原発を、どんどん売り込んで大もうけする。
もうそれぐらいでしか儲からなくなった以上、ダブルスタンダードと言われようが言われまいが、会社を守るためなら行け行けどんどん!
原発をたくさん抱え込んでしまっている国は、なにも日本だけではありません。
けれども、地震大国が、ここまでの数の原発を、それもご丁寧に、国をグルッと囲むようにして建てているというのは、
やはり誰が考えても、世界一阿呆な現象だと思います。
建ってしまっているものはしようがない。
けれど、稼働はしていない。
二度と、一基たりとも、燃料に熱を入れないこと。
一日でも早く、廃炉作業を開始すること。
廃炉には、90年かかります。
これは、前に、鈴木耕さんが書いたコラムで読んで、覚えた数字です。
廃炉先進国といわれるイギリスの現状を、毎日新聞の記事と照らし合わせながら、紹介してくださっていました。
↓以下、転載はじめ
廃炉作業の費用と期間に隠されている
原発の真っ黒な現実。
廃炉だけに特化した「廃炉庁」を早急に作れ!
毎日新聞(8月19日付)の特集記事が興味深い。
イギリスの原発廃炉作業に関する2面にわたる特集だが、それを日本の場合と比較して調べているところがなかなかいい。
まず、イギリスの例ではこんな具合だ。
「解体先進国」英の原発
稼働26年 廃炉90年
世界で最も廃炉作業が進む原子力発電所の一つ、英ウェールズ地方のトロースフィニッド発電所(出力23.5万キロワット、炭酸ガス冷却炉、2基)の作業現場に入った。
1993年の作業開始から20年。
責任者は、「既に99%の放射性物質を除去した」と説明するが、施設を完全に解体し終えるまでに、なお70年の歳月を要する。(略)
65年に運転を開始し、91年に停止した。
原子炉の使用済み核燃料(燃料棒)は、95年に取り出されたが、圧力容器周辺や中間貯蔵施設内の、低レベル放射性物質の放射線量は、依然高い。
このため、2026年にいったん作業を停止し、放射線量が下がるのを待って、73年に、廃棄物の最終処分など、廃炉作業の最終段階に着手する。(略)
なんとも気が遠くなるような話だ。
これまでに20年間を費やして、廃炉作業を行ってきたが、最終処理まであと70年かかるという。
つまり、合計で、90年の歳月が必要ということになる。
しかも、これは、深刻な事故を起こしたわけでもなく、普通に運転をして、普通に廃炉作業に入った原発で、
なおかつ、23.5万キロワットという、小さな原発である。
それでも、これだけの時間が必要なのだ。
問題はそれだけではない。
大きくのしかかるのが、「廃炉費用」だ。
このトロースフィニッド原発の廃炉にかかる総費用は、約6億ポンド(約900億円)になるという。
だがこれは、現段階での試算。
あと70年間に、それがどうなるかは、実は誰にも分からない。
この費用問題について、同記事は次のように書く。
(略)事故を起こした東京電力福島第一原発1~4号機を除けば、国内の商用原発で廃炉作業が実施されているのは、
日本原子力発電東海原発(出力16.6万キロワット、炭酸ガス冷却炉)と中部電力浜岡原発1号機(54万キロワット、沸騰水型)、同原発2号機(84万キロワット、同)の計3基にとどまる。
日本原電は、東海の廃炉費用を、計850億円と見込み、2020年度までに終了させる予定。
中部電は、浜岡1、2号機の2基で、841億円かかると想定し、36年度までに終える計画だ。(略)
一方、福島1~4号機の廃炉費用は、「青天井」になっている。
東電は、4基の廃炉処理に、これまで9579億円を投じたが、放射性汚染水問題については収束のめどが立たないうえ、
溶けた燃料の回収・保管には、新たな研究開発費用が必要となる。(略)
だいたい、この廃炉費用の、各電力会社の概算が怪しい。
ほんとうに、こんな見積もりで、廃炉は可能なのか?
↑以上転載おわり
原発を稼働させるのはもうやめましょう。
やめさせましょう。
日本が本気にならないと、そのためには、日本に暮らしている人たちが本気にならないと、
この、日本のからだを腐らせてしまう恐ろしいバケモノを、根こそぎ引っこ抜けません。
報道ステーションのビデオの文字起こしをしました。
ビデオは、↓下記の紫色の太文字、または青文字をクリックしてくださると、別画面に出てきます。
報道ステーション
『原発の〝世界最高基準〟驚きの現実…日本は遅れていた!』
http://www.dailymotion.com/video/x225181_原発の-世界最高基準-驚きの現実-日本は遅れていた_news?start=229
古館アナウンサー:
新聞のテレビ欄では何回も、今日はこの特集をお送りします、と告知していたにも関わらず、ずっとなかなかできなくて、今日に至ったんですが、
世界の原発の安全基準について見てみよう、ということで、
この写真は、『十万年後の安全』という映画でも有名になりました、フィンランドのオンカロ、最終処分場の方ですね。
こちらがあまりにも有名というところがありますけれども、同じ所に地続きで、オルルオト原発、こちらもあるんですね。
この原発と日本の原発を、比較してみます。
欧州基準から見ると…、
日本の原発は〝安全〟か?
今月16日
安倍晋三総理大臣
「ま、世界でも、最も厳しい安全規準に則ってですね…」
川内原発が審査に〝合格〟したその日ー
総理は、世界で最も厳しい規制基準だと、胸を張った。
原発の新規制基準⇒〝世界で最も厳しい〟とは本当なのか?
我々は、最新鋭の原発建設が進むフィンランドで、その答を探した。
原発の〝世界最高基準〟
驚きの現実…日本は遅れていた
田実万紗子リポーター:
ヘルシンキから車で3時間あまり走ってきました。
ここから先、さらに進んだ所に、オルキルオト原発があります。
深い森を抜けると、目的地(フィンランド・オルキルオト/5月下旬)に辿り着く。
初夏とは思えないような、冷たい風が吹き付けていた。
ボスニア湾に面した広大な敷地の一角で、オルキルオト3号機の建設が進む。
すでに稼働している1、2号機。
そして、地中深くに核のゴミを埋める、最終処分予定地『オンカロ』も、併せ持っている。
2005年着工の3号機は、世界最大の原発メーカー、フランスのアレバなどが受注した。
EPR(欧州加圧水型炉)と呼ばれる次世代の原子炉だ。
田実万紗子リポーター:
まず驚かされるのが、原子炉格納容器です。
こちら、ご覧ください。
ドームのようになっているのですが、日本の原発にも似ていると思うんですけれども、
実はあのドームの部分ですね、鉄筋コンクリートで2重の構造になっています。
ここには、設計段階から考え抜かれた、数々の安全対策があった。
パシ・トゥオヒマー広報部長・TVO(電力会社):
あそこは、2重のコンクリートが被さった2重構造です。
ですから、何が起きても、突き破られることはありません。
内部で、また外部で、何が起きても、影響を及ぼすことがないように造っています。
建物の2重構造は、テロ対策の一環でもある。
核燃料を燃やす原子炉容器に、それを囲む格納容器。
ここでは、原子炉を守る格納容器が、2重の構造になっているのだ。
9.11の(同時多発)テロの後、欧米で安全規準が強化され、航空機の衝突に耐えられる構造が求められるようになった。
2重の格納容器という発想は、日本の基準には無い。
福島の事故を受け、日本の新基準で義務付けられた、フィルターベント。
事故の際、格納容器が破損しないよう圧力を下げる装置で、放射性物質を取り除くフィルター(排気設備)がついている。
(日本)国内の導入は始まったばかりだが、ヨーロッパではすでに〝標準装備〟だ。
STUK(フィンランド規制当局)・キルシ原子炉規制部門チーフ:
重大事故をコントロールする対策は、スリーマイル島(米国)とチェルノブイリ(旧ソ連)の事故後、1980年代が終る頃に定められました。
稼働中の原発にも、1990年代に、対策を講じています。
さらに驚いたのは、メルトダウンを想定した対策だ。
格納容器の底に、コア・キャッチャー(Core Catcher)という受け皿が用意されている。
コア・キャッチャーは事故の際、原子炉容器の底を突き破って溶け落ちた核燃料を、まず受け止める。
そして、引き延ばすように広げて、高温の燃料を冷やし、格納容器の外に漏れ出すのを防ぐのだ。
広げて冷やすとは、いったいどういうことなのか。
これは、フランスで建設中の、同じ型(EPR)の原発(フラマンビル原発3号機)で撮影された、コア・キャッチャーの映像。
超高温に耐える素材でできていて、広さは170平方メートル。
核燃料を薄く引き延ばし、熱を逃がしやすくする。
特別な化学材料が用いられ、ここで冷却し、封じ込める。
事故が起きるたび、その教訓を活かし、2重構造やコア・キャッチャーなどを取り入れてきたヨーロッパ。
原発の設計基準には、メルトダウンに至る事象の始まりから12時間は、
格納容器保護のために、人的対応に依存してはならないと、規定されている。
電力会社TVO・エサ・マンノラ顧問:
何よりも最優先に考えているのは、安全であることです。
重大事故が起きた場合、例えば、福島のようなケースでは、数時間、人の手を使わなくてもよいようにとは、考えています。
これだけ厳しい基準となれば、当然、金がかかる。
とんでもないことになっていた。
田実リポーター:
原子炉での重大な事故を想定し、あらゆる対策を施した、最新鋭の3号機。
ただ、安全審査が厳しいこともあり、何年も、工事が遅れてしまっています。
規制当局の容赦ない審査によって、オルキルオト原発(3号機)の工事は長期化している。
オルキルオト3号機
2005年着工
2009年稼働の予定は、大幅に遅延
追加措置も指摘され、コストはみるみるうちに膨れ上がった。
その額は、当初の3倍規模、1兆円を超すと言われている。
世界をリードしてきた原発メーカー・アレバだが、ドル箱(高収益)の送電網部門を、丸ごと売却する窮地にまで、追い込まれてしまった。
当局の要求レベルは、それほど高い。
アレバ・アレキシス・マランシック執行役員:
安全性を向上させるのに金をかけるのは、良い悪いの問題ではない。
安全面への投資をやめれば節約にはなるが、建設はおろか、原発は存在できない。
巨大企業をもってしても、厳しい安全要求には従う他ない。
佐藤暁氏・原子力コンサルタント(元GE技術者):
日本の安全規準とか、それからまあ、それを発電所に導入する仕組みがですね、周回遅れ、
追いついたというならばですね、まあ、ヨーロッパの10年前、ぐらいですか。
〝世界で最も厳しい基準〟だと、自画自讃する政府。
しかし、規制委員会の田中委員長は、言葉を濁す。
田中俊一委員長(原子力規制委員会):
その、世界最高水準とか世界最高とかってのは、やや政治的というか言葉の問題なんで、具体的ではないんですよね。
そして、コア・キャッチャーなど、海外の最新技術については、
「既存の施設に追加するのは難しい」「具体的な技術指定はしない」とした。
Q. コア・キャッチャーや2重の格納容器を、今後要求していく考えはないのか。
田中委員長:
2重格納容器とかコア・キャッチャーってのは、設計段階から入ってかないといけないんで、ちょっとそう簡単ではないわね。
だが、諸外国は、現実に起こり得る『危険』に対し、常に高い意識で、何重もの工夫を積み重ねてきた。
佐藤氏:
基準からですね、ほんとは、もう一回作り直さないといけないぐらいだと思うんです。
ですけれども、もうだいぶその(原発の適合審査)先に進んできちゃってるわけですよね。
ここから何をやったらいいのかと、ヨーロッパ、アメリカと比べて明らかに欠けているところ(視点)を、
きちんと洗い出して見ていかないといけないと思います。
古館アナウンサー:
管さんに伺う前に、ひとつ、あのフィンランドのあそこの地層は、18億年前から動いていないと言われる、強烈な岩盤、その前提がちょっと違い過ぎるんですけど、
あとどうでしょう?
姜尚中氏(国際政治学者):
聖学院大学学長。東アジア情勢に詳しい。
近著に『心の力』小説『心』
やっぱりこう、観てて思ったのは、結局◯◯の違いで、人間の命に対する考え方が、根本的に違うんじゃないかなと。
ですから、やっぱり人間の命が、安く見積もられている、としか思えないんですよね。
基本的に、事故は起きるもんだと、人間がやるものは、事故は必ず起きるわけで、
で、起きるという前提でコア・キャッチャーを造ったり、つまり、炉心溶融が起きても、核燃料をしっかりと捕捉して、それを冷やして封じ込めると、
それからまあ、格納容器の2重構造を造ってですね、まず人間がもう十(←まうみ注・十ではなく)数時間、何も加えなくてもいい状態にある。
前あのー、東海村でしたかね、あの原発事故が起きた時には、バケツで汚染水を汲み上げてたわけですよね。
そうするともう、人がそこで、莫大な被ばくを帯びるいるわけですから、
結局、人間の命というものが、やっぱりあまく見られているという感じですね。
で、その根本的な違いはやっぱりあるんじゃないかと。
ですからこれはもう、生命観の問題で、その問題を解決しないと、安倍総理の言ってらっしゃること、
例えば『アンダーコントロール』にせよ、あるいは今回の『世界一厳しい基準』にせよ、やっぱりこれ、言葉のあやで実態をくぐり抜けようとしていて、
本人もそう、なんか信じ込みたいのかどうかは分からないんですけど、まあある種、言霊の世界に自分を追いやっているとしか思えないんですよね。
だから、事態をしっかり見ないといけないし、その上で、やっぱり採算が合うのか合わないのかという問題ではなくて、
原発を進めるということは採算が合わないと。
で、合わなくてもやる、ということであれば、今回のような、フィンランドのようなことになるわけで、
採算もたくさん取りたい、そして進めたい、これは実はもう、水と油で、どちらかを選ばなければいけないわけで、
最終的には、採算が合わないならどうしたらいいか。
やっぱり脱原発を求めるしかないわけですよね。
ですから、資本主義社会においては、採算、つまり経済性というのが一番優先されるわけですから、
自ずからそういうふうになっていくんではないかと。
古館アナウンサー:
さらにもう一つ、ちょっと穿つ過ぎと言われるかもしれませんが、正確に調べ抜いたわけじゃないんですけど、
ヨーロッパもずるいなって思うところがあって、
フランスのアレバでもそうですけれども、あれだけの、何兆円とかかってしまうっていう現実がありながら、
あれはヨーロッパ向け、のような気が一瞬してですね、
新興国に向かっては、もうちょっと割安な原発をどんどん売って、儲けてるんではないですかと。
そこまで原発のことってのは考えないと、さっきの、命に関わってくると思っちゃうんですよね。
姜氏:
だからヨーロッパも、ヨーロッパという枠組みの中での一つの価値観と、しかも西ヨーロッパと東ヨーロッパは違いますけど、
やっぱりそういう西側諸国の高い水準は、ヨーロッパの外側に行くと、いわば、かなり低く見積もられるし、
で、そういうダブルスタンダードですよね、
そういうものを無くしていくならば、自ずから原発は限界がある、そうなるわけですよね。
ですからまあ、ちょっとこう、ある種の偽善的なものも、そこにつきまとってますよね。
ビデオを止めて、数枚写真を撮ってみましたが、どれもピンぼけで見にくいものばかり…。
Daily Motionのリンクを貼るか、動画のタイトルを記載して頂ければ、ブログ読者も動画を視聴することができます。
動画タイトルが分れば、ブログ読者が自分で検索できます。
例えば「原発 :Daily Motion」で検索した場合
https://www.google.co.jp/webhp?sourceid=chrome-instant&ion=1&espv=2&ie=UTF-8#q=%E5%8E%9F%E7%99%BA+%3ADaily+Motion&safe=off&tbm=vid
また、パソコンで動画を視聴する場合、一時停止をし画面をキャプチャーした方が、キレイな画像を保存できます。
無料画面キャプチャーソフト一覧
http://freesoft-100.com/pasokon/capture.html
Windowsなら、アクセサリの中にある「Snipping Tool」というソフトを使えば、画面のキャプチャーができます。
http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows/use-snipping-tool-capture-screen-shots#1TC=windows-7
さっそく、教えていただいたサイトを見てみました。
うちはMacなので、Mac対応のものを選び、試してみました。
もう大感激です!
これからはもう、あのイライラと虚しさを感じなくてもよくなりました。
本当に助かりました。ありがとうございます!
それから、動画の紹介ですが、今回はすっぽり抜けておりました。
指摘していただいて、さっそく書き加えておきました。
こちらも重ねて、ありがとうございました。
ただ、コメントをしてくださった記事は、(阿部ではなく)安倍首相の、第一次政権当時からの、
それはなにも安倍氏に限ったことではありませんので、だからもっときちんと言うとすると、
自民党歴代の首相たちによって受け継がれてきた、極めて無責任な原発政策、
極めて採算の取れないというだけでなく、危険極まりなく、事後処理に途方もない時間と費用がかかり、
維持するためには、健康や命を秤にかけて生きていかなければならない人たちを利用し、
地震がよく起こるという地質を持つ国土ということを知っていながら増やし続けてきた、という無責任さと倫理観の無さを、書いたものです。