ここ数ヶ月間で急激に弱った実父だが、ケアマネージャーさんをはじめ、高齢者住宅で介護にかかわって下さっているスタッフの方々が集まって、父の介護の見直しについての話し合いをしたのが先月のことだった。
もう一人で歩くこともできず、車椅子になることは明らかだった。
行く度に弱っていく父を、なんとかしてやれないものかと歯がゆい気持ちが募るばかりだったが、すでにリハビリをするような体力はなく、「それよりも日常生活の中で、すこしでも起きている時間を増やすことがリハビリ」とおっしゃったリハビリ担当の先生のお話にやや落ち込んだ。
会議があったのはちょうど夏の暑い盛りであり、私が気になったのは水分補給だった。
父はもう自分で冷蔵庫から飲み物を出して飲むなんてことはできないし、それより何より目の前に水があってものどが渇くという感覚が鈍くなっているのか、自らすすんで飲もうとはしなかった。
ヘルパーさんにそのことを聞いてみると「たしかに・・・三度の食事の時はコップ1杯の水を飲んでもらっているのですが、自室に戻ったら飲んでいないですね」とのことだった。
暑い時期に一日コップ3杯だけの水というのは少なすぎるのではないかと思った。
その辺りのことをなんとかして欲しいとケアマネージャーさんに相談したのだが、「高齢者住宅というシステムは介護のついているアパートみたいなものなので、自室では本人の責任になってしまいますね」となんとも頼りない返事だった。
ヘルパーさんには掃除と洗濯をお願いしているだけなので、特別養護老人ホームのように水分補給までやってもらうことはできなかったし、日中は起こしておいてもらうといっても、ずっと父に付いていてもらうなんて無理だと分かっていた。
ましてや、今はどこの介護施設もそうだが人手不足。
きめ細やかなサービスは望めないのだろうか・・・
水分補給を含めて、父の身体の機能を維持する方法など、なにか手立てはないのだろうか・・・
ケアマネージャーさんに言っても、上記のような返事が返ってくるばかりで、なんともすっきりとしない気持ちのまま「やっぱりほかの施設に変わったほうがいいかもしれない」と思いながら会議が終わった。
部屋に戻り、相変わらずベッドに横たわっている父のそばに座っていたら、ひとりのヘルパーさんがやってきた。
さきほどの会議に出席してくれたヘルパーさんだった。
「会議の間、私ずっと言いたかったことがあるんです。
それはお父さんをこのままにしていてはいけないんじゃないかってことです。
このままではますます弱るばかりだと思います」
そうおっしゃるヘルパーさんは、毎日父の様子を見ていて、家族である私よりも父の様子を知っている方だった。
「今更こんなことをお伝えすると、ケアマネージャーさんに叱られそうですが、複合型サービスをしているデイサービスに行かれるとよいと思います」とおっしゃった。
そういえば会議中、このヘルパーさんが「複合型・・・」と言いかけて急に口をつぐんだのが気になって「なんですか?それは」と私が聞いたのだった。
しかし、ほかの方が話し始めて、結局そのヘルパーさんが話の続きをすることはなかった。
「さっき話をやめたのは、ある方に睨まれたから・・・
よけいなことは言わないようにしようと思ったんですけど、でもやっぱりお父さんのことを思ったらご家族に情報としてお話したほうがよいと思ったんです」
ヘルパーさんが教えてくれた複合型のデイサービスとは、看護師さん、ヘルパーさんなどが常に複数常駐していて、ほかのデイサービスでは過ごすことのできない重度の高齢者も受け入れをしてくれるのだという。
常に介護のプロの目が複数あるので、水分補給はもちろん日中だれもいない部屋で過ごすのとは違って、家族も安心してお任せすることができる。
ヘルパーさんに教えていただいた複合型の事業所は、その日のうちにすぐ見学をし、そして父をお願いすることを即決した。
父が通うという形なので、慣れた高齢者住宅にはそのまま住み続けるので、父にとっても負担がない。
教えて下さったヘルパーさんにはお礼を言って、もちろん誰に教えてもらったなどとは一切言わず、複合型に行くことをケアマネージャーさんに伝えた。
そして今、父は複合型のデイサービスに毎日通っている。
ヘルパーさんによると「起きたくない。行かない」と駄々はこねるものの、いざデイサービスに行くとトロ~ンとした目がぱっちりおめめになって、食欲も旺盛になり声も出るようになった。
父の病気、レビー小体型認知症は体調の波があるのが特徴なので、たまたま調子が良い日がつづいているのかもしれない。
しかし、やはり複数の目があるということが何より安心できる。
またいつも一人の部屋で寝ているだけだった父にとっても、周囲に人がいることが良い刺激になっているような気もする。
それにしても、気になるのはヘルパーさんのおっしゃった「睨まれたので、話をやめた」とのこと。
事業所内でなにか利害関係でもあるのかと思ったが、「ないです」とのことだったが・・
結果オーライなので、それはいいか・・・
介護に関しては、情報は多いほうがいいとあらためて思う。
何も分からない家族にとって、ケアマネージャーさんの情報は頼りの綱的なものがあるので、やはりケアマネージャーさんは常に勉強してほしいと思う。
そしてヘルパーもですね!
ハイ、私のことです・・・
もう一人で歩くこともできず、車椅子になることは明らかだった。
行く度に弱っていく父を、なんとかしてやれないものかと歯がゆい気持ちが募るばかりだったが、すでにリハビリをするような体力はなく、「それよりも日常生活の中で、すこしでも起きている時間を増やすことがリハビリ」とおっしゃったリハビリ担当の先生のお話にやや落ち込んだ。
会議があったのはちょうど夏の暑い盛りであり、私が気になったのは水分補給だった。
父はもう自分で冷蔵庫から飲み物を出して飲むなんてことはできないし、それより何より目の前に水があってものどが渇くという感覚が鈍くなっているのか、自らすすんで飲もうとはしなかった。
ヘルパーさんにそのことを聞いてみると「たしかに・・・三度の食事の時はコップ1杯の水を飲んでもらっているのですが、自室に戻ったら飲んでいないですね」とのことだった。
暑い時期に一日コップ3杯だけの水というのは少なすぎるのではないかと思った。
その辺りのことをなんとかして欲しいとケアマネージャーさんに相談したのだが、「高齢者住宅というシステムは介護のついているアパートみたいなものなので、自室では本人の責任になってしまいますね」となんとも頼りない返事だった。
ヘルパーさんには掃除と洗濯をお願いしているだけなので、特別養護老人ホームのように水分補給までやってもらうことはできなかったし、日中は起こしておいてもらうといっても、ずっと父に付いていてもらうなんて無理だと分かっていた。
ましてや、今はどこの介護施設もそうだが人手不足。
きめ細やかなサービスは望めないのだろうか・・・
水分補給を含めて、父の身体の機能を維持する方法など、なにか手立てはないのだろうか・・・
ケアマネージャーさんに言っても、上記のような返事が返ってくるばかりで、なんともすっきりとしない気持ちのまま「やっぱりほかの施設に変わったほうがいいかもしれない」と思いながら会議が終わった。
部屋に戻り、相変わらずベッドに横たわっている父のそばに座っていたら、ひとりのヘルパーさんがやってきた。
さきほどの会議に出席してくれたヘルパーさんだった。
「会議の間、私ずっと言いたかったことがあるんです。
それはお父さんをこのままにしていてはいけないんじゃないかってことです。
このままではますます弱るばかりだと思います」
そうおっしゃるヘルパーさんは、毎日父の様子を見ていて、家族である私よりも父の様子を知っている方だった。
「今更こんなことをお伝えすると、ケアマネージャーさんに叱られそうですが、複合型サービスをしているデイサービスに行かれるとよいと思います」とおっしゃった。
そういえば会議中、このヘルパーさんが「複合型・・・」と言いかけて急に口をつぐんだのが気になって「なんですか?それは」と私が聞いたのだった。
しかし、ほかの方が話し始めて、結局そのヘルパーさんが話の続きをすることはなかった。
「さっき話をやめたのは、ある方に睨まれたから・・・
よけいなことは言わないようにしようと思ったんですけど、でもやっぱりお父さんのことを思ったらご家族に情報としてお話したほうがよいと思ったんです」
ヘルパーさんが教えてくれた複合型のデイサービスとは、看護師さん、ヘルパーさんなどが常に複数常駐していて、ほかのデイサービスでは過ごすことのできない重度の高齢者も受け入れをしてくれるのだという。
常に介護のプロの目が複数あるので、水分補給はもちろん日中だれもいない部屋で過ごすのとは違って、家族も安心してお任せすることができる。
ヘルパーさんに教えていただいた複合型の事業所は、その日のうちにすぐ見学をし、そして父をお願いすることを即決した。
父が通うという形なので、慣れた高齢者住宅にはそのまま住み続けるので、父にとっても負担がない。
教えて下さったヘルパーさんにはお礼を言って、もちろん誰に教えてもらったなどとは一切言わず、複合型に行くことをケアマネージャーさんに伝えた。
そして今、父は複合型のデイサービスに毎日通っている。
ヘルパーさんによると「起きたくない。行かない」と駄々はこねるものの、いざデイサービスに行くとトロ~ンとした目がぱっちりおめめになって、食欲も旺盛になり声も出るようになった。
父の病気、レビー小体型認知症は体調の波があるのが特徴なので、たまたま調子が良い日がつづいているのかもしれない。
しかし、やはり複数の目があるということが何より安心できる。
またいつも一人の部屋で寝ているだけだった父にとっても、周囲に人がいることが良い刺激になっているような気もする。
それにしても、気になるのはヘルパーさんのおっしゃった「睨まれたので、話をやめた」とのこと。
事業所内でなにか利害関係でもあるのかと思ったが、「ないです」とのことだったが・・
結果オーライなので、それはいいか・・・
介護に関しては、情報は多いほうがいいとあらためて思う。
何も分からない家族にとって、ケアマネージャーさんの情報は頼りの綱的なものがあるので、やはりケアマネージャーさんは常に勉強してほしいと思う。
そしてヘルパーもですね!
ハイ、私のことです・・・