ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

二重まぶた

2008年10月04日 | 家族とわたし
息子Kが、突然二重まぶたに挑戦しています。
2週間ぐらい前に、一瞬だったけど彼の瞼の上に白い線を見つけ、え?まさか……と思ったけれど、
その後時は静かに過ぎ、けれども、洗面所に次から次へと現れるプラスティックの怪しい小物達……。
そしてついに、何気に不自然な、ちょっと怒っているようにも見えるKの二重まぶたバージョンの顔と鉢合わせした旦那
かなりパニクってしまい、Kを追いかけ回し、逃げるKに向かって「なんやその目は、おい!こら!」と叫んでおりました。

二重まぶたねえ……実はわたしも思い出があります。
わたしの父親はくっきり二重、母親はすっきり一重、わたしも弟も母親の目を受け継ぎました。
小学校の高学年だったか、中学に進んでからだったか覚えていないけれど、
病気になったりして体がかなりしんどくなると、突然二重まぶたに変身するのに気づき、
もしかしたらわたしは、隠れ二重なのかもしれないと思い、
それなら隠れている二重ちゃんを引っ張り出せば、わたしも二重になれるやん!とウキウキしたのを覚えています。
なんで二重にウキウキしたり憧れたりするのか、そこんとこの真理は明らかではありませんが、
さっそく二重まぶた矯正テープやら糊やら先っちょが蛇の舌みたいに分かれたプラスティックの小物やらを買って、
家族に内緒でコソコソ、ちっちゃな手鏡に映る一重半まぶたと大奮闘したものです。
結局はうまいこといかずで、この手の事には熱中し易く覚め易いわたしはあっさり諦めてしまったのですが、
なんのこっちゃない、15才の時の『ほとんど死んでたね・その1』の事故の後、いきなり二重まぶたになったっきり、今に至っているんですね
Kの、ちょっと睨みつけるような目つき、あれには本当に同情します
テープや糊でシワをつけた後、そのシワを保つためにはかなりの緊張度が必要なんですね。
あれだけは、やった者にしか分かりません、きっと。
なので、くつろげないわけです。二重よ、そこに留まっておくれ~!という、ものすごい念が必要なのです。
で、怒ったみたいな顔になるわけです。しゃ~ないんだよな~。

だからKよ、わたしは君の二重への憧れが分からないわけではないよ。
けどさ、二重になってもその目つきじゃなあ……。
一重の、あんたらしい自然体の、ちょっと寝てるか起きてるか分からんっぽいミステリアスな目もなかなかやと思うなあ。

旦那は思い出したようにため息ついて、わたしが?と思って彼を見ると、人差し指で上まぶたにスッと線を引きます。
旦那よ、生まれつきの天然二重で、密集したまつげがクル~ンとカーブしている民族の君には一生かかっても分かるまい。
確かにね、わたしも少しは思うよ。
もうしっかり大人になっていて(二十歳の成人という意味で)、
心療内科医になるために大学行ってるかと思えばコックになろかなと言い出し(高級指向スーパーの寿司コーナーにてバイト中)、
TVゲームの東海岸チャンプで(彼のファンが、お手合わせをしてもらいたいばかりに、遠い州からもやって来ます)、
あらゆる場所に友達がいっぱいいて、夜中に出入りするのは日常茶飯事で、
その付き合いで寝る時間がゼロになり、疲れきって吐いて、寝だめして回復、なんてことをしているK。
中学生の頃からの、ヘアスタイルへの執着と集めたこだわりグッズ、これはかなり有名で、しかも今もまだ続いています。
きっとこれを読みながら、ウンウンと頷いてらっしゃる方も大勢おられるかと思われ……

Kよ、まあ、やりたいだけやってみろ。
なんて格好のいいこと言いながら締めくくろうとしたけれど、
実はK、1度凝り始めたらすごい奴で、しつこさと追求する深さにおいてはかなりの高い度数を持つ男。
さて、いったいどうなりますことやら……
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2 コメント

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Unknown (もめん)
2008-10-05 19:01:55
ウチには、K君の見事なピアノの弾きっぷりをおさめた動画があります。K家にて披露してくださったものです。
いやーー実に楽しそうに、「習ってないんだけどね」といいながら弾く彼に、「ウチの子も!」なんて夢を見たものです。
凝り性なのですね。羨ましいです。

二重かー、青春だね。かわいいっす。
ウチの子もやるのかな、近々。

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凝り性 (まうみ)
2008-10-05 22:37:13
もめんちゃん、ありがとう、この言葉が昨日は思いつかんかった!

そうなんです、凝り性なんです奴は。それも半端じゃなく。
あのピアノだって、彼が小学校の時に、突然『エリーゼのために』が弾きたい、教えてくれって……。
おおぉ~ついにこの日が来たかって、ピアノ弾きのわたしとしてはかなり嬉しかったのだけど……その日から始まった忍耐(わたしのです)の日々……奴は音符を読むつもりは一切無く、わたしが弾くのを目と耳で覚える方法を選んだのでした。
1小節ずつ、彼が覚えるまで何度も何度も、気が遠くなるほど何度も、母の愛は深い……と我ながら感心するほど弾かされました。
それから何曲か、しかもいっつも格好のいい弾き映えのするのを選んでは、真似っこ奏法でレパートリーにしてった彼。
ある日、とうとうわたしの我慢の糸が切れ、もう教えたらん!音符読め!と叫んだら、なんのこっちゃない、読み始めたではあ~りませんか。アホくさ。
彼の、何万回弾き伝説の曲は何曲かあり、耳に大ダコ作りながら聞かされてたわたしは、自分の親や家族の気持ちをしみじみ知ったのであります。
あ~、あの凝り性男、二重に凝り過ぎて三重になっちゃうかもぉ~!
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