5) 焼き物に適する粘土適さない粘土とは。
粘土は自然界に存在していますので、その生成から考えて、粘土以外に種々の鉱物が混在してい
ます。粘土の定義は「粘着性を有する物で、微細な粒子の集合体である物。主に珪素、アルミニウム
鉄、アルカリ金属、アルカリ土金属、水分などの化学成分を持っている天然物」とされています。
又粘土自体にしても単一種類の場合は少なく、2種類以上の粘土から構成されている事が多いです
① 粘土以外の鉱物とは。
主な物に、石英、長石類、雲母類、鉄化合物(赤鉄鉱、磁鉄鉱、褐鉄鉱、硫酸鉄)チタン化合物
(ルチール等)、石灰石(ドロマイト)、マグネサイト、石膏、柘榴(ざくろ)石、電気石など
その他、有機質の不純物多もあり多種多様です。これら不純物の中には、種類によっては有害で
何らかの方法で除去しなければ、焼き物の粘土としては利用出来ない物もあえいます。
尚、当然ですが市販されてる粘土類は、この有害物質の除去作業が終わっている物ですので、
何ら心配ありません。
② 焼き物に適する粘土には、幾つかの条件を備えていなければ成りません。
ⅰ) 可塑性(かそせい)を有する事。
可塑性とは、一定の力を加えると変形し、そのままの変形を保持し続ける性質です。
可塑性を決定するのは、粘土成分中の粒子の細かさです。微細な粒子が多く存在する粘土で
微細な程可塑性が増します。一般に1μ(ミクロン)以下で有れば、可塑性が発生します。
(注:1μ = 1/1000mm です。)多くの可塑性粘土の粒子は1~0.1の範囲内にあります。
粒子の平均が0.55μの時、乾燥収縮は約7.8%程度で、乾燥強さは7.2kg/cm2(平方センチ)
程度です。(一般的な収縮率ですので、使用している粘土の平均粒度が予想されます。)
微粒子ほど乾燥後の機械的強度が強くなります。但し、この様な粘土は、保水量が多く、
乾燥収縮が大きくなります。乾燥後に「ひび割れ」を起こす粘土は焼き物に向きません。
ⅱ) 適度の温度範囲内で、焼き締まる事。
焼き締まる事で、水を通さ難くなります。即ち素地の中にガラス質を形成する長石などが
含まれていなければ成りません。焼き縮みを調整する物に、石英物質があります。
尚、粘土は加熱する事で、分解や他の物質に変化する等、複雑な加熱変化し、発熱や吸熱も
起こります。この温度曲線は粘土の種類によって異なりますので、粘土の産地や生成具合を
見分ける一助になっています。
ⅲ) 耐火度がある事。
粘土は加熱によって、多少は軟らかくなります。耐火度が低い粘土では、釉が熔ける以前や
焼き締まる前に、器形を保持できず、崩れ去る物もあります。単一で焼成する場合には、その
土に最適な温度を見出す事も可能かも知れませんが、色々な粘土が混在した状態では、焼き物
として不向きです。逆に耐火度が高い場合には、作品ではなく、窯道具などの制作に向いてい
ますので、それなりの利用価値があります。
ⅳ) 釉との相性が良く、釉が表面を綺麗に覆う事。
相性が悪いと、釉の捲れ(めくれ)や剥がれが発生します。これらは膨張係数の差や、粘土に
含まれるガス(気孔)、結晶水等と釉の曲げ強さ等の力関係による物と思われます。
釉が綺麗に発色するには、素地が滑らかで、絵付けを行う場合には、濃い色の土でない方が
適します。
以下次回に続きます。
粘土は自然界に存在していますので、その生成から考えて、粘土以外に種々の鉱物が混在してい
ます。粘土の定義は「粘着性を有する物で、微細な粒子の集合体である物。主に珪素、アルミニウム
鉄、アルカリ金属、アルカリ土金属、水分などの化学成分を持っている天然物」とされています。
又粘土自体にしても単一種類の場合は少なく、2種類以上の粘土から構成されている事が多いです
① 粘土以外の鉱物とは。
主な物に、石英、長石類、雲母類、鉄化合物(赤鉄鉱、磁鉄鉱、褐鉄鉱、硫酸鉄)チタン化合物
(ルチール等)、石灰石(ドロマイト)、マグネサイト、石膏、柘榴(ざくろ)石、電気石など
その他、有機質の不純物多もあり多種多様です。これら不純物の中には、種類によっては有害で
何らかの方法で除去しなければ、焼き物の粘土としては利用出来ない物もあえいます。
尚、当然ですが市販されてる粘土類は、この有害物質の除去作業が終わっている物ですので、
何ら心配ありません。
② 焼き物に適する粘土には、幾つかの条件を備えていなければ成りません。
ⅰ) 可塑性(かそせい)を有する事。
可塑性とは、一定の力を加えると変形し、そのままの変形を保持し続ける性質です。
可塑性を決定するのは、粘土成分中の粒子の細かさです。微細な粒子が多く存在する粘土で
微細な程可塑性が増します。一般に1μ(ミクロン)以下で有れば、可塑性が発生します。
(注:1μ = 1/1000mm です。)多くの可塑性粘土の粒子は1~0.1の範囲内にあります。
粒子の平均が0.55μの時、乾燥収縮は約7.8%程度で、乾燥強さは7.2kg/cm2(平方センチ)
程度です。(一般的な収縮率ですので、使用している粘土の平均粒度が予想されます。)
微粒子ほど乾燥後の機械的強度が強くなります。但し、この様な粘土は、保水量が多く、
乾燥収縮が大きくなります。乾燥後に「ひび割れ」を起こす粘土は焼き物に向きません。
ⅱ) 適度の温度範囲内で、焼き締まる事。
焼き締まる事で、水を通さ難くなります。即ち素地の中にガラス質を形成する長石などが
含まれていなければ成りません。焼き縮みを調整する物に、石英物質があります。
尚、粘土は加熱する事で、分解や他の物質に変化する等、複雑な加熱変化し、発熱や吸熱も
起こります。この温度曲線は粘土の種類によって異なりますので、粘土の産地や生成具合を
見分ける一助になっています。
ⅲ) 耐火度がある事。
粘土は加熱によって、多少は軟らかくなります。耐火度が低い粘土では、釉が熔ける以前や
焼き締まる前に、器形を保持できず、崩れ去る物もあります。単一で焼成する場合には、その
土に最適な温度を見出す事も可能かも知れませんが、色々な粘土が混在した状態では、焼き物
として不向きです。逆に耐火度が高い場合には、作品ではなく、窯道具などの制作に向いてい
ますので、それなりの利用価値があります。
ⅳ) 釉との相性が良く、釉が表面を綺麗に覆う事。
相性が悪いと、釉の捲れ(めくれ)や剥がれが発生します。これらは膨張係数の差や、粘土に
含まれるガス(気孔)、結晶水等と釉の曲げ強さ等の力関係による物と思われます。
釉が綺麗に発色するには、素地が滑らかで、絵付けを行う場合には、濃い色の土でない方が
適します。
以下次回に続きます。