鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『絶望名人カフカの人生論・頭木弘樹・編訳』

2012-01-24 22:53:36 | Weblog
夜間に降った雪が、明け方の冷気で、凍結して、関東地方では、スリップ事故多発というニュース。
昼間になっても、3℃に満たなくて、寒い寒い冬の日。
私の居住地は、それ程でもなかったけれど、朝、車のフロントガラスに着雪した雪が凍結して、ガチガチ。

こんな日は、外に出たくない(・・・こんな日でなくても、外に出たいと思うことはあまりありませんけど・・・)。
今日のお題、ドイツが生んだ20世紀最大の作家・・・彼なくしては、後の文学は、語れないくらい影響力の大きなカフカの、絶望と孤独と悲しみにみちた名言集ということで・・・。

ページの右半分は、カフカの残した言葉。
そして、左側は、編訳された頭木弘樹さんの解説という構造になっています。

20世紀以降の作家で、カフカに影響を受けなかったひとは、いなんじゃないか・・・と言われるくらいのひとなのに・・・ソレを誇っていいはずなのに、40歳で亡くなってしまいます。
身体が弱いし、不眠だし、不安は、尽きないし・・・。
結構、裕福な家庭で育ったのに、それさえも、拒んでいるかのようで・・・。
どんな些細な事の中にも不安を見つけてしまうカフカ・・・。

どちらかと言えば、私もそんな性質なんで、痛いほどわかります。
幸福だと幸福になれないんだよね・・・。
幸福は、自分の不幸の中にしか存在しないような・・・。

世の中の全てが、自分に対して悪意を持っているようで、不幸の種を見出しては、育ててゆく。

自分には、生きてく為の何かが足りない・・・。
徹底的に欠落していて、どうにも埋めようがない・・・。

その反面、完璧主義で、なにひとつ妥協ができないから、納得しないし、小説だって完成しない・・・というか、完成できないというか・・・たぶん、他のひとが、完璧だって言っても、本人は、納得しないんですよね・・・みたいな・・・。

ひとりでいれば、何も起こらない・・・。

本当にそう。
いるのは、自分ひとりだけ。
そして、その自分に痛めつけられている自分がいるような・・・。