萩は文禄二年(1593年)毛利輝元が朝鮮より、李勺光、李敬の兄弟を連れ帰り、萩城下に窯を築いた
のが最初とされ、主に茶陶を作っていました。現在では日常用器、茶器、観賞用陶が主な作品です。
主な産地は山口県萩市、長門市、山口市などにあり数十軒の窯元と、百数十軒の販売店があります。
萩焼土は、主に防府市の大道(だいどう)付近で採れる「大道土」が使われます。
大道土は、花崗岩が風化した砂土で、「パサツキ」感のある軟らかい土です。その為か、焼き締りが
弱く、汚れ易いとも言われています。「萩の七化け」と呼ばれるのも、使用するに従い、色や艶が
変化する事から付けられた言葉です。又、ほのかに赤味を持ち、時には青味、黄味を帯た柔らかく
温か味のある器に成っており、人気のあえる焼き物です。
1) 萩の土。
ⅰ) 大道土: 大道産で、ピンク色が出易い土です。
ⅱ) 萩土: 萩地方で産出する粘土です。
ⅲ) 赤萩土: 萩土に見島土を混入させた粘土です。
見島土とは: 山口県萩の沖に ある見島で採れる、鉄分の多い土。
ⅳ) 鬼萩粘土: 荒々しい粘土です。
ⅴ) 萩原土: 大道土の原土で、砂成分が多く含まれています。
ⅵ) 萩ピンク原土: 御本手が出易い粘土です。御本手とは、ピンク掛かった5~10mm程度の
丸味のある斑点が、器の表面に表れる現象です。
ⅶ) 萩金峰(みたけ)土: 萩焼の土の耐火度を高める土です。
ⅷ) 萩茶ワン土: 抹茶々碗向きの萩土の荒目粘土で、珪長石を含みます。
ⅸ) 鹿の子斑(まだら)粘土: 1180℃まで還元焼成し、その後酸化焼成すると良い。
御本手が出易い粘土です。
2) 唐津の土。
唐津焼きは、桃山時代の文禄、慶長の役の際、肥前の唐津に朝鮮の陶工を連れて帰った時を紀元
とする陶器の焼き物です。その際、蹴轆轤(蹴り轆轤)と呼ばれる作陶の技法と連房式の登窯
が伝えられ、制作スピードがあがり、一度に大量な作品が焼ける様になります。その為、茶器の
他日用雑器等の焼き物を作る九州の一大産地になります。
又、焼き物の呼び名も、関東では「瀬戸物」と呼ばれ、関西以西では「唐津物」と呼ばれいます。
江戸元禄時代には、三百余軒の窯業戸数がありましたが、現在では、五十数軒の窯元が存在する
そうです。
① 唐津土の特徴は砂目の土だと言われています。唐津の土は一箇所から大量に産出する事は少
なく方々から少しずつ産出するために、一定の品質に成らないとも言われてきました。
それ故、古唐津の土と現在の土は同じ物ではありません。焼き上がりにも違いが出来ます。
市販されている土も、唐津風にブレンドされた土と思われます。又、砂味がある為「ヒビ」
(貫入)が入り易い傾向があります。
ⅰ) 唐津土(細、中、荒目): 鉄分が比較的少なく、白く焼き上がる土です。
蹴轆轤用に適します。又、絵唐津の様に絵を描くと、絵柄が冴えます。
ⅱ) 唐津赤土: 唐津土で鉄分を多く含み、赤味掛かった灰色風に焼き上がる土です。
ⅲ) 唐津荒土白: 肌理の粗い「ざっくり」感のある土で、山から掘り出してきた土を、ほとん
ど手を加えずに使う場合もあります。やや轆轤挽きが難しい場合には、手捻りで使う人もい
ます。例: 唐津の叩き壷など。
ⅳ) 唐津荒土赤: 上記の土に赤土が混入した土です。
以下次回に続きます。
のが最初とされ、主に茶陶を作っていました。現在では日常用器、茶器、観賞用陶が主な作品です。
主な産地は山口県萩市、長門市、山口市などにあり数十軒の窯元と、百数十軒の販売店があります。
萩焼土は、主に防府市の大道(だいどう)付近で採れる「大道土」が使われます。
大道土は、花崗岩が風化した砂土で、「パサツキ」感のある軟らかい土です。その為か、焼き締りが
弱く、汚れ易いとも言われています。「萩の七化け」と呼ばれるのも、使用するに従い、色や艶が
変化する事から付けられた言葉です。又、ほのかに赤味を持ち、時には青味、黄味を帯た柔らかく
温か味のある器に成っており、人気のあえる焼き物です。
1) 萩の土。
ⅰ) 大道土: 大道産で、ピンク色が出易い土です。
ⅱ) 萩土: 萩地方で産出する粘土です。
ⅲ) 赤萩土: 萩土に見島土を混入させた粘土です。
見島土とは: 山口県萩の沖に ある見島で採れる、鉄分の多い土。
ⅳ) 鬼萩粘土: 荒々しい粘土です。
ⅴ) 萩原土: 大道土の原土で、砂成分が多く含まれています。
ⅵ) 萩ピンク原土: 御本手が出易い粘土です。御本手とは、ピンク掛かった5~10mm程度の
丸味のある斑点が、器の表面に表れる現象です。
ⅶ) 萩金峰(みたけ)土: 萩焼の土の耐火度を高める土です。
ⅷ) 萩茶ワン土: 抹茶々碗向きの萩土の荒目粘土で、珪長石を含みます。
ⅸ) 鹿の子斑(まだら)粘土: 1180℃まで還元焼成し、その後酸化焼成すると良い。
御本手が出易い粘土です。
2) 唐津の土。
唐津焼きは、桃山時代の文禄、慶長の役の際、肥前の唐津に朝鮮の陶工を連れて帰った時を紀元
とする陶器の焼き物です。その際、蹴轆轤(蹴り轆轤)と呼ばれる作陶の技法と連房式の登窯
が伝えられ、制作スピードがあがり、一度に大量な作品が焼ける様になります。その為、茶器の
他日用雑器等の焼き物を作る九州の一大産地になります。
又、焼き物の呼び名も、関東では「瀬戸物」と呼ばれ、関西以西では「唐津物」と呼ばれいます。
江戸元禄時代には、三百余軒の窯業戸数がありましたが、現在では、五十数軒の窯元が存在する
そうです。
① 唐津土の特徴は砂目の土だと言われています。唐津の土は一箇所から大量に産出する事は少
なく方々から少しずつ産出するために、一定の品質に成らないとも言われてきました。
それ故、古唐津の土と現在の土は同じ物ではありません。焼き上がりにも違いが出来ます。
市販されている土も、唐津風にブレンドされた土と思われます。又、砂味がある為「ヒビ」
(貫入)が入り易い傾向があります。
ⅰ) 唐津土(細、中、荒目): 鉄分が比較的少なく、白く焼き上がる土です。
蹴轆轤用に適します。又、絵唐津の様に絵を描くと、絵柄が冴えます。
ⅱ) 唐津赤土: 唐津土で鉄分を多く含み、赤味掛かった灰色風に焼き上がる土です。
ⅲ) 唐津荒土白: 肌理の粗い「ざっくり」感のある土で、山から掘り出してきた土を、ほとん
ど手を加えずに使う場合もあります。やや轆轤挽きが難しい場合には、手捻りで使う人もい
ます。例: 唐津の叩き壷など。
ⅳ) 唐津荒土赤: 上記の土に赤土が混入した土です。
以下次回に続きます。