7) 施釉の失敗事例。前回の続きです。
⑥ 釉を掛けの失敗例。
釉を掛ける際作品を破損する。生の釉は同じ様な色の物が多く間違え易い。施釉の際釉の中に
作品を落とす。流れ易い釉を厚く掛け過ぎ、棚板まで流れる。畳付きや底の釉を剥がし忘れる
蓋物の蓋が取れなくなる、又は蓋が合わない、その他色々な失敗があります。順次述べたいと
思います。
) 釉掛けの際、作品を破損する。素焼きまでは問題なかった物が、施釉する段で破損する
事が時々起こります。
a) 丼や鉢など容量の大きい作品(容器)に施釉する際、容器ごと釉の入っている器に
全て沈めて、内外一度に釉を掛ける事があります。その際、内側に入った釉を作品を
片手又は両手で持ち、斜めにして片側から釉を外に出します。完全に出し終えてから、
手板に載せます。十分な器の釉が抜けきらない内に作品を持ち上げると、釉の重みで
作品の縁が破損する事があります。特に口縁が薄造りの際には、注意が必要です。
b) 容器に作品をぶつけて破損する。
釉が入っている容器が小さい時、作品を中に入れる際や、中で動かしたりした場合に、
容器に作品をぶつけて、破損する場合があります。特に高台内に施釉する際、釉を波立た
せて、高台内に釉が掛かる様にする時は注意が必要です。
c) 高台のある作品は高台を持って施釉する事が多いです。
但し、高台が持ち易い形状に成っていないと、施釉途中で取り落とす事があります。
釉の入った器内で取り落とした場合には、水分があるので比較的破損する事はありま
せんが、それ以外の場所では、確実に破損します。又、施釉したばかりの作品は直ぐには
触る事は出来ません。手板などを使います。この手板で取り落とす事もあります。
手板に作品の底が2/3程度載れば安全です。更にこの手板をテーブルに載せる際にも、
注意が必要です。手板を持つ手がテーブルの外に出る状態で水平にして、テーブルの上を
滑らせて移動させます。
) 生の状態の釉は、同じ様な色の物が多いですので間違わない事です。
a) 鉄系の釉には、鉄分を弁柄(べんがら)から取る事が多く、黒天目釉、油滴天目釉、
黒マット釉、鉄赤釉、飴(あめ)釉、ソバ釉、柿天目、黄瀬戸釉、伊羅保釉などがあり
ます。慣れないと見分けが付きません。
b) 生の釉で白い釉には、透明釉、乳白釉、藁灰(わらばい)釉、白萩釉、白マット釉薬、
志野釉、その他があります。
c) 緑系の釉として、銅を使った、織部釉、青銅釉、青銅マット釉などがあります。
d) 釉が入ってい容器には、名前や名札が付いているはずですので、それを確認すれば、
間違える事は少ないはずです。間違い易いのは、同じ様な色の釉を同時に使う時で、
柄杓(ひしゃく)等に取った釉を元の容器に移す際に、間違って他の容器に戻して
しまう場合があります。
e) 多くの場合、施釉した直後に窯詰めする事は少ないです。窯入れ時まで、釉の種類を記憶
する事は難しいですから、記録を残しておきます。
施釉した作品の色は似たり寄ったりですので、必ず紙切れ等に名前を付けて、作品の内側
や側(そば)に置く事です。
) 作品全体に釉は掛けられません。即ち、棚板に接する部分には釉は塗れません。
a) 塗ってしまった場合、窯出し時に作品と棚板がくっつき、剥がすのに苦労します。
もし塗ってしまったら、ブラシ等で削り落とす必要があります。
撥水剤を塗って、釉が掛けられなくする方法もあります。
b) 底から数ミリ以内にも、釉は掛けられません。釉は高温で熔け流動性を持ちますので
大なり小なり釉が流れ落ち、棚板まで流れる恐れがます。それ故流動性のある釉では
5mm程度、他の作品では 2~3mm程度は、塗らない方が安全です。
以下次回に続きます。
⑥ 釉を掛けの失敗例。
釉を掛ける際作品を破損する。生の釉は同じ様な色の物が多く間違え易い。施釉の際釉の中に
作品を落とす。流れ易い釉を厚く掛け過ぎ、棚板まで流れる。畳付きや底の釉を剥がし忘れる
蓋物の蓋が取れなくなる、又は蓋が合わない、その他色々な失敗があります。順次述べたいと
思います。
) 釉掛けの際、作品を破損する。素焼きまでは問題なかった物が、施釉する段で破損する
事が時々起こります。
a) 丼や鉢など容量の大きい作品(容器)に施釉する際、容器ごと釉の入っている器に
全て沈めて、内外一度に釉を掛ける事があります。その際、内側に入った釉を作品を
片手又は両手で持ち、斜めにして片側から釉を外に出します。完全に出し終えてから、
手板に載せます。十分な器の釉が抜けきらない内に作品を持ち上げると、釉の重みで
作品の縁が破損する事があります。特に口縁が薄造りの際には、注意が必要です。
b) 容器に作品をぶつけて破損する。
釉が入っている容器が小さい時、作品を中に入れる際や、中で動かしたりした場合に、
容器に作品をぶつけて、破損する場合があります。特に高台内に施釉する際、釉を波立た
せて、高台内に釉が掛かる様にする時は注意が必要です。
c) 高台のある作品は高台を持って施釉する事が多いです。
但し、高台が持ち易い形状に成っていないと、施釉途中で取り落とす事があります。
釉の入った器内で取り落とした場合には、水分があるので比較的破損する事はありま
せんが、それ以外の場所では、確実に破損します。又、施釉したばかりの作品は直ぐには
触る事は出来ません。手板などを使います。この手板で取り落とす事もあります。
手板に作品の底が2/3程度載れば安全です。更にこの手板をテーブルに載せる際にも、
注意が必要です。手板を持つ手がテーブルの外に出る状態で水平にして、テーブルの上を
滑らせて移動させます。
) 生の状態の釉は、同じ様な色の物が多いですので間違わない事です。
a) 鉄系の釉には、鉄分を弁柄(べんがら)から取る事が多く、黒天目釉、油滴天目釉、
黒マット釉、鉄赤釉、飴(あめ)釉、ソバ釉、柿天目、黄瀬戸釉、伊羅保釉などがあり
ます。慣れないと見分けが付きません。
b) 生の釉で白い釉には、透明釉、乳白釉、藁灰(わらばい)釉、白萩釉、白マット釉薬、
志野釉、その他があります。
c) 緑系の釉として、銅を使った、織部釉、青銅釉、青銅マット釉などがあります。
d) 釉が入ってい容器には、名前や名札が付いているはずですので、それを確認すれば、
間違える事は少ないはずです。間違い易いのは、同じ様な色の釉を同時に使う時で、
柄杓(ひしゃく)等に取った釉を元の容器に移す際に、間違って他の容器に戻して
しまう場合があります。
e) 多くの場合、施釉した直後に窯詰めする事は少ないです。窯入れ時まで、釉の種類を記憶
する事は難しいですから、記録を残しておきます。
施釉した作品の色は似たり寄ったりですので、必ず紙切れ等に名前を付けて、作品の内側
や側(そば)に置く事です。
) 作品全体に釉は掛けられません。即ち、棚板に接する部分には釉は塗れません。
a) 塗ってしまった場合、窯出し時に作品と棚板がくっつき、剥がすのに苦労します。
もし塗ってしまったら、ブラシ等で削り落とす必要があります。
撥水剤を塗って、釉が掛けられなくする方法もあります。
b) 底から数ミリ以内にも、釉は掛けられません。釉は高温で熔け流動性を持ちますので
大なり小なり釉が流れ落ち、棚板まで流れる恐れがます。それ故流動性のある釉では
5mm程度、他の作品では 2~3mm程度は、塗らない方が安全です。
以下次回に続きます。