わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問29 灰汁(アク)抜き後の灰の再利用に付いて。

2017-02-21 22:12:26 | 質問、問い合わせ、相談事
「オカ様」より以下のご質問を頂ました。

 釉薬について質問させて下さい。

 木の実のアク抜きに、木灰を使用するのですが、アク抜き後の灰は廃棄します。

 アク抜きの方法を簡単に説明しますと、木灰に熱湯を注ぎ、そこに木の実を入れ、混ぜ合わせ

 中和させます。数日後に灰から木の実を取り出します。

 釉薬の作り方を紹介しているサイトでは、木灰を何度も水洗いし不純物の取れた灰を、釉薬として

 使用する、というような内容でした。

 質問内容は、アク抜き後に廃棄する灰を、水洗いして釉薬として使用することは可能でしょうか。

 焼き物や釉薬について全く知識がありませんので、素人の発想で申し訳ないのですが、ご意見を

 聞かせ頂ければ有り難いです。宜しくお願い致します。


 ◎ 明窓窯より

  「結論から先に述べると、灰汁抜き後の灰を処理すれば使用可能です。」

  
  木の実や野菜類の灰汁(アク)には、炭酸カリウムやシュウ酸化合物、マグネシウム化合物、

  ある種のアルカロイドや有害物等を含むことが多く、渋味や苦味などの成分を含み、体に良く

  有りませんので、これらを食す際には取り除く必要があります。

  但し、結石の原因になるシュウ酸は茹でる事で、水に溶け出します。

 1) 木の実に使用した灰には、木の実から出た有機物やその他の不純物が、多く含まれている

  はずです。一般の灰は高温で焼成した結果生成された物質ですので、有機物などは燃え尽きて

  います。 それ故、灰汁抜き後の灰をそのまま利用するのは、問題がありそうです。

 2) 釉として使う場合には、新しい真水や熱湯に晒し、水溶性のアルカロイド等の有機物を

  取り除く必要があります。良く晒した後は天日干などで、十分乾燥させます。

 3) 更に高温で焼成し、燃焼性の不純物を取り除きます。

  簡単なのは、素焼きの際、一緒に窯で焼成する事です。粉末状態にし、更に篩(ふるい)に掛け

  て、燃えカスや塊を取り除きます。勿論、灰は本焼きで焼成すると「ガラス質」に成ってしまい

  ますので、くれぐれも行ってはいけません。

 4) 最初に投入した灰と、灰汁抜き後の灰では、別の成分が付加されますので、全く同じ性質の

  灰と言う訳には行きません。それ故、特異の性質を持つ灰(鉄分の少ない灰や独特な発色など)

  として釉に利用している場合、灰の成分の違いで異なる効果(発色)に成りますので、注意が

  必要です。土灰(雑木の灰)の様に利用すれば、十分利用価値があります。


以上 参考にして頂ければ幸いです。疑問や不明な点が有りましたら、再度質問して下さい。

コメント
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