今年は大きな地震があった為か、ニュースなどで紅葉の話題を耳にすることが無いような気がする。
もしや、紅葉まだとか?
いやいや、そんなはずはない。
気が付けば裏山の木々は赤や黄色に彩られ、我が家の玄関前の歩道は街路樹や裏山から飛んで来た落ち葉で黄色のじゅうたんが出来上がっている。
例年ならば、落ち葉の掃除はお姑さんが引き受けてくれていたのだが、お姑さんが施設に入ったので、今年からは私がやらなければいけない。
それにしても私は、お姑さんと同居するまで、家の周囲の落ち葉など気にすることはほとんど無かった。
落ち葉が積もり積もってから、やっと「これは少しやらないといけないかな」と重い腰を上げて掃除をするくらいで、毎日のように落ち葉の掃除をするなど考えもしていなかった。
とは言え、落ち葉のあるなしに関係なく、昔の方は毎日のように家の前を箒で掃除していらっしゃったように思う。
30年ほど前、まだ新婚だった頃に住んでいたアパートの大家さんもまた、毎日アパート前の道を箒できれいに掃除されていた。
当時、私は子供もいなかったので週に何日か仕事をしていたのだが、朝出かける時に、かなりの高い確率で箒を持った大家さんと顔を合わせた。
そして、会うと必ず大家さんは言った。
「お出かけですか~?」
箒を持って「お出かけですか~」が決まり文句だったので、私は密かに「レレレのおばさん」と呼んでいた。
でも、とてもいい大家さんで私が仕事で遅くなることがあるのを知って、「多めに作ったから食べて」とおかずを持ってきてくれることがあった。
まだ料理のレパートリーも少なくて手際の悪い私には、持ってきてくれた大家さんのおかずが大助かりだった。
だからそのお礼に雪が降ると、私が大家さんに代わって雪かきをしてあげたのだが、それをまた大家さんは大そう喜んで下さって、おかずを持って来てくれた。
決して、おかず目当ての下心で雪かきをしたわけではなく、純粋に大家さんの作るおかずが美味しかっただけで、雪かきをすればまた持って来てくれるかな~と思っただけだったのだが・・・
(完全に下心がある)
こんなことを書いていたら、大家さんはお元気だろうかと懐かしく思い出してしまった。
お元気ならば、お姑さんと同じ90代になっているだろうと思う。
さて、お姑さんもまた毎日のように家の前をきれいに掃いていた。
これが落ち葉の季節になったものなら、日に何度も掃除をするのに外へ出た。
だから我が家の前は、いつも葉っぱ一枚落ちていないほど綺麗になっていたのだが、心配は見知らぬ人に誰彼となく声をかけることだった。
(ここにもレレレのおばさんがいたー!)
見知らぬ人に挨拶だけなら良いのだが、たまに家の中に入れてお茶を飲ませていることがあった。
きっと昔はこのようなつき合いは、よくあることだったのかもしれない。
しかし現代はやはり心配であり、そのほとんどの方はよい方なのだろうが、万が一ということもあるので、見知らぬ人を部屋に上げないように注意していた。
実際に一度、当時ニュースにもなっていた貴金属の下取りをすると言う若い男性がお姑さんの部屋にいて驚いたことがある。
そんなわけでお姑さんに落ち葉の掃除をしてもらうのはありがたいものの、交友関係にも目配りをしなければいけないのがやや大変でもあった。
しかし今年からは、いつも葉っぱ一枚落ちていないほど家の前を綺麗にしてくれたお姑さんがいなくなった。
昔の私ならば、それほど落ち葉を気にかけていなかったのに、今は落ち葉がたまる前にいそいそと箒を持って掃除をしている。
年月が経って、いつの間にか私もレレレのおばさんになってしまったかもしれない。
悲しいような、嬉しいような・・・複雑な心境。
もしや、紅葉まだとか?
いやいや、そんなはずはない。
気が付けば裏山の木々は赤や黄色に彩られ、我が家の玄関前の歩道は街路樹や裏山から飛んで来た落ち葉で黄色のじゅうたんが出来上がっている。
例年ならば、落ち葉の掃除はお姑さんが引き受けてくれていたのだが、お姑さんが施設に入ったので、今年からは私がやらなければいけない。
それにしても私は、お姑さんと同居するまで、家の周囲の落ち葉など気にすることはほとんど無かった。
落ち葉が積もり積もってから、やっと「これは少しやらないといけないかな」と重い腰を上げて掃除をするくらいで、毎日のように落ち葉の掃除をするなど考えもしていなかった。
とは言え、落ち葉のあるなしに関係なく、昔の方は毎日のように家の前を箒で掃除していらっしゃったように思う。
30年ほど前、まだ新婚だった頃に住んでいたアパートの大家さんもまた、毎日アパート前の道を箒できれいに掃除されていた。
当時、私は子供もいなかったので週に何日か仕事をしていたのだが、朝出かける時に、かなりの高い確率で箒を持った大家さんと顔を合わせた。
そして、会うと必ず大家さんは言った。
「お出かけですか~?」
箒を持って「お出かけですか~」が決まり文句だったので、私は密かに「レレレのおばさん」と呼んでいた。
でも、とてもいい大家さんで私が仕事で遅くなることがあるのを知って、「多めに作ったから食べて」とおかずを持ってきてくれることがあった。
まだ料理のレパートリーも少なくて手際の悪い私には、持ってきてくれた大家さんのおかずが大助かりだった。
だからそのお礼に雪が降ると、私が大家さんに代わって雪かきをしてあげたのだが、それをまた大家さんは大そう喜んで下さって、おかずを持って来てくれた。
決して、おかず目当ての下心で雪かきをしたわけではなく、純粋に大家さんの作るおかずが美味しかっただけで、雪かきをすればまた持って来てくれるかな~と思っただけだったのだが・・・
(完全に下心がある)
こんなことを書いていたら、大家さんはお元気だろうかと懐かしく思い出してしまった。
お元気ならば、お姑さんと同じ90代になっているだろうと思う。
さて、お姑さんもまた毎日のように家の前をきれいに掃いていた。
これが落ち葉の季節になったものなら、日に何度も掃除をするのに外へ出た。
だから我が家の前は、いつも葉っぱ一枚落ちていないほど綺麗になっていたのだが、心配は見知らぬ人に誰彼となく声をかけることだった。
(ここにもレレレのおばさんがいたー!)
見知らぬ人に挨拶だけなら良いのだが、たまに家の中に入れてお茶を飲ませていることがあった。
きっと昔はこのようなつき合いは、よくあることだったのかもしれない。
しかし現代はやはり心配であり、そのほとんどの方はよい方なのだろうが、万が一ということもあるので、見知らぬ人を部屋に上げないように注意していた。
実際に一度、当時ニュースにもなっていた貴金属の下取りをすると言う若い男性がお姑さんの部屋にいて驚いたことがある。
そんなわけでお姑さんに落ち葉の掃除をしてもらうのはありがたいものの、交友関係にも目配りをしなければいけないのがやや大変でもあった。
しかし今年からは、いつも葉っぱ一枚落ちていないほど家の前を綺麗にしてくれたお姑さんがいなくなった。
昔の私ならば、それほど落ち葉を気にかけていなかったのに、今は落ち葉がたまる前にいそいそと箒を持って掃除をしている。
年月が経って、いつの間にか私もレレレのおばさんになってしまったかもしれない。
悲しいような、嬉しいような・・・複雑な心境。