♪ 韓国梨泰院の転倒事故で、２日後には全被害者の身元が判明した訳とマイナンバーカードのこと

１１月１０日（木）　　晴

日本人２人を含む１５７人が亡くなった韓国ソウルの繁華街・梨泰院 （イテウォン）での痛ましい転倒事故で、被害者の身元が翌日にはほぼ判明し、２日後の３１日には、韓国警察庁が正式に発表した。

このスピード感に驚くとともに、３０年前に韓国を取材した折、国選のガイドさんが１３桁の住民票を持ち、「私はここ（国立競技場）に入れるけれど、一般の人は催しの日以外は入れないのよ」と胸を張り、首から下げたカードを見せてくれたことを思い返す。

個人の識別票は、生まれた時から各人に渡され、年金や健康保険との紐づけはもちろん、それぞれが取得できる権利が１３桁の数字に込められている。

国民総背番号制はまた、カードの皆携帯制だから、被害者の身元が１日で分かったのだ。

この制度は、韓国在住の外国人にも適用されるとあって、全員の身元が事故後２日にして確定した次第である。

韓国の「住民登録番号制」は、１９６２（昭和３７）年に制定された「住民登録法」に基づいて 施行された。　

今年で施行６０年の歴史を持ち、むろん、光もあれば影もある。

３０年前の訪韓当時、ガイドさんに「不自由はないですか？」と尋ねたら、「韓国の国民だから、当然のことです」と返事が返ってきた。

翻って、我が国のマイナンバーカードは、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律（マイナンバー法）」として２０１４（平成２６）年 に制定され、翌２７年１０月２３日から、全国の市区町村を手始めに、順次、個人番号の通知書（通知カード）が郵送され、翌２８年１月からは マイナンバーカードの交付がスタートした。

例えば韓国に比べても、半世紀以上の遅れをとり、しかもこの法律は周知のとおり、加入の諾否は個人の自由意志と裁量にゆだねられている。

個人情報の内容は、下記の一覧で判るように多岐に及ぶ。

『自己情報取得ＡＰＩで第三者（市町村、国）が取得可能となる主な情報』
分野 　　　主な情報
税　　　　 所得額、課税額
年金　　　 老齢年金額、障害年金額、障害等級、障害傷病名
福祉　　　 生活保護支給歴、中国残留日本人支援金支給歴、身体障害者手帳/　　　　　　　　

　　　　　精神障害者手帳の交付歴
健康　　　 難病患者への特定医療費支給歴
介護 　　　要介護状態区分、介護保険の自己負担額
子育て 　　妊娠歴、乳幼児健診結果（障害有無など）、児童扶養手当（父又

　　　　　は母と同居しない児童の手当）支給歴、障害児入所施設入所歴、

　　　　　小児慢性特定疾病医療費支給歴
教育　　　 特別支援学校（障害児のための学校）通学歴
雇用　　　 雇用保険加入歴（職歴）、給付歴（失業歴）
口座 　　　公金受取口座の銀行名、支店名、口座番号、口座名義

　　　　　　　※２０２３年６月から取得可能になる予定

以上を一見すると、自分の個人的な秘密事項が、国や市町村の担当者の知るところとなる危うさと不安が付き纏う、と知れる。

未加入を謂われる方々は、おおむねこの危うさ、不安を懸念されるのであろうけれど、これらの内容は名寄せされていないだけで、もとより行政の知るところである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　

さくらは多重がんを病んで、生き延びる過程で人生観が変わり、病歴をはじめとする個人情報を特別に隠そうとは思わなくなった。

こだわることなく捉われることなく、【正々の旗　堂々の陣】で生きていこうと思うに至った者であるから、どなたに何を知られても困ることはない。

「こんな私のことをお知りになりたいのなら、どうぞどうぞ」である。

なので、遅ればせながら今日、マイナンバーカードの申し込みをした。

周囲の友人やご近所さん方から、「まだ、カード作っておられない？」、「マイナポイントが２万ポイントもらえるのよ」、「うちは主人と合わせて４万ポイント貰って、もう使っちゃったわ」などと聞いて、やっと重い腰を上げた。

ことと

未加入の訳は、日々慌ただしく暮らしていて時間が取れなかったことと、マイナカードの必要を感じなかったからにすぎないが、「国のすることだから、いずれ全員加入になると思うし、今ならポイントが貰えるから」と言われてソノ氣になったという、いたって小市民なのである。

携帯電話の相談に行ったお店で、あっという間に申し込みが済んだのは良いけれど、カードに採用される顔写真は、マスク姿も笑顔もダメと言われ、改めて取り直したら、欲張りばぁさんそのままの顔になった。

たしかに、２万ポイントに釣られた、欲張りばぁさんなのだけれど！