バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

お帰りなさい、ではなくて「帰りなさい」

2019年08月12日 | お仕事
交通事故を起こしたデミ嬢が出勤してきた。


思ったよりも元気そうだったけど、疲労感があの美貌の中に見え隠れしていたが、
知らない人が彼女を見たら、先週彼女に何があったかなど、絶対に分からない感じ。
彼女は私と違って、自分の感情をひた隠しにして普通に振る舞うことに長けている。
人はそれを「長女(デミ嬢は長女)が成せる技」というが、長女である私ができないのはどういうことか。


デミ嬢は職場で事故のことを話したくないと言っていたので、
小声で「おかえり」と言ってハグをして、それ以降はそっとしておいた。


私は私で仕事が山ほどあるのだ。


実は土曜日の朝、ヘアサロンに行ってヘアカラーのプロセスの時にデミ嬢とメールをやり取りするうち
事故の全貌がほんの少しだけ明らかになってきた。


事故は火曜日の朝の通勤中に起こり、デミ嬢は大型トラックに「追突」され、
デミ嬢の運転していたコルベット(夫の愛車)は大破どころか全壊。


私は、その事故のことを後で例の男性社員からちょこっと聞いたが、その時はその事故が
そんなに大きなものとは聞いていなかったので、ぞっとした。


そんな大きな事故で、あんたよく無傷で家に帰れたねと言ったら、
神様に守られてるとしか思えないと、本人もびっくりしていた。


実は先週の時点で、私はどうしても腑に落ちない疑問が一つあった。
過去に、もっと大きな事故を経験しているにもかかわらず、彼女の落ち込み様はどこから来るのか。


もしかしたら人身事故で、ケガ人を出してしまったのかも


という思いがずっと頭にあって、「答えたくないなら答えないでね」と前置きして、思い切って聞いてみた。
「それね。」と彼女は思ったよりも簡単に答えてくれ、
「私一人だったんだけど、ティム(夫)の愛車だったからすごく申し訳なくて。しかももう手元に戻ってこないから」
私はその言葉に安心したのだった。



人身事故じゃなくて良かった。
デミ嬢が無傷で良かった。
身代わりになったのが、車で良かった。



お昼前になって、「ランチ、どうする?」と聞きに行ったら、彼女が身支度を始めていて
なんで帰る準備するのと聞いたら、複雑な表情で、「HR(人事課)とブラッドに『帰れ』って言われた。」と言う。


私はラッキーにも、今まで一度も3日以上病欠や、事情があって会社を休んだことがないが、
会社の規則で、3日以上会社を休んだら、それなりの証明書を提示しなければならないんだった。
デミ嬢の場合は、事故後なので医者の診断書、ということになる。


その証明書を提出しなければ、解雇の対象になるんだった。


その書類の提出にしても、物凄く面倒臭いプロセスがあって、
暗にお前ら、どんな理由であろうと長期で会社を休むと面倒なことになるで。って言ってるようなもん。
どんな事情であれ、会社を休まないといけない人が、肩身の狭い思いをするのは明らかだった。


しかも先週デミ嬢が電話でブラッドと話をしたときに、どうして彼はこのことに触れて
「仕事に戻るときは医者の診断書提出してね」ってデミ嬢に言ってあげなかったんだろう。
マネージャーとして失格ではないか。


その医者の診断書が人事課に受理されるまでは、デミ嬢は職場に戻ってくることが出来ない。


お帰りなさい!どころか、『帰りなさい』


「お」を入れるのと抜くので、意味がこうも違うのか。
てか、真逆の意味じゃんね。


会社の規則であることは分かっているが、やっぱり会社というところに、愛はないな。
と、思ったけど、会社は会社でそこまでやらないといけなくなった理由もあるんだろうなと察する。
組織が大きければ大きいほど、厳しくなるね。


(余談:ずっと昔、まだバブル時代だったころ、さんまさんがバリバリのキャリアウーマンに、
そんなに会社に貢献して尽くしても、会社は君を抱きしめてはくれないよと言って、世の働く女性を笑わせていたが
そのセリフを思い出した。)


書類がすぐに用意されて、それが早く受理されないかな。
デミ嬢がいない職場は、非常に面白くないのだ。



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フリちゃんのお鬚はアンテナ。

目の前のアイテムを天然パーマなお鬚がロックオン。











お鬚が生きてるみたい。

一番下の顔、口元がに!

犬のお鬚もアンテナみたいになってるのかな。








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