灰釉の話を続けます。
5) 各種、灰の特徴
天然の灰には、「アルミナ」「シリカ」「アルカリ」の全ての成分が、含まれています。
灰の種類に拠って、その含有量に、差が有ります。何度も言う様に、同じ種類の灰でも、
差が有りますが、一般的な、共通事項(特徴)が有りますので、説明します。
① ほとんどの、木の灰には、石灰分(CaO)が、20~50%含まれています。
その他の「アルカリ」成分に、マグネシア、マンガン、鉄分、リン酸などを、含みます。
禾(のぎ)本科(藁、籾殻など)の灰は、「シリカ」成分が、80%程度含まれます。
② 土灰は、他の灰と比べて、「アルミナ」と「シリカ」成分が、やや少なめで、MgO(マグネシア)と、
CaO(カルシュム)、Fe2O3(鉄)を、比較的多く含みます。
③ 松灰、樫(かし)灰は、「アルミナ」と「シリカ」成分が、多目で、MnO2(マンガン)も多く、
含みます。「マンガン」は、黒い釉を調合するのに、適します。
・ 各種金属を配合し、色釉を作る際、灰の成分や、酸化、還元焼成によって、色の出方が、
微妙に変化します。 この件に関しては、後で説明する、予定です。
④ 木灰には、松、樫、楢(なら)、杉の他、栗皮(栗の実の皮でく、幹の皮です)、
橙(だいだい、その他の柑橘類)、椿など あらゆる木の灰が、釉の原料に成ります。
又、木や、草以外のコーヒ灰や、お茶の葉灰等、その他、作品にマヨネーズや、靴墨を塗っても、
それらが、燃えて灰に成ると、熔けて、釉の様に働きます。 即ち、燃えた「カス」の灰は、
どんな灰でも、多かれ少なかれ、ガラス質に成ります。
⑤ 自分で灰を作る
ご自分で、木や草を燃やし、灰を作る方もいますし、作ってみたい方も、多いと思います。
その方法について、述べます。
木灰を良く燃やし、灰化させ、乳鉢や、臼などで、細かくします。これを何度も、水に浸し、
上澄液を捨てて、水溶性のアルカリ分を、取り除きます。
更に、乾燥後、篩(ふるい)に掛けて、土砂や、不純物を取り除いてから、使います。
・ 但し、籾殻を配合して、乳濁釉を、作る場合には、あまり細かく、粉砕しない方が、気泡が発生し
乳白効果が上がると、言われています。
・ 灰を作るには、大量の木や藁が、必要です、更に燃やすと、大量の煙が出ます。
焼く場所など、環境問題にも成りますので、注意が必要です。
⑥ 合成灰について、
天然の灰は、変化が大きく、釉として、再現性に乏しいです。そこで、常に品質が一定に成る様に、
合成した、各種の灰(合成土灰、松灰、藁灰、いす灰、栗皮灰など)が、市販されています。
値段的にも、こちらの方が、安価で、容易に入手可能です。
・ 但し、メーカーによって、若干の差が有りますので、なるべく特定の物を、使う事を勧めます。
6) 長石について
以下次回に続きます。
灰について
5) 各種、灰の特徴
天然の灰には、「アルミナ」「シリカ」「アルカリ」の全ての成分が、含まれています。
灰の種類に拠って、その含有量に、差が有ります。何度も言う様に、同じ種類の灰でも、
差が有りますが、一般的な、共通事項(特徴)が有りますので、説明します。
① ほとんどの、木の灰には、石灰分(CaO)が、20~50%含まれています。
その他の「アルカリ」成分に、マグネシア、マンガン、鉄分、リン酸などを、含みます。
禾(のぎ)本科(藁、籾殻など)の灰は、「シリカ」成分が、80%程度含まれます。
② 土灰は、他の灰と比べて、「アルミナ」と「シリカ」成分が、やや少なめで、MgO(マグネシア)と、
CaO(カルシュム)、Fe2O3(鉄)を、比較的多く含みます。
③ 松灰、樫(かし)灰は、「アルミナ」と「シリカ」成分が、多目で、MnO2(マンガン)も多く、
含みます。「マンガン」は、黒い釉を調合するのに、適します。
・ 各種金属を配合し、色釉を作る際、灰の成分や、酸化、還元焼成によって、色の出方が、
微妙に変化します。 この件に関しては、後で説明する、予定です。
④ 木灰には、松、樫、楢(なら)、杉の他、栗皮(栗の実の皮でく、幹の皮です)、
橙(だいだい、その他の柑橘類)、椿など あらゆる木の灰が、釉の原料に成ります。
又、木や、草以外のコーヒ灰や、お茶の葉灰等、その他、作品にマヨネーズや、靴墨を塗っても、
それらが、燃えて灰に成ると、熔けて、釉の様に働きます。 即ち、燃えた「カス」の灰は、
どんな灰でも、多かれ少なかれ、ガラス質に成ります。
⑤ 自分で灰を作る
ご自分で、木や草を燃やし、灰を作る方もいますし、作ってみたい方も、多いと思います。
その方法について、述べます。
木灰を良く燃やし、灰化させ、乳鉢や、臼などで、細かくします。これを何度も、水に浸し、
上澄液を捨てて、水溶性のアルカリ分を、取り除きます。
更に、乾燥後、篩(ふるい)に掛けて、土砂や、不純物を取り除いてから、使います。
・ 但し、籾殻を配合して、乳濁釉を、作る場合には、あまり細かく、粉砕しない方が、気泡が発生し
乳白効果が上がると、言われています。
・ 灰を作るには、大量の木や藁が、必要です、更に燃やすと、大量の煙が出ます。
焼く場所など、環境問題にも成りますので、注意が必要です。
⑥ 合成灰について、
天然の灰は、変化が大きく、釉として、再現性に乏しいです。そこで、常に品質が一定に成る様に、
合成した、各種の灰(合成土灰、松灰、藁灰、いす灰、栗皮灰など)が、市販されています。
値段的にも、こちらの方が、安価で、容易に入手可能です。
・ 但し、メーカーによって、若干の差が有りますので、なるべく特定の物を、使う事を勧めます。
6) 長石について
以下次回に続きます。
灰について