鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『イリアス』~ギリシャ叙事詩の神々の設定に疑問をもつ・・・。

2010-09-19 21:02:55 | Weblog
昨日は、テアトル銀座に『イリアス』を観劇に。

昔は、銀座セゾン劇場という名前だったのだけれど、西武系の業績不振で、売却されたのか、オーナーが変わったのか、一時、閉鎖って話も聞いたことがあるような気がしますが・・・。いい劇場なんで、存続してくれて、嬉しい・・・けど、あまり行く機会のない劇場でもあるんですけどね。
個室のバルコニー席のある劇場は、たぶん、ここが本邦初だったのではないでしょうか?

さて、『イリアス』。内野聖陽さんが主役のアキレウスを演じるってことなので、そいじゃあ、行ってみるか・・・ということでした。このところ、ワイド・ショーで、盛んに、スキャンダルで、取り上げられていますが、どうも、NHK大河ドラマあたりから、ヴィジュアル的にキレイでない(どちらかって言えば、かなり男男した役が多くなったような・・・?)。以前は、もっと繊細な文学青年的イメージがありましたけどね。
メタル・マクベスや『エリザベート』のトート役とか・・・。
今回は、猛将といった役どころ。必然的にライヴァルとなるトロイアの王子ヘクトル(池内博之さん)との格闘シーンは、飛び散る汗、筋肉質の肉体を披露してくださいました。

ギリシャ叙事詩というのは、世界史で、ちょっこと出てきたくらいの知識しかないのですが、トロイの木馬は、パソコンのウイルス名にもなっているし、アキレウス、アガメムノン(木場勝己さん)、オデッセイウス(高橋和也さん)、アンドロマケ(馬渕英俚可さん)、カッサンドラ(新妻聖子さん)あたりの役名は、聞き覚えがあるのだけれど、平幹二郎さん演じるトロイア王・プリアモス、アキレウスの親友・バトロクロス(チョウ・ソンハさん)となると・・・『役名なんだっけ・・・。』と休憩時間に反芻する始末。

今回、兵士・神々・馬といった普通だと男性がキャスティングされるだろう役柄を5人の女性が演じていたのも印象深いし、とても綺麗な演出でした。

アキレウスは、人間の男性と女神(ティティス)との間に生まれた子供で、神の子ですが、寿命が人より短いと予言されているという設定になっています。
3000年前の昔の人(・・・こういう表現は、おかしいですかね?昔というとせいぜい50年くらい前?の単位になるのだろうか)、というか、古代のひとと言った方がいいのかもしれませんが、『神』というのは、ある一部の特権階級とでもいいましょうか?王族より位が上とか・・・、ある種の霊能力をもったそんな種族のことを言ったのかも知れないな・・・なんて思ったりしました。ギリシャ神話の神々もいろいろいるけれども、妙に、人間っぽいから。

この『イリアス』の10年戦争の発端となっているのも、トロイアの王子・パリスが、ギリシャの女神・ヘレーネを略奪したことが原因って言ってるから、かなり、個人的な理由だわな・・・。
そんなことで、10年も戦争続くんですかね??現代に置き換れば、誰だろう?国民的アイドルの女性というか、女神的な有名人を、アメリカ?だとか、北朝鮮だとか?に略奪されたからって、即、戦争にはならんだろう・・・でも、皇族だったら、問題だよな・・・でも、徴兵に応じるひとは、いないと思うが・・・などと、うがった見かたをしてしまいましたが・・・(このあたり、見解が違っていたらお許しを・・・)。

舞台下手には、ヴァイオリン・パーカッション・シンセザイザーの生演奏で、ギリシャ神話っぽい?格調高いサウンドを提供してくださいました。
特に、重低音が響く空間に、これから起こる不吉な出来事を印象付けるようなイメージがあり、効果音として、役者、観客に奥行きを与える構造となっていたようです。