ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

ぶどうの香り

2020-10-02 15:05:45 | 日記

10月は実りの秋。そして食欲の秋・・・ということで、ぶどう狩りへ行ってきた。

 

実は、私はぶどうが大好き。

ぶどうの味はもちろんのこと香りも好きで、どこからかぶどうの香りが漂ってきたら思わず深呼吸してしまう。

当然ぶどう狩りでもスーハ―スーハ―してきたのだが、制限時間が一時間しかないので、今回は香りを楽しむより味を楽しもうとお腹いっぱい食べてきた。

ところでぶどうの香りが好きではあるのだが、実はそれは私にとって、心の奥のかすかな痛みと悲しみの感情を呼び起こす香りでもある。

最近のヒット曲(香水)にもあるように、匂いによって過去の感情や記憶が呼び起こされるということはよくあることだが、これは嗅覚が脳の中の扁桃体と海馬という記憶と感情を処理する部位に接続されているためだそうだ。

義母や父の介護している時に、嗅覚の衰えは認知症の疑いがあると聞いたことがあったが、今更ながらこのことだったのかと納得している。

ところで、ぶどうの香りを嗅ぐと感じる痛みと悲しみの感情は、やはり私自身の過去の思い出と関係している。

楽しみにしていた初めての子どもが流産だと分かった日、病院から帰る途中に立ち寄ったお店でぶどうの香りがしていた。

甘いぶどうの香りに吐き気をおぼえて、お腹の中の子はもう生きていないのにつわりがまだあることが、とても悲しかったという記憶・・・それがぶどうの香りを嗅ぐと、心の痛みと悲しみという感情がよみがえってくるということなのだろう。

しかし、今はもうぶどうの香りを嗅いでも痛みや悲しみを感じることはない。

それは流産してしまった子の供養を自らの手でしたことによって、ぶどうの香りを嗅ぐと必ず呼び覚まされていた負の感情が浄化したからだと思う。

それをしていなければ、今もまだぶどうの香りに苦い感情を思い出していたかもしれない。

ところでぶどうの香り以外にも、まだ過去の思い出が甦ってくる香りがある。

それは、ある香水のかおり。

ヒット曲では「ドルチェアンドガッバーナ」という香水が出てくるが、私の場合はタクティクスの香りが記憶を甦らせる。

タクティクスは40年以上前に出た男性用のコロンだが、人気があって女性も好んでつけていた。

当時短大に入ったばかりで、ちょっと大人になったような気持ちで初めてコロンを買ってつけたのがタクティクスだった。

だからタクティクスの香りを嗅ぐと(今はもう嗅ぐこともないけど)楽しかった学生時代のワンシーンをなつかしく思い出す。

まだまだ記憶を呼び起こす香りがあるのだが、長くなるのでこのあたりでやめておこうと思う。

とにかく良い思い出が甦ってくる香りはいいのだけど、もしも負の感情が甦ってくる香りは、それを嗅いでも何とも思わなくなるように自分の手で変えることができる。

やり方はいろいろあるのでしょうが、香りに限らずたまに甦る同じような負の感情は、早めに手放した方がよいとは最近よく思っていることだ。

 


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