前回は楕円の作り方を紹介しましたが、それ以外に、真円でない作品を作る事が
できます。但し轆轤挽した後、何らかの方法で、外から力を加え、変形させる方法を
とるやり方です。
1)平皿を変形させる。
① 花皿を作る。
平皿の縁を内側に立ち上げ、縁に高低差を設け、円周方向にも内外差を設け、
花びらの感じを出す方法です。
例えば、等間隔に五か所を立ち上げれば、梅の花の様になります。
立ち上げる数や、その形に大小や高低を変化させれば、花びらの様子も変化し
ます。立ち上げるには、轆轤挽直後に指や棒状の物で、外側から内側へ折り
返す様にします。細い棒(なるたけ円形な物)では押した部分が小さく鋭く
なりますが、太くて滑らかなカーブを持つもので、押さえれば柔らかい感じに
なります。
尚、轆轤挽後に若干乾燥させれば、作品は硬い感じになり、轆轤挽き直後で
あれば、形がしっかりしませんが、その分柔らかい感じになります。
棒等の用具を使うと、折り返した際に棒等の痕が残りますが、綺麗になくして
も良く、そのまま残す場合もあります。
② ハート型の平皿や小鉢を作る。
真円に轆轤挽した作品の一か所を内側に立ち上げればハート形の平皿や小鉢を
作る事ができます。更に立ち上げた真反対側を、左右から押し付け、やや
尖った形に変形すれば、より綺麗なハート型に成ります。
③ 多角形の皿や鉢を作る。
真円の皿や鉢の縁を(不)必要な枚数を切り取ります。切り取る角度は自由に
設定できます。切り取る場合直線でも曲線(弓なり)良いのですが、出来上が
りの雰囲気は異なります。又隣同士の切り口を合わせて、鋭角にしたり、
縁の円の一部を残す場合もあります。更に切り取る量に変化を持たせる事に
より、動的な動きを出す事も可能です。切り取る形も左右対称形でない方が
より動きが出易いです。
④ 花びら風に縁の一部を切り取る。
例えば、真円の縁を数枚ハート型に切り取り、桜の花の様にする事もできます
切り取る量を大きくすると、皿として十分広く取れなくなりますので、注意が
必要です。勿論大皿であれば、気にする必要の無い事項です。
⑤ 皿や鉢の一部のみを持ち上げる(変形させる)方法もあります。
円周の一部を立ち上げ、持ち易い形状にした器を見る事も有ります。
実用的だけで無く、デザイン的要素を取り入れてた、器にする事も可能です。
⑥ その他の注意事項。
ⅰ) 縁を持ち上げる際、底の近くから変形させれば、皿の中央付近か変形しま
す。縁の近辺から変形すれば、器の中央部分は、丸皿同様に平らで広い面積
を得る事ができます。どちらかにするかわ、作り手のセンスに拠ります。
ⅱ) 底削りの必要な作品は、縁に高低差がありますので、直に轆轤上では削り
難いですので、シッタ(湿台)を使う必要があります。
ⅲ) 同型の平皿を作るのは難しい事と、各々重ね難いですので、収納し難い
事です。尚同型で重ね易い器を作るには、型(土製や木型)が必要です。
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