作品の土台(底部)を作り、その周囲に紐を巻いて高さを出して形作るのが一般的な方法です
1) 紐を巻き(積み)上げる。(この件に付いては、以前お話しましたが再度記します。)
2) 作品に取り掛かる。
(以上が前回までの話です。)
3) 仕上げ作業。
仕上げ作業はどんな作品でも行う事で、より良い作品を作る事ができます。例え荒々しい
作品であっても、それに見合った仕上げを行わないと、望んだ作品にはなりません。
手捻りの仕上げ作業とは、形を完成させると共に、表面の質感を調整したり、全体の重み
等を調整し、全体の調和を保ち完成度を上げる事です。
① 形の完成。
ⅰ) 全体の形を見て、予定通りの形に成っているかを確認します。
見る際には四方八方、場合によっては上下方向からも観察します。手回し轆轤上に
置いて回転を掛けると、よりハッキリ見る事ができます。
尚、作品に高台を設けるならば、削りか付け高台になります。削り高台であれば、
底に削り代を残しておかなければ成りません。付け高台の特徴は好みの形に出来、
高さも自由に決められる事です。本体が完成したらなるべく速く取り付けると、
全体の形が見え、接着も巧くできます。
ⅱ) 縦横高さの寸法が所定の範囲内に収まっている事。当然、当初の予定と異なる
事は普通に起こる事ですので、その大きさで満足されるならば、必ずしも補修する
必要はありません。
若し過不足があれば、削り取るか土を足す(肉を盛ると言います)事に成ります。
ⅲ) 削る道具は鉋(カンナ)等の刃物を使います。
但し、削る場所によって刃物の形状を選択しないと、巧く削る事が出来ません。
肉を盛るときには、良く張り付く様に「ドベ」等接着効果のある物を使用すると
安全です。仕上げの段階になると、素地の乾燥も進んでいますので、切れる刃物
(良く研いだ)の方が効率が良く成ります。それ故刃物類は常に切れる状態にして
おく事が望ましいです。
② 肉厚を調整する。
ⅰ) 作品には丁度良いと感じられる重さがあります。重過ぎる作品は取扱いが面倒
ですし、軽過ぎる場合には、貧弱に見える場合もあります。重みは当然、作品の肉厚
に大きく関係してきます。仕上げの際には、肉厚を薄くする方向で作業を行う事が
多いです。多くの場合肉が厚い部分は底又は腰の部分です。土を積み上げる為、
どうしても一定の厚みが必要ですが、乾燥が進んだ状態では、機械的強度が増し
不必要になります。
ⅱ) 外側を削ると作品の形がどんどん変化してしまいます。それ故、内側が削る事が
可能であれば、内側のみを削り肉厚を薄くします。又、口径が小さく内側を削る事が
困難な場合には、口径が狭くならない出来るだけ速い段階で、肉厚を調整しておきます
③ 作品の表面を整える。
ⅰ) 作品の表面は必ずしも平滑とは限りません。又、手捻りの特徴を出す為、あえて
指跡を残す場合もあります。更に、表面に模様を入れたりする場合もあります。捺印や
竹箆(ヘラ)等で表面を荒らす場合には、素地が軟らかい方が作業し易いですが、刃物
を使う場合はある程度乾燥が進んだ方が作業がはかどります。それ故、作品の表面を
好みの様子に決めます。
但し、食器の様に実用に供する場合、少なくとも内側は平滑にしておくと、食器の汚れ
も少なくなり、食器洗いも容易になります。作品によっては、突起物が付く場合もあり
ます。作品を手に持って使用したり、持ち運ぶ場合に指などに怪我をさせると問題です
ので、出来るだけ先端の尖った形状は避けるべきです。
ⅱ) ある程度広い面積を平滑にするには、「コテ」類が便利です。
多くの食器類の内側(又は上側)は、平滑の場合が多いです。この様な時ある面積を
押さえ込める「コテ」を使います。「コテ」には丸みを帯びた「丸コテ」形と、平面
全体を押さえる「平コテ」があります。「丸コテ」は使う場所によって丸いカーブが
変わるユニバーサル形の木製の物が市販されています。特殊なカーブの物は、ご自分
で作る事も可能です。この「コテ」類を利用すると、表面を綺麗なカーブを作る事が
できます。
ⅲ) 作品の口縁を綺麗に仕上げる。
作品の口縁は、作品の中でも一番目立つ場所の一つです。更に作品の断面は口縁に
現れます。
この口縁の形や肉厚は、作品の良し悪しを決める重要な役割を持ちますので、綺麗で
丁寧に仕上げる必要があります。その為にも、水で濡らした「なめし皮」で綺麗に
拭き仕上げます。
以下次回に続きます。
1) 紐を巻き(積み)上げる。(この件に付いては、以前お話しましたが再度記します。)
2) 作品に取り掛かる。
(以上が前回までの話です。)
3) 仕上げ作業。
仕上げ作業はどんな作品でも行う事で、より良い作品を作る事ができます。例え荒々しい
作品であっても、それに見合った仕上げを行わないと、望んだ作品にはなりません。
手捻りの仕上げ作業とは、形を完成させると共に、表面の質感を調整したり、全体の重み
等を調整し、全体の調和を保ち完成度を上げる事です。
① 形の完成。
ⅰ) 全体の形を見て、予定通りの形に成っているかを確認します。
見る際には四方八方、場合によっては上下方向からも観察します。手回し轆轤上に
置いて回転を掛けると、よりハッキリ見る事ができます。
尚、作品に高台を設けるならば、削りか付け高台になります。削り高台であれば、
底に削り代を残しておかなければ成りません。付け高台の特徴は好みの形に出来、
高さも自由に決められる事です。本体が完成したらなるべく速く取り付けると、
全体の形が見え、接着も巧くできます。
ⅱ) 縦横高さの寸法が所定の範囲内に収まっている事。当然、当初の予定と異なる
事は普通に起こる事ですので、その大きさで満足されるならば、必ずしも補修する
必要はありません。
若し過不足があれば、削り取るか土を足す(肉を盛ると言います)事に成ります。
ⅲ) 削る道具は鉋(カンナ)等の刃物を使います。
但し、削る場所によって刃物の形状を選択しないと、巧く削る事が出来ません。
肉を盛るときには、良く張り付く様に「ドベ」等接着効果のある物を使用すると
安全です。仕上げの段階になると、素地の乾燥も進んでいますので、切れる刃物
(良く研いだ)の方が効率が良く成ります。それ故刃物類は常に切れる状態にして
おく事が望ましいです。
② 肉厚を調整する。
ⅰ) 作品には丁度良いと感じられる重さがあります。重過ぎる作品は取扱いが面倒
ですし、軽過ぎる場合には、貧弱に見える場合もあります。重みは当然、作品の肉厚
に大きく関係してきます。仕上げの際には、肉厚を薄くする方向で作業を行う事が
多いです。多くの場合肉が厚い部分は底又は腰の部分です。土を積み上げる為、
どうしても一定の厚みが必要ですが、乾燥が進んだ状態では、機械的強度が増し
不必要になります。
ⅱ) 外側を削ると作品の形がどんどん変化してしまいます。それ故、内側が削る事が
可能であれば、内側のみを削り肉厚を薄くします。又、口径が小さく内側を削る事が
困難な場合には、口径が狭くならない出来るだけ速い段階で、肉厚を調整しておきます
③ 作品の表面を整える。
ⅰ) 作品の表面は必ずしも平滑とは限りません。又、手捻りの特徴を出す為、あえて
指跡を残す場合もあります。更に、表面に模様を入れたりする場合もあります。捺印や
竹箆(ヘラ)等で表面を荒らす場合には、素地が軟らかい方が作業し易いですが、刃物
を使う場合はある程度乾燥が進んだ方が作業がはかどります。それ故、作品の表面を
好みの様子に決めます。
但し、食器の様に実用に供する場合、少なくとも内側は平滑にしておくと、食器の汚れ
も少なくなり、食器洗いも容易になります。作品によっては、突起物が付く場合もあり
ます。作品を手に持って使用したり、持ち運ぶ場合に指などに怪我をさせると問題です
ので、出来るだけ先端の尖った形状は避けるべきです。
ⅱ) ある程度広い面積を平滑にするには、「コテ」類が便利です。
多くの食器類の内側(又は上側)は、平滑の場合が多いです。この様な時ある面積を
押さえ込める「コテ」を使います。「コテ」には丸みを帯びた「丸コテ」形と、平面
全体を押さえる「平コテ」があります。「丸コテ」は使う場所によって丸いカーブが
変わるユニバーサル形の木製の物が市販されています。特殊なカーブの物は、ご自分
で作る事も可能です。この「コテ」類を利用すると、表面を綺麗なカーブを作る事が
できます。
ⅲ) 作品の口縁を綺麗に仕上げる。
作品の口縁は、作品の中でも一番目立つ場所の一つです。更に作品の断面は口縁に
現れます。
この口縁の形や肉厚は、作品の良し悪しを決める重要な役割を持ちますので、綺麗で
丁寧に仕上げる必要があります。その為にも、水で濡らした「なめし皮」で綺麗に
拭き仕上げます。
以下次回に続きます。